今年の桜は遅く咲いて、あっという間に見頃が過ぎた。
都内には各所に桜の名所があるが、やはり一番のメッカは「千鳥ヶ淵」である。昼は両側からお堀に枝を伸ばした満開の桜がまさに花霞そのもの。
そして夜はライトアップされ、あでやかな桜色が一段と人々の心を引きつける。
何回見ても美しくため息が出る桜である。
黒い幹から妖艶な花が吹き出すように咲く「桜」、儚いながらも生命の力強さを感じさせる生き様である。
訪れたのは4月8日、まさに花金の夜、九段から市ヶ谷方面は夜桜見物でにぎわっていた。靖国神社境内には屋台店も出て、オフィス帰りの面々もほろ酔い気分で千鳥足。花見だけは、日頃の憂さを忘れて花を愛でる日本人気質なのだろうか。
情報化社会で「桜前線、桜満開情報、見頃情報」などが普及し、みんな見頃を逃さずにやってくる。また、来年。桜にも長生きしてほしい。
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