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築地市場重大局面 
2013年12月の設計図に空洞
TBS Nスタ
池田こみち
環境総合研究所顧問
掲載月日:2016年9月12日
 独立系メディア E−wave Tokyo  無断転載禁


 以下は2016年9月12日夕方放映されたTBS Nスタの「小池知事に初の「重大局面」2013年12月の設計図に空洞」というニュースにおける池田こみち(環境総合研究所顧問)のコメント部分を拡充してもらいました。

図1 土壌汚染対策について都側の説明

 東京都は、最大環境基準の43000倍のベンゼンやその他の汚染が発見された土壌について、市場全域について、濃度に応じた土壌浄化対策を行った上で、最上部に砕石層、その上2mについては、土壌の入れ替え、さらにその上に2.5mの盛り土を行う事で土壌汚染を行い、その上に建物を建てるので土壌汚染は問題ないと説明していました。




図2 しかし実際には建物下は空洞

 しかし、共産党東京都議団が現場を視察したところ、実際には、市場の主要な建物の下(市場全体の1/3)については、上記の全体で4.5mの土壌の入れ替えと盛り土を行っておらず、空洞となっていることが分かりました。これまでの説明と異なっていることが判明し、東京都の信頼を大きく損なう結果となっています。




図3 日本共産党都議団が撮影した建物の地下の様子

 この写真は日本共産党都議団が視察して撮影したものです。建物の地下部分は4.5mの盛り土が行われず、空洞となっており、配管などがむき出しの状態となっています。また、地盤面は薄い(10cmくらいの)コンクリートで施行されており、1cm程度水が溜まっている様子がわかります。また、都議団によると青果市場の建物ではコンクリートでは無く、砂利のままとなっているとのことでした。




図4 日本共産党都議団撮影の地下部分の様子

 写真から、既に地盤面にはうっすらと水が溜まっていることがわかります。雨が吹き込んだのか地下水がしみ出したのかは現在の所分からないとのことです。




図5 池田コメント

 本来、土壌入れ替えときれいな土壌の盛り土によって土壌汚染対策が終了するとされていたものが実際には行われていなかったというのは、市場関係者はもとより、都民、消費者に対する裏切りであり全体の信頼性を大きく損なうものです。




図6 池田コメント

 既にその空洞部分に水が溜まっているとすれば、地下の汚染土壌に残っているベンゼンなどの有害物質が地下水を経由してコンクリートの隙間や亀裂などから地下空間に進入し、揮発して充満する可能性があります。




図7 池田コメント

 そして、この地下空間に汚染物質が進入すれば、周辺の条件によっては、その上の市場の施設内にも漏れ出す可能性は無視できません。ベンゼンは揮発性が高い物質ですから配管の隙間やコンクリートの隙間などから漏れていく可能性があります。




図8 池田コメント

 まずは、この地下空間のベンゼン濃度がどの程度なのか、測定する必要があります。東京都は測定しているのに隠しているのであれば悪質です。測定していないとしたら、地下空間、市場施設内、屋外を改めて一定期間測定し検証する必要があります。

 コンクリート構造物に地下ピットは必ず必要となる空間ですから、当初からこういう設計となることは
分かっていたはずだと思います。それなのに、全エリアで4.5mの盛り土を行うような虚偽の説明をしていたことは許せないことです。

 今になってこのようなことになった経緯と理由を明らかにすべきです。このままの状態では危険となれば、地下空間内の空気と水を浄化した上で処理する必要があり、さらに税金を投じなければならなくなります。