以下の講演依頼状をとくとご覧頂きたい。
自民党本部 文教制度調査会、河村建夫委員長名での田中康夫知事への講演依頼状である。
田中知事に、自民党本部が正式の講演依頼状を出し、義務教育特別委員会で知事の話を議員らが聞こうと言うのである。これだけでもたいしたニュースである....。
田中知事と言えば、最近はフジテレビの政治番組、「報道2001」にたびたび出演、長野県での地方改革のさまざまな実績をベースに、日本社会の変革に鋭い切れ味で、歯切れよく問題提起、政策提言を次々に発している。
「報道2001」は、ご承知のように日曜早朝の硬派の政治番組、それも自民党の幹部が毎回出演するなど、田中知事の出演は一見場違いと思われる向きもあるかも知れない。
だが、ことウルトラ無党派の田中知事は、「右だ、左だ」、「保守だ、革新だ」だけでなく地元でかまびすしい「政治手法が独裁だ」といったくだらないステレオタイプのレッテル張りの数々を遙かに超えた理念、哲学をもっている。現場で裏打ちされた政策や実務能力をもった稀有な政治家であることは多くのひとが認めるところだ。
そんな稀有な人材、田中康夫氏であればこそ、自民党本部から正規の講演依頼が来たのだと推察する。
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ところがである。
以下の2005年2月8日の毎日新聞にあるように、どうも自民党長野県連は、永田町の自民党本部に圧力をかけ自民党本部による田中康夫知事への講演依頼を中止させたようだ。
日本を代表する公党、いや日本の政権政党である自民党がいやしくも上記の依頼状を都道府県知事に正式に出したあと、知事の地元県連からの圧力により講演依頼を取りやめたとなれば、これは大問題である。考えようによっては、単なる圧力問題ですまない。言論の自由など権利侵害にもなりかねない。
地元新聞によれば来年(2006年)の知事選を意識し、自民党本部が田中知事を呼び講演させるとなると、自分たちに不利になると考え、自民党本部に中止させるように申し入れたと言うのが実態のようだ。
もし、自民の長野県連の対応が新聞各紙にあることが事実なら、大人気なく、感情的で、いかに公党として度量がないと思われても仕方あるまい。
最近前代未聞の出来事が多いが、まさに前代未聞の出来事ではなかろうか!
自民が依頼の知事講演中止
自民党文教制度調査会義務教育特別委員会(河村建夫委員長)が講師の依頼をしていた田中康夫長野県知事へ講演の中止を伝えていたことが7日、わかった。田中知事は10日午後4時から、東京都・永田町長の自民党本部で、義務教育のあり方や義務教育国庫負担制度について講演を依頼されていた。田中知事は約25分間講演し、委員会出席の国会議員らと質疑、フリートーキングを行う予定だった。
田中知事と自民党を巡っては、自民党県連の村井仁会長が1月29日の会合で「県政が正常な状態だとは思えない。それは田中知事の特殊な政治手法によるもの」と批判していた。田中知事は講演中止に、「『気に食わない田中の話は聞くな』と自民党本部に圧力をかけた自民党県連の姿勢は、言論の自由や民主主義を否定する問答無用の暴挙」とコメントした。
2005年2月8日の毎日新聞 |
以下は同じく2005年2月8日の中日新聞記事。
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