カナダ大使館で聴くジャズ:日加75周年に寄せて 青山 貞一 掲載日:2004.7.1 |
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カナダと日本との交流75周年記念(Canada in Japan 75)に関連し、7月1日の夜、東京都港区赤坂にあるカナダ大使館の2階フロアーでジャズを聴きながら立食パーティを、と言う楽しい夕べの案内が届いた。 同僚の池田こみちさんと一緒に半蔵門線青山一丁目駅から徒歩5分ほど、青山御所の真ん前にあるカナダ大使館を訪問した。 カナダ大使館には今まで何度もでかけている。昨年の8月は大使館にあるシアターと言う250名ほど入る立派なプレゼンテーションルームで、私たちの環境総合研究所とカナダ大使館が共催し、カナダ・ノバスコシア州の固形廃棄物資源化政策についての国際シンポを行った。超満員の盛況だった。その後、9月に30名を連れてノバスコシア州に現地視察を敢行した。
「燃やさず」、「埋め立てず」にゴミを処理する。発生抑制とともにゴミを資源化し、循環型社会を構築したカナダ東端の州、ノバスコシア州における社会実験を日本に紹介するためだ。長いものには、巻かれないと言うノバスコシア(=New Scotland)気質に惚れ込み、青山、池田は昨年だけで2度、日本から13000kmも離れているノバスコシア州にでかけた。 私自身いままでに30カ国以上でかけているが、カナダはさまざまな意味で好きな国である。 パーティーの当日は、ひさびさ研究や仕事を忘れ、著名なジャズプレイアーのライブ演奏を聴きながら大使館のフロアーで心ゆくまでジャズを楽しんだ。スタンダードナンバーを著名なテナーサックス奏者、それにアコースティックベース、ドラムスそしてピアノのカルテットで演奏、その都度大きな拍手がわき起こった。。 開始より早めに行ったこともあり、下の写真のように最初はひとがまばらだった。7時20分頃から次第に招待客が増え最終的にはざっと見て150人ほどの日本人と在日カナダ人それに大使館関係者がジャズの夕べを楽しんだ。
ところで、演奏を聴いている最中、つかつかと寄ってきたお年を召した男性がいた。 名刺を交換すると、何とあのFM局、J−WAVEの代表取締役会長の三好正也氏だった。私も池田さんも何度となくJ−WAVE(東京のFM放送局)のジャム・ザ・ワールドに生出演している。何と、その番組も三好さんの発案でつくられたそうだ。 ジャム・ザ・ワールドは、ときどきで話題になっている本や事件、記事などをもとに、執筆者や問題提起者などの当事者とそれに批判的な論客とをライブでガチンコ議論をしてもらう番組である。15分の番組だがなかなかどうして面白い番組だ。出演する方もなかなかスリリングで楽しい! そのJ−WAVEは、昨年、霞町(西麻布)からかの有名な六本木ヒルズの超高層ビルに引っ越している。 カナダ大使館と言えば皇太子や雅子様がお住まいになっている東宮御所の真ん前にある。パーティー会場から皇太子や雅子さまがお住まいの建物が森の間からかいま見える。実は私の父方系の墓地はこの森の後ろ、信濃町にある。 そんなこともあり、以下の写真にある大きな道路(青山通り)を通って彼岸などによく来る場所だ。都心近くにありながら、緑も多い。近くには赤坂見附、六本木、溜池、霞ヶ関もある。
閑話休題 私たちとカナダやカナダ大使館とのつきあいは、20年以上にさかのぼる。 20年も前のある日、カナダ大使館から電話があった。カナダのバンクーバー近くに住むリーさんという韓国系カナダ人が中国で開催された国際土木学会の帰りに東京に立ち寄っている。ぜひ、話を聞いてあげて欲しい。それが最初だった。 リーさんは当時オンタリオ大学の助教授からサリー市の都市計画部の専門官として下水道などの計画を担当していた。同時に自宅ではコンピュータソフトの会社も経営していた。あとでわかったのだが、カナダでは、行政と大学やコンサルタントの間での人材の行き来が頻繁である。 リーさんを私が当時勤めていたフジテレビのシンクタンクの会議室に迎え、私の仲間10人ほどで都市計画、環境管理などについて多面的に議論した。リーさんはたいへん喜ばれ、帰国後、私と池田さんをカナダのカルガリーで開催される国際大気汚染防止関連の国際会議に招聘してくれた。そこで私と池田さんは、発表論文をまとめ国際学会に提出するとともに、リーさんが住んでいるブリティッシュ・コロンビア州のサリーという小さな町を経由しアルバータ州のカルガリーに入った。 途中、リーさんの案内でバンクーバー近くの町、サリー市役所を訪問し、今で言うGISなどの情報システムが市役所でとう活用されているか、その現場を見るとともに、関係者と議論した。休みの日には、バンクーバー島にフェリーで行き、有名な採石場跡地を修景緑化してつくったブッチャート・ガーデンなど景勝地を訪れた。行ったのは真冬、バンフの夜が何とも寒かったことを覚えている。 学会終了後、事務局長の女性が私たちをバンフ国立公園に案内してくれた。あのレイク・ルイーズ、バンフスプリングはじめロッキー山脈をしっかり堪能したものだ。 以降、私たちとカナダとの環境分野での長いつきあいが始まった。同時に、カナダから日本に来る知人の教え子の留学生や女性モデルの里親となるなど、多様な楽しいつきあいもはじまる。 これについては、あらためてお話ししたい。 青山 |