ヨイショ報道オンパレードの 日本のスポーツマスコミ 〜これでは戦争中の指導者と全く同じ この国の盲目的愛国心〜 日刊ゲンダイ 掲載:2006年6月14日 |
サッカーのワールド杯ドイツ大会第4日は現地12日、カイザースラウテルンなどで1次リーグ3試合が行われた。 F組の日本はオーストラリアに1―3の逆転負け。E組のチェコは3―0でアメリカに快勝、イタリアはガーナを2―0で下した。ジーコ日本は決勝トーナメント進出どころか、1次リーグ全敗でF組最下位が濃厚になってきた。 -------------------------------------------- まだ先がありブラジルをのぞく3チームが1勝2敗もあるなどと バカを言っている日本サッカー指導者たちの頭の程度、 これでは戦争中の指導者と全く同じこの国の盲目的愛国心 -------------------------------------------- ▼ 前代未聞残り6分3失点“醜態” ▼ ジーコ日本が前代未聞の醜態をさらした。後半38分まで1点リードでゲームを進めたが、39分から残り6分間で立て続けに3ゴールを奪われて力尽きた。 日本は前半26分、中村の右からのセンタリングが、FW高原、柳沢の2人が相手GKをブロックして直接ゴールに吸い込まれた。後になって、主審が「ミスだった」と認めたゴールでラッキーな先制点が入った。 ところが、高さに勝るオーストラリアの波状攻撃は最後まで衰えることなく、後半から途中出場のケーヒルが2得点(後半39分、44分)、アロイージが1得点(44分)とヒディンク監督の采配がずばり的中。32年ぶり2度目の出場でワールドカップ初勝利を日本から奪った。 ジーコが日本代表監督に就任してから4年間の集大成として臨んだW杯ドイツ大会。1次リーグF組突破には勝ち点4が最低ラインで、そのためには1勝1分け1敗が必要だ。それが初戦からつまずいた格好だ。 それどころか、2戦目のクロアチア(18日)、3戦目のブラジル(22日)はオーストラリアよりも強豪国で、この日の戦いぶりでは到底勝ち目はない。ジーコ日本は3戦全敗の目も出てきたといえる。 ジーコ監督は「うちにもいい部分がある。それを引き出しながら、次の試合に望みをつなげたい」と語ったが、チーム内部は崩壊寸前だ。 司令塔・中村は「途中までは良かったが、向こうが選手交代し始めてから対応できなかった。こっちも交代して役割がすこしずつズレた」と暗に選手交代が後手後手に回った指揮を批判した。 「これでジーコは1勝も出来ずに終わる」と現地で取材するサッカージャーナリストの六川亨氏がこう解説する。 「DF坪井が右足もも裏の筋肉痛で途中交代しましたが、これでDFは宮本、中沢、茂庭の3人だけになった。茂庭にしても田中の代わりに急きょ招集されて十分な連係練習をしていない。 守備陣は急場しのぎであり、攻撃力の高いブラジル、クロアチアの勢いを止めることは難しい。しかもFW柳沢の状況も良くなく、次の試合に出場してもたいして活躍できないでしょう。守れず、点取れずでは勝てない。 バックアップメンバーを育成してこなかったジーコ監督のツケが本番になって表れたといえます」 初戦完敗で、ジーコ日本の終戦がほぼ決まりだ。 ▼ ヨイショ報道オンパレードのスポーツマスコミ ▼ それにしても無責任の極みなのが、日本のスポーツマスコミだ。自国の代表チームの実力を見て見ぬフリをしたのか、「ジーコ豪語 豪州戦『結果出す勝利確約』」「勝ち点3いただく」「日本の夜が明ける」などと連日ド派手な見出しを掲げ、予選突破は当たり前、あわよくばベスト8も狙えるとチョーチン報道の連発。冷静な戦力分析などゼロで煽りまくっていたのだから、どうしようもない。 スポーツジャーナリストの工藤健策氏が言う。 「マスコミの煽りっぷりは見ていて恥ずかしくなるほどです。川淵キャプテンが大会前、『第1戦に負けても終わりじゃない』と言っていましたが、今回の代表に予選リーグ突破の実力どころか、F組で最も弱いオーストラリアにすら、ほとんど勝つ見込みがないのは関係者や専門家はみんな知っていた。 地元ドイツのブックメーカーでも日本のオッズは125倍で出場32カ国中25番目です。そんなチームをスポーツマスコミはきちんと彼我の実力を比較分析せず、優勝候補のようにあげつらう。その神経は、とても正気とは思えません」 ......... ─ Dailymail Businessより ─────────── ■ W杯サッカー この国はあの戦争中と全く同じ ■ 勝てもしない戦争を煽った大新聞は性懲りもなく ■ ジーコジャパンは必ず勝つなどとデカデカ流したがデタラメだ ■ 初めから分かっていた彼我の戦力差 ───────────────────── ---------------------------------------- 「まだ次がある、クロアチアには勝つ」などと根拠のない希望的観測があふれているが、何も知らない庶民を煽るだけで、真相を冷静に伝えるマスコミは一体どこにあるのか 第二の東条の小泉バカ殿様やジーコジャパンにありもしない幻想を作り上げ庶民を扇動しているこの国の大新聞テレビと、何も知らされずだまされ続けている可哀想な庶民。一体いつになったら目が覚めるのか ----------------------------------------- ジーコ・ジャパンのW杯は初戦のオーストラリア戦で終わってしまった感じだ。90分間、押されっ放しで、ヨレヨレ、バテバテだった日本を見れば、誰もが「こりゃダメだ」と思うだろうが、TVを中心としたスポーツマスコミは「まだ2戦ある」「クロアチア戦で借り返せ!」などと煽っている。 罪作りな話だ。許しがたいのは、期待を煽っている記者や評論家だって、ダーレも決勝トーナメントに行けるなんて思っちゃいないということだ。 ちょっとサッカーを知っている記者ならば、日本の実力くらいわかる。W杯が始まる前から記者同士は「日本が決勝トーナメントに行ける確率は10%か20%」「オーストラリアの方がはるかに強い」とささやき合っていたものだ。 そりゃそうだろう。オーストラリアはヨーロッパの一流リーグのレギュラー選手がズラリと揃っている。イングランドのプレミアリーグのビドゥカ、ケーヒル、キューウェル、スペインリーグのアロイージ。 これに対し、日本勢は中村俊輔がプレミアより1ランク落ちるスコットランドリーグで活躍している程度で、イタリアに行った柳沢は使いものにならず、帰国したし、ドイツの高原も補欠だ。 イングランドに行った川口はプレミアリーグより格下の1部リーグでもポジションを取れず、デンマークに移籍しても鳴かず飛ばずで帰ってきた。 中田英に至ってはFIFAの公式ガイド雑誌の選手紹介でこう書かれている。 「中田はカルトのように盲目的ファンがついているが、セリアAで生き残れなかった。 いま、イングランドのプレミアリーグのボルトンでプレーしているが、そこからしかオファーがなかった。母国からCMの仕事が来て、新しい髪形やファッションを披露しているが、とっぴな奇人ぶりこそが受けている理由だ」 プレー内容では書くことがないのだ。 ▼ 非科学的でいい加減なデータで煽るだけ ▼ スポーツジャーナリストの工藤健策氏が言う。 「冷静に戦力を比較すれば、オーストラリアの方が断然上なんです。ところが、日本に期待を持たせるために、スポーツマスコミは笑っちゃうような非科学的データで煽ってきた。 気温が高くなるから背が低い日本人が優位とか、オーストラリアは32年ぶり出場だから目じゃない、とか。こじつけですよね。私との会話では冷静に分析しているのに、テレビカメラが回ると、全く別のことを言い出す評論家は大勢いる。テレビ局の意向で、日本が弱いなんて、口が裂けても言えないんです」 工藤氏は「無理に日本が強いという根拠をひねり出しているスポーツマスコミの報道姿勢は、『勝てる』と報じないと非国民扱いされた戦争報道を連想させる」と言っていたが、その通りだ。メディアがこうだから、バカなサポーターが出てくる。 冷静な分析をすると「それでも日本人か」などと噛み付いてくる。こうした世論にテレビが迎合、ますます「がんばれニッポン」一色のような報道になる。たかがサッカーとはいえ、気味悪い光景だ。 ▼ 小泉改革の幻想をふりまいてきた責任も重大 ▼ サッカー記者が本当のことを書かないのは、取材対象に嫌われたくないという側面がある。こうした報道姿勢は何もサッカー報道に限らない。小泉政権に対しても一緒だ。 口では小泉首相を批判している記者は多いが、肝心の紙面や映像になると、まるで違うモノが出てきたりする。 |