シンドラー社幹部を聴取、設置リスト提出
日刊スポーツ 2006.6.9
東京都港区のエレベーター事故で国土交通省は9日、製造元の「シンドラーエレベータ」幹部を国交省に呼び、同社が設置したエレベーターのリストの提出を受け、保守管理の状況などについて事情を聴いた。
エレベーターの数について同社はこれまで7000数百基と説明していたが、実際は8000基を超えることが明らかになった。
リストには施設や建物の名称、住所、納入時期などが記載されている。国交省は地域別に分類して都道府県に情報提供し、公共施設については名称などを公表する方針。
同社は事故発生直後、国交省が設置状況を問い合わせた際に「個人情報保護」を理由にリストの提供を拒否。その後、制御システムなどが事故機と同じエレベーター12基の所在地を報告した。7日の東京都の事情聴取には「会社の方針」を理由に、約1700基とされる都内の設置場所は明らかにしなかった。
北側一雄国交相は9日の閣議後の記者会見で「国にも自治体にも誠実に対応していただきたい。(個人情報保護のために提供を拒むのは)全く理由にならない」と苦言を呈していた。
国交省は既に、提出が義務付けられている定期検査報告書などを基に同社のエレベーターを特定し、過去に事故やトラブルがなかったかどうか調査するよう都道府県に指示。28日までに回答するよう要請している。
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