「談合問題」重大認識の欠如! 〜指名停止中の業者なのに 長野市が随意契約〜 鷹取 敦 掲載日:2005.6.29 |
長野市議会が、清掃センター(焼却炉)の補修工事を、日立造船と随意契約で交わす議案を28日に決議した。ところが、契約の相手方である日立造船は鋼鉄製橋梁工事談合事件を受けて指名停止中であり、本来は随意契約は禁止されているのである。 参考 指名停止中の業者なのに長野市が随意契約(読売新聞) 長野市では「長野市建設工事等入札参加者指名停止等措置基準」が定められており、日立造船はこの指名停止基準に基づいて現在、「指名停止処分」となっている。 指名停止基準では、「契約の相手方の制限」として、「市長は、指名停止の期間中の有資格者を競争入札に参加させ、又は随意契約の相手方としないものとする。ただし、災害等緊急時における建設工事又は特殊技術を要する建設工事等で特別な事由があると認めるときは、当該建設工事等に限り、この限りでない。」とし、随意契約の相手方とすることに制約を設けている。 したがって指名停止期間中の日立造船との随意契約は禁止されているはずである。 「指名停止基準」では例外措置として、「特別な事由」があれば随意契約をしてもやむを得ないとされているが、指名停止処分がペナルティを目的としていることから、「特別な事由」の範囲は出来るだけ狭く解釈されるべきである。 そもそも随意契約は、(契約額が一定額以下であるか)特殊技術や緊急性などの「特別な事由」がなければ認められない。今回は3億円以上の巨額な契約であるから、指名停止中でなくても「随意契約」には「特別な事由」が求められる。 指名停止基準では、その「特別な事由」が前提である随意契約をも禁止しているのであるから、例外を認めるためには、たとえば「大災害」、「事故」のようなよほどの緊急性が求められるべきである。 したがって、定期メンテナンスのような今回のケースの指名停止期間中の随意契約は、ペナルティとしての指名停止措置の趣旨をないがしろにするものである。今回の議決は、発注者である市および市議会が指名停止の原因となった「談合問題」の重大性を認識していないことのあらわれではないだろうか。 |