5月1日の「長野県の組織改正」 青山 貞一 掲載日:2004.4.18 |
ご承知のように長野県議会は、2004年2月の県議会で、田中康夫知事「組織条例改正案」を「拙速」の2文字で否決した。 長野県は4月23日、「新たな県民ニーズや重要課題に迅速・柔軟に対応するため、平成16年(2004年)5月1日に本庁舎の組織を中心に、現行組織条例の枠内で改正を行います。」として、「平成16年度 組織改正について」 (PDF形式:3P/90KB)を公にした。 これは5月1日に実施されることになっている。 2月県議会で否決された「組織条例改正案」と4月23日に公にされた「組織改正」を見比べると、実質的内容ではほぼ同じ事が分かる。では何かが異なるのか、と言えば部局の名称である。 たとえば、私が係わっている環境部門では、2月の「組織条例改正案」では、「環境保全部」となるところが、4月23日の「組織改正」では、今まで同様「生活環境部」となっている。 カラクリはと言えば、部局名は条例改正が必要だが、課室レベルなら規則で変更が可能なことがある。事実、2月議会で条例改正は否決されたが、私が所長をとなった環境保全研究所(旧衛生公害研究所と旧自然保護研究所の統合により実現)は、部局レベルでなく課室レベルの組織であったため、当初予定通り実現したことになる。 両者は実質的内容が変わらないとすれば、2月議会におけるあの騒ぎは、一体何だったのかと考えざるを得ない。 長野県議会の議員諸氏があらかじめこのことを理解していたとすれば、「新たな県民ニーズや重要課題に迅速・柔軟に対応する」と言う田中康夫知事の組織改正の単に田中知事にすることを拙速の2文字でただ足をただひっぱっただけではないのか、と考えざるをえない。 すでに何度もこのコラムで述べているように、組織、人事に係わる情報が議会直前まですべてをつまびらかにすることは事の性格上困難である。したがって2月議会の10日前であれ、改正案を議員諸氏が1時間でも目を通せば、改正の意図や目的を理解できたはずである。 |