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長野県議会主催政策条例制定研修会
青山 貞一

掲載日:2004.6.2

 以下は昨日長野で開かれた県議会主催の政策条例研修会記事。

 昨日は約270人(受付担当者から)が参加、午前中ゴミ条例関連のパネル討議を行った後、午後に景観、森林、ゴミの3つの分科会に別れ討議を行った。

読売新聞 2004.6.2朝刊
県廃棄物抑制条例 議案提出先送りへ 3定例会連続
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要綱案、市町村に「譲歩」も

 県は一日、県議会六月定例会に予定していた廃棄物抑制条例案提出を先送りする方針を固めた。条例アドバイザーで県環境保全研究所長の青山貞一・武蔵工大教授は、同日開かれた県政策条例研修会で「六月議会にこだわることなく議論したい。田中知事も同じ考えだと思う」と述べた。昨年十二月、今年二月に続き、三議会連続で提出見送りとなる公算が大きい。

 県は二月議会に同条例の骨子案を提示。その後は要綱案の策定を進めるとともに、県民をはじめ自治体や業界関係者などへの説明会を開いてきたが、市町村事務の一般廃棄物処理について、県の関与が強まることへの懸念が深まっている。

 こうした現状を踏まえ、骨子案で県の承認を必要としていた一般廃棄物処理施設の建設について、青山氏は「『承認』はいかにも許認可のようなイメージを与える。『協議』でいい」と譲歩の姿勢を示すなど、要綱案に市町村側の要望を取り入れる意向を示した。

 さらに、同様に反発が根強い議会側に対しても「説明不足のために起きていることが多々ある。要綱になると丁寧な文言になるので、これを見てもらい、議会の人たちとひざを交えて議論したい」と述べ、条例案策定に向けた話し合いを呼びかけた。

 ただ、「出来上がったものを見たら、ない方がいいようなものではしょうがない」とも述べ、条例案の骨格は堅持する考えを強調した。


朝日新聞2004.6.2朝刊
県廃棄物条例案 6月議会は見送りへ
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 県が制定をめざす廃棄物条例など一連の政策条例を話し合う県議会全11会派主催の研修会が1日、長野市内で開かれた。廃棄物条例アドバイザーを務める青山貞一・県環境保全研究所長がシンポジウムのパネラーとして出席し、同条例について「6月議会にこだわることなく議論したい。知事も同じ考えだと思う」と述べ、6月議会への同条例案提出が見送りとなる見通しを示した。

 同条例の骨子案は、一般廃棄物の処理責務がある市町村が処理施設を設置する場合、現行法上の届け出とは別に、知事が策定する「発生抑制・資源化計画」の「承認」を必要としている。こうした点にこれまで市町村長らから批判が相次ぎ、さらに要綱や条例案に仕上げる作業が手間取っていることなどから、6月議会への提出が見送られる見通しとなった。

 また、青山所長はシンポシウムの中で、「承認」を「協議」に改める方針を明らかにした。

 これに対し、同じくパネラーとして出席した鷲澤正一・長野市長は「『協議』というのはどういう意味なのか」とただし、県の関与の具体的な内容が示されない以上、評価できないとの考えを示した。

 シンポジウムではこのほか、県廃棄物処理事業団が下伊那郡阿智村で進めてきた廃棄物処理施設計画が取り上げられた。同事業団の新しい収支計画で県の負担増が判明し、条例との関連も考慮して計画は「休止」状態になっている。

 阿智村の岡庭一雄村長は「モデル施設だったはず。青山氏ら3人の条例アドバイザーは、これまでの県の廃棄物行政とは異なる考え方だ」と述べ、従来の行政との整合性をきちんと説明する責任が県にあることを指摘した。

 県は県内を4地区に分け、事業団による産業廃棄物処理施設の整備計画を進めてきた。南信地区の阿智村の計画はその第1号。地元との環境保全協定やわずかに残る用地買収交渉が進めば、着工できる運びだった。

 6月3日、知事が県議会との会見で以下について言明している。
 
信濃毎日新聞 2004.6.3
知事会見抜粋

また、六月県会提出を見送った廃棄物に関する条例案をめぐって知事は、県会前に要綱案を公表した上で、知事委嘱の条例アドバイザーと中信地区廃棄物検討委員会の代表、県市長会、県町村会、産業界、廃棄物処理業界、県会から計十人程度の「円卓会議」を設置。七―八月に三回程度の会合を開き、修正を含めて検討する考えを示した。