2003年度も北海道から鹿児島まで120地域の参加を得て、市民参加の松葉ダイオキシン調査が終了した。現在、各地域で結果の報告会が順次開催されている。
すでに、九州・中国地域の全体報告会、千葉県報告会、北海道室蘭市報告会、関西(大阪南部地域と兵庫県地域)報告会が終了している。この日曜日には栃木県上三川町が主催する報告会が開かれた。
各地とも報告会は、松葉ダイオキシン調査の測定分析結果とともに、大気中ダイオキシン濃度の推定値、全国各地との比較、周辺および地域内の発生源との関係など幅広く解析を行った報告書に基づいて約100枚のパワーポイントを使って2時間程度行われる。もちろん、結果(濃度)の報告だけでなく、最新の海外情報や調査を踏まえどのような廃棄物対策を目指すべきかといったビジョン、シナリオについても提案を含めお話ししている。
2002年度から2003年度の変化を分析するためには、いわゆる14年度規制(2002年12月1日からの排ガス中ダイオキシン濃度の大幅規制強化)の前後が含まれるため、その間の発生源の稼働状況に関する情報は非常に重要なものとなる。
報告書の作成にあたり、環境省や各自治体が公表している環境測定データや発生源情報を参照するが、これら基礎的な情報の公表のされ方が自治体によって大きく異なる。
今年は栃木県上三川町の報告書づくりの過程で、栃木県が「ダイオキシン類対策特別措置法に基づく特定施設設置者による自主測定報告結果一覧(大気関係)」という情報を公開していないことがわかり、作業を中断せざるを得ない事態となった。多くの自治体では同じ情報をホームページで公表している。栃木県の担当課に問い合わせると、「情報開示請求の手続きをとってほしい」と言うので、上三川町役場から県に依頼してもらったが、答えはやなりNG。町主催の調査報告会のために必要な情報であっても開示してもらえないというのだ。結局、時間もないので、仕方なく、栃木県民でもない私が情報開示請求手続きを行うこととなった。
今時なんと情報公開レベルの低いことか。栃木県の体質を表しているのだろう。結局、コピー代と送料で合計680円を前納し請求から3週間ほどたって報告会が終了した翌日に請求した資料が手元に届いた。間が抜けているにもほどがある。
こちらからの問い合わせに対応してくれた県職員の言葉遣いや態度はとても親切なものではあったが、親切ならよいというものではない。このような情報を開示しないことにより仕事を増やしている行政の非効率も問題となるだろう。
同じような例は大阪市でもあった。届け出事業者から出される情報は市役所の廃棄物対策課や大気の担当課ではなく、すべて保健所が受け取り保管しているということで、最寄りの保健所に行けば見せてあげる、という対応だった。コピーのサービスもなく、「近くのコンビニでコピーをとってすぐに返してくれればいいです」と明るい大阪弁で言われてしまい???
情報公開のレベルが低いと言うことはもしかしたらその地域の住民の民度を反映しているとは言えないだろうか。東京から電話で問い合わせをすると、今までそんなことを言ってきた人はいない、というような怪訝な表情が電話口の向こうに見えたような気がした。
そういえば、京都市では、年間平均風配図ですら、行政の担当課にはなく、さんざん電話口で待たされたあげく、「研究所に問い合わせればあるかもしれません。情報公開の請求を・・・」と言われたことを思い出した。 |