エントランスへはここをクリック!    
長野県の中越地震被災者への救援活動
青山 貞一

掲載日:2004.10.24〜12.24

 長野県は、2004年10月23日に起こった新潟県中越地震の被災地への救援活動として初動より知事の総合指揮のもと、関係各部署と連携しさまざまな諸活動を行ってきた。救援活動のリストを巻末に示すのでご覧頂きたい。

 これらの救援活動の多くは、阪神淡路大震災の被災者をボランティア救援活動をしてきた田中康夫氏(現在、長野県知事)の考えと経験によるところが大きい。これについて田中康夫長野県知事は、連絡コラムの中で中越地震被災者救済について「中越地震 知事として考えやったこと」として懐述している。

 また現場での指揮にあたっている高山一郎危機管理室長(衛生技監)の八面六臂の活躍もある。高山氏は、2004年春、任期付き任用により採用されており、救急医療のプロ(医師)でもあり、白骨温泉問題でも最前線で身を呈して活躍している。

 

中越地震 知事として考えやったこと
   田中康夫
                          出典:日刊ゲンダイ、奇っ怪ニッポン
 
 10月23日の夕刻に発生した「中越地震」に於ける長野県内の被害は、足を捻挫した女性ら3名の軽傷に留まりました。直ちに僕を本部長とする体制を整え、長野、北信、北安曇の3地方事務所と結んでTV会議を同夜に開催。日の出と共に、消防防災航空隊のヘリコプターを救急搬送の為に出動させると共に、川口町、山古志村にペットボトル、離乳食を空輸し、堀之内町には仮設トイレを陸送しました。

 翌25日には十日町市に、お握りと水に留まらず栄養を考えて野菜ジュースをトラック4台で搬入。阪神・淡路大震災の際1人のヴォランティアとして活動した僕の経験に基づく判断です。

 26日には泊まり掛けで支援する県職員を各部署で募集。呼応した50人が10ケ所近い現地へ向かいました。県立病院の医師と看護師22名も派遣し、今後も充実を図ります。

 尤(もつと)も、職員派遣を含む一連の我々の活動を、地元では最大発行部数を誇る「信濃毎日新聞」は如何(いか)なる“思惑”からか、物の見事に“無視”状態。全国ネットのTVニュースでも観ない限り、県民は長野県の迅速な対応に関する的確な情報を得られぬ、言わば北朝鮮の報道管制にも似た環境に置かれています。

 子供の、それも様々なサイズの靴下を届けるべき、と福助(株)の再生に全力投球する藤巻幸夫社長に電話で要請。ユニクロを展開する(株)ファーストリテイリングの玉塚元一社長にも下着を要請。何(いず)れの畏友も即座に快諾。と同時に就任直後の泉田裕彦知事と電話会談し、必要とされる方々一人ひとりに長野県職員がフェイスtoフェイスでお届けする旨、報告し、こちらも快諾頂きました。

 長野県独自の募金活動も開始。浄財が果たして何処で如何に活用されるのか抽象的だと訝(いぶか)り勝ちだった義捐(ぎえん)金の印象を一新すべく仮設ユニットバスを始めとする具体的な、きめ細やかで温もりのある精神的支援の詳細をホームページ上で明らかにします。

 閑話休題。「台風被害と一体的に対処する」との珍回答を行い、週末は首相官邸に姿すら現さなかった小泉純一郎首相は11月7日、自衛隊50周年観閲式への臨席を心待ちにしているのだとか。

 主力の関東・東部方面隊が災害出動しないのも実は、朝霞駐屯地での予行練習に勤(いそ)しまねばならないから、との俄(にわか)には信じ難き「理由」も囁(ささや)かれています。

 然(しか)るに、記者クラブなる護送船団仲良しクラブの大新聞社の皆さまは、「何を対応したら良いかが判ってきた段階で、総合的に判断する」などと発生3日目の会見で宣(のたま)った細田博之官房長官の会見を、無批判に流すだけです。国破れて山河在り、ならぬ、山河壊れて、人々苦しんで国家在り、に疑問すら抱かぬ、長いモノに巻かれる大メディアこそは「構造改革」を必要としているのです。

  
長野県の中越地震被災者への救援活動リスト 2004年12月26日まで


12月24日( 金)
12月26日(日)新潟県中越地震で被災された方々へ信州の農産物と加工品の詰め合わせをお届けします
11月12日( 金)
被災した道路、河川、砂防施設等の早期復旧を支援するため、土木技術職員を派遣します
11月9日(火)
「白鳥園」での被災者の方の利用が始まります
11月5日(金)
山地災害危険地区等の緊急点検で林務部職員を派遣
ニチイ学館から車椅子30台が寄贈
11月4日(木)
長野県の温泉施設へ案内を開始

要介護高齢者の受け入れを開始
緊急消防援助隊隊員と知事が面談
11月2日(火)
被災地へ保健師を派遣

11月1日(月)
被災宅地危険度判定士を派遣
10月30日(土)
移動図書館「おはなしぱけっと号」を派遣
10月29日(金)
「適材適所・適宜・適量」な支援を実施
山古志村の避難所に支援物資を届けました
県と協力し4社の民間企業と団体被災地を支援
10月28日(木)
応急危険度判定士を派遣
10月27日(水)
医療チームを追加派遣
県営住宅への受け入れを行います
田中知事が被災地支援に赴く
10月26日(火)
「新潟県中越地震義援金」窓口を設置