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京都議定書目標達成計画(案)の変更を要請

〜グリーンピース・ジャパン、日本政府に意見書を提出〜

グリーンピース・ジャパン プレスリリース
掲載日:2005.4.12


 グリーンピース・ジャパンは、本日、日本政府に対し、「京都議定書目標達成計画(案)」( 注1 )に関する意見書を提出し、計画案の不十分さを指摘。変更を要請した。

同意見書の中では、地球温暖化がこれまで考えられていたよりも深刻になるという科学の警告がある中で、日本の温室効果ガス排出量が大幅に増加していることに言及し、この増加は日本のこれまでの温暖化対策の失敗が大きな原因と指摘。計画(案)では、京都議定書の目標達成は難しいため、特に以下について検討し、適切な変更を行うことを求めている。

温室効果ガス排出量が大幅に増加したことへの反省とその要因の分析 をしっかりと計画に盛り込み、これまでの失敗を繰り返さない決意を明記するべき。

予防原則に基づく行動を促し、客観的な現状把握を行うためにも、IPCC第三次評価報告書発表以降に発表された多くの 新しい科学的知見を計画案に追加 し、広く共有する努力をするべき。

中長期の目標設定は、私たちが低炭素社会あるいは脱温暖化社会へと進んでいくために重要であるため、 中長期目標設定の重要性と日本の目標設定 のための作業に着手し、世界を率いる決意を明記すべき。

脱炭素社会実現のためには、国内のエネルギー起源CO2排出削減が最も重要である。一時的な炭素貯蔵にすぎない吸収源、グリーン投資スキームなど問題をもたらす可能性のある制度やCDMに依拠せず、大綱と比べて後退したエネ起源CO2削減目標を2%削減以上に戻し、 国内対策に重点を 置くべき。

私たちに対策を遅らせる余裕はない。確実な削減を担保する 政策措置の導入を早急に行うべき。

電力分野のCO2原単位低減には、RPS法の適切な見直しを行い、自然エネルギーの利用を促進することが大切である。 原子力発電の設備利用率を引き上げるような危険な提案を撤回し、再処理事業を含むプルトニウム利用計画自体を白紙に戻すべき。

地球温暖化は私たちの生活に大きく関連し、また市民の関心も高い問題であるため、政策立案における市民参加のあり方を見直し、 幅広く実質的な市民参加を確保するべき。

「現在の計画案で京都議定書目標の達成を行おうとするのは、薄い氷の上を割れないように歩いていくようなもの」と、グリーンピース・ジャパンの気候変動問題担当 中島正明は述べている。 同意見書ではさらに、計画(案)策定過程において産業界が消極的な関与をしてきたことを非難し、地球温暖化の十分な抑制のために先駆的に行動する企業が利益と消費者の支持を得ることができると主張している。

「企業は、京都議定書目標達成のための社会的要求やそれに伴って消費者の温暖化防止の気運が高まることをチャンスと捉え、社会的責任を確実に遂行してほしい」と中島は付け加えた。


注1 地球温暖化対策推進本部は、3月29日に「京都議定書目標達成計画(案)」のとりまとめを行い、現在この計画に対して意見募集が行われている。京都議定書目標達成計画は、2004年度に見直しがおこなわれた地球温暖化対策推進大綱を下地として策定された、2008年から2012年までの第一約束期間の目標達成を、日本がどのように削減するかについて説明した計画である。

グリーンピース・ジャパンが提出した意見書は下記のURLからご覧頂けます。http://www.greenpeace.or.jp/campaign/climate/documents/doc050412.pdf