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中国の大規模衝突は、
公害、環境汚染が元凶?

掲載日:2005.4.15


 中国情勢について、こんな報道があります。こういった記事は日本のマスコミはほとんど報じません。英字紙や香港や他の国の中国系のメデイアなどには載っています。中国の農村の惨状は目を覆うばかりです

 大都市でデモをしている若者たちはエリート層で政府の高官の師弟が多いのです。
今回の「反日デモ」では警官は何もしませんでしたが、生活苦や公害で立ち上がった農民には軍警が激しい弾圧をしています。中国の若者よ、“反日”活動などやっている場合か、、、

 農村に拡大する反政府暴動は「黄巾党の乱」と様相が似てきた、、、

T.I (長野県在住医師)

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「大規模衝突は、公害、環境汚染が元凶」

 2004年10月、重慶の暴動は市内の萬州区でおきて五万人が暴れた。主体は三峡ダムで立ち退かされた農民達の、スラムに流れ込んだ生活苦の人達だった。

 同年10月下旬、四川省漢源県でおきた15万人の大暴動は、漢源ダムで立ち退かされた農民が立ち上がった、生きるか死ぬかの必死の抵抗だった。この暴動は数十人が死んだと言われるが、爾後、現場は戒厳令が敷かれ軍が投入されているため、まったく事情がわからない。

 まるで劉邦が決起した黄巾党の乱のごとし。

 折江省東陽市は北に歌山鎮、南に画水鎮、別名「歌山画水」といわれた。

 風光明媚、水墨画にも描ききれない美しい場所だった。人々は自然を愛し、環境に親しんだ。

 この環境を破壊したのは四年前に新設された化学工場の廃液と煙突である。

 自然環境を享受してきた村人に異常な病気が蔓延しはじめた。東陽市郊外に急造された「竹渓工業団地」から汚染された廃液が流され続けた。

 なかでも悪質なのは染料工場、化学肥料、悪名高い企業は「東農化工有限公司」という。農薬製造の大手だが、利潤をあげて税収に寄与するので地方政府は公害対策をなおざりにした。

 この工場の周辺に小学校、中学校が建ち並び、もし事故が起これば数千人、数万人の生命に危機が及ぶと専門誌が指摘した(04年10月16日付け『中国化工報』)。

 付近の草木が枯れ、河が異臭を放ち、農薬の廃液が農地を汚し、毒性の空気を吸い込んだ妊婦が奇形児を産んだ。

 環境破壊、公害対策を訴えて、最初は老人たちが路上に座り込み、地方政府に抗議を開始した。

 3月23日から村人たちの自警団が監視チームを組織してトラックの搬入を見張った。道路を竹網で封鎖し、警察に逆らい、ついに警官隊3000人が導入された。抗議の村人の女二名を公用車がひき殺し、数百名が負傷、うち五名が危篤状態という(「大紀元」、4月12日付け)。

 騒ぎはここから争乱状況へと陥った。事情を知った村人五万人が駆けつけたのだ。

 2005年4月10日、北京や広州では反日デモが暴走をした日である。

 激怒した村人らは政府ビルに投石を開始し、公用車三十数両を横転させ、警官とみるや殴りかかった。

 大規模な衝突は、こうして公害、環境汚染が元凶となった。

 同様な暴動は河南省浚北県、江蘇省盆城県、四川省遂寧市、重慶市合川県、広東省紹関などで起きており、ガンの異常発生などが報告されている。

 また4月11日には北京で退役軍人ら1000名が「待遇改善」を要求して西門付近でデモ行進をした模様。これも「反日デモ」の翌日である。