Copy right by Komichi Ikeda, 3 April 2006
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この季節は自宅(東京都練馬区)の庭の椿も色とりどりに咲いて賑やである。
自宅の茶室:無極庵
灯篭
庭の椿のいくつかをご紹介したい。茶室に飾るときは開いた椿は使わないが、枝で満開の椿はまた別の面持ちがある。
@うすいピンクの八重
「羽衣」という名前の通り、とても優雅な花形で色も上品。私の好きな品種のひとつ。
A蘂の大きなピンクのぼかし
「桜の司」という名前由来は、花弁が桜の花のように少し切れ込んでいていろが桜色のぼかしとなっているところ。開いた姿はとても可愛らしい。
B純白
「白玉」という品種で、白い椿の代表選手。椿の花は白が赤やピンクより格が高く、茶室に生けるときは必ず白い蕾を上にする。
C深紅の花弁に白い蘂
「朴半」という品種。これだけは半開きで白い蘂が顔を出したところが絶品である。花魁のようにあでやかでもあり、稚児のようにかわいくもある。
Dちいさな単衣でピンクに白の斑入り
「胡蝶侘助」という品種。小さな花が可愛らしい。茶花としては格も高い。小さいだけに花の命も短く、すぐに散っていくところが儚い。
その他、E西王母、F秋の山、G侘助などがある。
E西王母
F秋の山
G侘助
狭い庭には、椿ばかり何種類も植えている。炉の時期には庭の椿が大活躍。もう少しすると、炉から風炉に衣替え、床の間の花も椿から草花に。
一年はあっという間に過ぎていくようだ。季節感のない都会暮らし、昔に比べて季節ごとの微妙な変化が感じられないこのごろだが、植物は確実に季節を教えてくれる。
南蔵院には椿の大木がある。ひとつは純白の八重咲、名前は「白菊」か。
花の数は何百だろう。もうひとつは一本の木から白、赤、斑入りと何種類もの花が咲く不思議な椿。隣にあるしだれ桜とあでやかさを競うように今年も満開だった。 |