|
|
<ポーランド料理> 今回のポーランドの旅では、昼食と夕食はできるだけ地元の人が多く入っている家庭料理や給食センターのような場所を選んで食べるように心がけた。 ポーランド料理がどんなものかまったく事前の情報は無かったが、結果としてどれも美味しく、日本人の口にも合うお料理だった。 ●前菜、サラダ ポーランドの北部はバルト海に面していることもあり、魚介類も豊富である。前菜やサラダにはニシンなどの酢漬けが野菜と一緒にマリネされているものが多く出される。とてもさっぱりしていて健康的な一品だ。 また、ポーランドはヨーロッパでも有数の農業国であり、新鮮な野菜も多く、サラダは冬でも充実している。塩分の効いたチーズを角切りにして同じく角切りにしたトマトやキュウリ、レタスなどの野菜とドレッシングであえていただくサラダはとても美味しい。ワインにも合いそうだった。 そのほか、いろいろな野菜をみじん切りにしてマヨネーズやレモン、ワインビネガーなどで和えたディップ風のものも好まれているようだった。ちょっと堅めのパンにのせて食べるのがよい。 ●スープ 連日小雪・小雨交じりの天候だったこともあり、暖かなスープは本当にありがたい。ポーランドのスープの筆頭はなんと言っても牛モツのスライスが入ったスパイスの効いたスープである。焼き肉やもつ鍋やでよく食べるミノに近い。 店によってとろみの付け具合が違うものの、味は基本的に同じ。安心して頂ける。とっても暖まってスタミナ十分である。庶民の味として親しまれていて、バスターミナルのスナックでも1杯500ccも入っていて250円くらいでとても安い。 スープ スープ もうひとつポーランド独特のスープは、ビーツの濃い赤紫の透明のスープ。出汁は牛のブイヨンのようだったが、具は水餃子もどきのピエロギが数個浮かんでいる。少し酸味があって、こちらもとてもからだが暖まる。 お値段は300ccくらいの量で200から300円と安い。スープのメニューの横には必ず量(何mL)が書いてある。そのほか、たくさんの豆をとろっと煮込んだ濃厚なスープや、トマトベースの野菜たっぷりのスープなどいろいろなスープを毎回楽しめた。 安くて栄養満点、家庭の味である。 ●メインディッシュ ポーランドの家庭では、主食はジャガイモ。フライドポテト、マッシュポテト、ボイルドポテトなどいろいろな料理の仕方があるが、とくにゆでただけのジャガイモや少しバターを入れたマッシュポテトが美味しい。 給食センターや町の食堂では、大きなお皿に、野菜と煮込んだハンバーグ(挽肉を楕円に丸めたもの)とポテト、そしてにんじんとキャベツを一緒にゆでたような柔らかい付け合わせを一緒に盛り込んだものが一般的なようだった。 それとスープとパンがあればお腹が一杯になる。お年寄りもぺろっと平らげていた。どれも柔らかく暖かく薄味に調理されていて健康的なメニューだった。ドイツ、アメリカ、イギリスなどではものすごく太った人を多く見かけたが、ポーランドではそれほど病的に太った人は少なく、野菜中心の家庭料理のおかげではないかと感じた。 とはいえ、ワルシャワやクラクフの都会では、ご多分に漏れずマクドナルトやケンタッキーの看板も見かけ、若者でにぎわっていたが、まだまだ数は少なく、地元の小さなレストランやバーが庶民やお年寄りのくつろぎと語らいの場となっ ているようだった。 肉に比べて魚料理は少し値段が高いようだが、800円くらいで大きな白身魚のソテーにトマトと野菜のスパイシーなソースを付け合わせた料理も人気のようだった。 ●点心?! ポーランドにはいわゆる中華料理の点心とも言うべきものがあった。それは先ほどビーツのスープにも入っていた餃子である。ポーランドでは「ピエロギ」という。水餃子のようにスープで食べるか、フライドといって揚げて食べるものもある。私たちは、2回、フライド・ピエロギを食べたが、とても美味しかった。 フライド・ピエロギ アカカブ・ピエロギ(水餃子タイプ) 中身は餃子とは違って、マッシュポテトとチーズである。揚げたてのピエロギは弾力があって、チーズの香りがする熱々のポテトがじわっと出てくるところが何とも言えない。1皿に8〜10個乗っていて200〜300円とこれも安い。 いずれも量が多いので、一人一皿は多すぎる。みんなでシェアしてサラダ、スープ、ピエロギくらいで十分お腹が一杯になって幸せな気分になれた。 ピエロギは家庭料理としても定着していて、カルフールなどのスーパーでは、10個入りの冷凍ピエロギがたくさん売っていた。やはり家庭で作るより楽なのだろう、安くて食べでがあるし、庶民にとっては貴重な食材となっているようだった。 総じてポーランドの食事は健康的、野菜中心なのがよかった。質素な生活ぶりだがアメリカなどのジャンクフード漬けの食生活とは明らかに違う。今度自宅でもピエロギを試してみようと思っている。地元の人々でにぎわうレストランでしばらく出入りする人々の様子をみているとだんだんその町の暮らしぶりが分かってくるように思う。 |