4月18日、初夏を通り越して夏の到来を思わせる好天に恵まれた日曜日、私は長野県、南信の飯田市美術博物館で開催された「真の循環型社会を目指して、脱焼却を考える」講演会に出かけた。
翌日の月曜日はあいにく低気圧が押し寄せてきて雨模様となったが、その分、しっとりとした晩春の伊那谷の風景を満喫することができた。ハナノキが自生する伊那谷の湿地には多くの貴重な植物がひっそりと咲いていて訪れる人の心を癒してくれる。阿智村の山本には、天然記念物に指定された樹齢200年を超える大きなハナノキ(雄木)が堂々とした姿を見せてくれる。
廃棄物処分場予定地となった備中原地区の谷の奥には、ハナノキやその根元に自生する貴重植物を大切に守る人々の暮らしがあった。
このコラムでは数回に分け、南信の原風景が一般廃棄物処分場の建設や新たな産廃最終処分場の計画によって、どう変わって行くかについて現地から報告したい。
阿智村の自然と原風景 撮影日 2004年4月19日(月)、撮影及び(Copy right) 池田こみち