タイ政府は7年以上も大きな社会問題となっているサムットプラカン県の汚水処理場を、汚職の疑いや住民の激しい抗議にもかかわらず予定通りクロンダン村に建設する方針を打ち出しました。
このプロジェクトには日本のODAやアジア開発銀行の融資が投じられ、日本のODA改革にも大きな影響を与えました。激しい住民運動によっていったんは中止に追い込みましたが、再び息を吹き返しています。
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クロンダンの村人たちは政府の動きに対して真っ向から反発し、新たな抗議行動を組織することを宣言しています。以下、1ヵ月半ほど前のタイの英字新聞の記事です。
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クロンダンの村人たちは処理場への抗議を続けることを宣言
2005年4月1日、The Nation
Janjira Pongrai記者、Budsarakham Sinlapalavan記者
クロンダン村住民は、スキャンダルに悩まされてきた汚水処理場の建設を再開しようという公害管理局(PCD)の提案に対して反対する、反対派住民は昨日そのように語った。
このプロジェクトの抗議運動を率いてきたDawan Jantornhasdiさんは、PCDが処理場建設の再開を政府に提案すると公表した後にそう語った。PCDによると、ほとんど完成しているこのプロジェクトを生き返らせるために、政府は残された工事のために56億バーツ(約150億円)が必要だという。
もし政府が処理場建設を再開する提案を受け入れれば、私たちは新たな抗議運動を実施する、Dawanさんはそう述べた。
PCDのApichai Chawacharoen-pan局長は、水曜日(3月30日)に、クロンダンの建設サイトの代替案調査の結果、やはりクロンダンこそが最適の場所と結論付けられたと語った。
すでに230億バーツ(約620億円)をこのプロジェクトに費やしており、これを使わない手はないし、工業地帯であるサムットプラカン県に汚水処理場が必要であることは否定できないとApichai局長は述べた。
Apichai局長によると、学者やエンジニアがクロンダンの建設サイトの代替案を9つ提示し、漁業・工業・官僚・地域グループの代表者に、プロジェクトのための最適なサイトはどこか投票してもらったということだ。
その結果、2番目に支持を集めた選択肢は、サムットプラカンのバンプー地域の300ライ(48ヘクタール)に71億バーツ(約191億円)をかけて処理場を建設する提案だった。
しかしながら、Apichai局長は、PCDはその選択肢ではなく、あと56億バーツかけてクロンダンの処理場を建設する方を求めることを決めたと言う。
建設サイトの代替案調査を行ったエンジニアであるSangsant Panit氏は、提案されたバンプー処理場案が技術的に実施可能かどうかを判断するため慎重な検討が必要だと述べた。
彼は、クロンダン処理場と同様にバンプー処理場もこの地域のマングローブに影響を与えるため、環境上の懸念に悩まされることになるだろうと言う。
Dawanさんは、クロンダンの住民たちはやはり戦いを続けるだろうと述べた。
このプロジェクトにお金をつぎ込む価値がない。なぜなら、クロンダン処理場は、生物・有機化学的な汚水処理システムを採用しており、3000以上の工場から出る重金属や有毒な汚水を処理することはできないので、サムットプラカン県の水質汚濁を一掃することはできないからだ。
最善の選択肢はクロンダン処理場は放棄して、この施設を魚の繁殖センターに使うことだ、Dawanさんはそう語った。
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