旧NKKが5億円所得隠し・施設建設で対策費
日経新聞 2004.4.2
鉄鋼大手の旧NKK(現JFEエンジニアリング)が東京国税局の税務調査を受け、2003年3月期までの3年間に約5億円の所得隠しを指摘されていたことが2日、分かった。同社は隠した所得を、ごみ処理施設建設の際の地元対策などに使っていたとみられる。同国税局はこれを交際費と認定。悪質な所得隠しにあたるとして、重加算税を含めて約1億円を追徴課税したとみられる。
同社は2000年10月、大分県佐伯市などで作る広域事務組合が発注したごみ処理施設を約85億円で受注。また、福岡県三輪町のごみ処理施設も約97億円で受注した。ともに高炉技術を使った「ガス化溶融炉」と呼ばれる施設で、すでに完成している。
関係者によると、同社はこれらの施設の建設工事などを下請けに発注する際、経費の水増しや架空の業務委託などの手口で所得を圧縮。地元対策費として経費に計上していたという。
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