2006年6月3日夜、公正取引委員会に以下の意見を記名で送りました。
なお、以下の意見では公取委に送ったものに何カ所か追加してあります。
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公取委は新聞各社による自社紙面を使った猛反対などによって「特殊指定」見直しを断念せざるを得なくなった。
反対はマスメディア族議員からもあったが、大新聞がこぞって反対すれば、もともとメディアに弱い議員、政党が、ろくに実態、事実、真実がなんであるかを調べることもなく、安易にそれに乗ってしまうのは十分あり得ることだ。
もっぱら、新聞以外の4つの「特殊指定」は見直しとすることとなった。
日本の新聞業界の魑魅魍魎な販売実態を考えるとき、今回の公取委の新聞「特殊規定」見直しは、さまざまな既得権益の上に第四権力としてあぐらをかいてきた新聞業界に、長期購読者などの正直者がバカをみないようにする点だけを取っても理にかなっている。
その意味で、第四権力が立法府と結託して現状を追認したことはきわめて由々しき問題である。今回の公取委の断念はきわめて遺憾である。
そもそも、今回の一件では、新聞社業界は、「特殊指定」問題に関連し、一切、まともな解説、報道、議論を行ってこなかった。仮に、意見があっても、その多くは新聞メディア出身の大学教授や評論家であって、その主張は新聞業界と本質においてほぼ同一のものだ。
自分たちの既得権益を守るために、事実、実態とほど遠い感情的な報道を繰り返し、こともあろうか「民主主義」の崩壊とか、「知る権利」の剥奪など、大仰な言い回しを繰り返してきた。民主主義の崩壊や国民の知る権利の剥奪の多くは、メディアにその責任があることを自覚すべきだ。
それら新聞業界の言い分は、公取委の問題提起とは、大きくかけ離れた、いわば論理のすり替えそのものである。
もし、新聞業界の実態、とくに現場の実態を子細に新聞読者に知られたとしたら、「特殊指定」見直しについて、公取の問題提起に賛同する大きな世論が起きていたに違いない。
事実、新聞メディアは、公取委の問題提起に賛同する論者、識者の意見を紙面に掲載することがなかった。
公取委員長のインタビューでさえ、つい最近やっと毎日新聞がQ&A形式で掲載した程度である。
私がもっとも危惧するのは、新聞業界の既得権益にふれる事案があると、今回のように新聞業界は一丸となって、すなわち利権を維持するために談合し、たたきつぶすおそれがあることである。
今回の一件は、まさにそれを如実に示していると言ってよい。それこそ、民主主義国家にあって、白昼堂々とこんなことがあってよいのだろうかということを考えさせられるものであった?
このところ、公取委は談合告発などでいつになく元気でがんばっている。公取委はこれにめげず、ビシビシ勧告、公表、命令を連発し、がんばって欲しい!
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