「朝日は絶滅する運命」などとコキ下ろしていた安倍晋三幹事長代理らはどうするのか。
朝日の検証記事などで、再びクローズアップされているNHKの番組改変問題で、来月1日発売の「月刊現代」が証言記録を独占リポート、朝日の取材の全容が明らかになった。ジャーナリストの魚住昭氏のスクープで、朝日新聞もきのう、「社内資料が流出した可能性がある」と認めた。
驚くのは、朝日記者と安倍との一問一答だ。安倍はこれまで朝日の取材について「取材方法は到底まともなものではなかった。夜遅くにいきなりやってきて、NHKに圧力をかけて番組を中止させようとしただろうと、あれこれ言質を取ろうとする。インターホンを切ると、5分間にわたって鳴らし続けた。もう一回切ってもさらに5分間鳴らし続けた」などと言い、朝日の検証記事も「極めてお粗末」「捏造・誤報だと認めるべきだ」などと言っていた。
ところが月刊現代によると実際のやり取りはかなり違う。インターホンを鳴らしつづけた事実はないし、取材が行われたのも、「夜遅く」ではなく午後6時、極めて丁寧に名を名乗り、いきなりの取材についても詫びている。取材も「なぜ。放送内容を知ったのか?」「放送の中止を求めたのか?」などと聞き、「先生のお言葉として使わせてください」と断り、安倍は「どうぞどうぞ」と応じたというのだ。
月刊現代では松尾武元放送総局長、中川昭一衆議院議員とのやりとりもテープをおこしたかのように再現している。内容は25日の朝日の検証記事とダブるが、中川が番組中止を求めていたことを認め、松尾氏はそれに対して「圧力と感じる」とコメントしている。
それなのに、NHKは「当初の思い込みから抜けて出ていない。極めて遺憾」と言い、中川も「都合の悪い部分の保身以外の何者でもない」とか言っていた。再びバトルがはじまりそうだ。
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