エントランスへはここをクリック!    


民営化もなんのその!
既成事実の積み重ねで進む
巨大道路道建設(圏央道)
〜中央道からその現場を見る〜


青山 貞一

掲載日:2005.10.1

無断転載禁


 2005年10月1日、道路公団民営化の一環として日本道路公団などが6つの株式会社となり、債務返済のため独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が、6社の料金収入から管理費を引いた分で進めると言う。

 だが、鳴り物入りで進められてきた小泉政権の道路公団民営化で幹線道路の建設が止まったのは、全国でわずか140数kmのみ、その他の計画路線はもともと建設が決まっていたとして、政府のお墨付きで巨大な道路建設が進められている。

 10月1日、このところ一段と政府の広報機関と成り下がっているテレビ各局は、道路公団の民営化で、ETC料金が何%割り引きなるとか、サービスエリアでこんなものが売られるようになるなど、およそ本質とかけ離れた広報番組を特番としていた。

 株式会社化された道路公団には、国土交通省や旧道路公団などから社長はじめ役員にたくさんの天下りが行く。サービスエリアにある会社にも、今まで通り多くの官僚組織の関連会社が参入する。しかも、株式会社化されたことにより、情報公開は一段と後退することが懸念されている。

 道路公団民営化によって、40兆円を超える累積債務を40年間で返済すると政府は言っているが、誰もそんなこと信じていない。不要な道路を作りつづけている限り、40年はおろか、50年経っても債務返済は不可能だ。

 そもそも小泉首相はじめほとんど全部の責任者は40年後はもとより、20年後でもこの世に生きているひとはいないはずだ。


高速道6社、正式発足 4公団民営化

収益重視の経営目指す

 「小泉改革」の目玉の一つである道路関係四公団民営化で誕生した六つの高速道路会社が一日、正式に発足した。トップにいずれも民間出身者が就き、当面、政府などが全額出資する特殊会社として経営に当たる。約四十兆円に上る債務を四十五年以内で返済するため、四公団時代の高コスト体質を改善し、収益性を重視した経営を目指す。

 日本道路公団は、東日本(本社東京都)、中日本(同名古屋市)、西日本(同大阪市)の三社に分割された。首都、阪神両高速道路公団と本州四国連絡橋公団は、従来の事業をそのまま引き継ぐ形で三つの民営化会社に移行した。

 債務返済は、独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構が、六社の料金収入から管理費を引いた分で進める。

東京新聞2005.10.1


 以下の写真は、首都圏で第二東名とともに最大規模の道路建設工事である首都圏中央自動車連絡道(通称、圏央道)の東京都部分である。

 ここでは、東京に残された最後の自然の宝庫、高尾山を切り開き、巨大な自然破壊が公共事業として行われている。

 写真はその裏高尾地域で連日進められている圏央道裏高尾ジャンクションの建設現場をそれと交差する中央道上を走行するバスから筆者が撮影したものである。

 裏高尾JCT予定地では、自然保護団体、地域住民などの激しい反対運動、建設工事差し止め訴訟、土地収用事業認定・収用採決決定に関わる抗告訴訟などの裁判が起きている。

 にもかかわらず、国土交通省、道路公団、東京都、八王子市などは、「そこのけ、そこのけ道路が通る」、そして「道路が通れば道理が引っ込む」とばかり、着々と既成事実を積み上げ、巨大な高速道路建設を今日も進めている。


 以下の写真は下の3次元流体シミュレーション図の中心、
 すなわち中央道と圏央道の交差する部分で撮影しています。

出典:環境総合研究所
 
     
      
      
      

<関連するコラム、報告、声明、意見広告、学術論文>

鷹取敦:横浜環状南線(圏央道)質問集会〜大気汚染予測編〜

青山貞一:大気汚染に関する予測・評価技術、環境アセスメント学会誌vol3.no2(PDF)

鷹取敦:高尾山の自然と生活環境を守る天狗集会参加記

意見広告:高尾山が泣いている!

http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col3017.html

http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/takatori-col0015.html