朕・小泉 支離滅裂振り極まれり 田中康夫 掲載日2005.10.28 |
10月13日に参議院で開催の郵政民営化特別委員会に於ける“高言”です。而も、その舌の根も乾かぬ24日、彼は「消費税率の大幅引き上げの方向性」を了承するのです。どころか、年金目的財源として消費税率8%を提案した民主党に対し、「(引き上げ分が)果たして3%で足りるのか。年金だけでいいか、他の社会保障はどうする」と挑発する有り様です。 いやはや、この人物の支離滅裂振りを、専門医が早急に診断すべき、と痛感します。言わずと知れた朕・小泉純一郎なる人物の話です。支離滅裂振りは、これに留まりません。 思い起こせば、“真夏の夜の夢”ならぬ“真夏の悪夢”と後世、語り継がれるであろう総選挙の最中に臣・武部勤が、僕も出演した各党代表討論番組の中で、2007年度の消費税率アップを「公言」するや透かさず、「2007年度は早い。1、2年は消費税を上げる環境は来ない」と“巧言”で打ち消したのです。 冷静に読み直す迄もなく、正に矛盾した無責任な“広言”です。何故って今年は2005年。2007年は2年後。なのに、“ゆとり教育”の「成果」で数学ならぬ算数の学力すら低下したのか、マスメディアは選挙期間中の発言の矛盾を批判もせず、垂れ流し翼賛報道に徹しました。 支離滅裂振りは、更に留めを知りません。「郵政民営化で小さな政府を実現する」、「郵政民営化は改革の本丸だ」と叫び続けていた宰相・小泉は、「郵政民営化と財政再建は無関係」と件の委員会で宣ったのです。 「郵政民営化が実現すれば、経済も外交も福祉も好転する」と大言壮語した自分を忘れてしまったのでしょうか。僅か4年間で250兆円も赤字国債を増発し、総額1000兆円と前人未到な世界一の借金国を実現した人物の思考回路を解明し得たら、ノーベル医学賞です。 改修した商店街の仕舞た屋や集落の空き家を借り受けて、「宅老所」なる地域密着型のデイサービスを長野県では300箇所近くで展開しています。が、こうした福祉事業への国からの支援は有りません。建物を新築する場合にのみ、補助金が“降って”来るのです。 改革とは名ばかりな20世紀型の発想に基づく、相変わらずなハコモノ福祉行政だから、税金を際限なく増やし続けざるを得ない国家運営に陥ってしまうのです。 とまれ、消費税率アップは不可避だが、自分の在任中には上げない、と植木等も真っ青な無責任サラリーマン宰相は、来年には「楽隠居」すると公言しています。 そこで提案。ここは北朝鮮かと見紛う位に拍手喝采な国会演説に自己陶酔気味な国民的指導者には、少なくとも後3年間は、国民奉仕に徹して頂きましょう。朕・小泉の下で消費税率がアップし、国債は暴落し、他方で、野口悠紀雄氏や森永卓郎氏、金子勝氏が鋭くも喝破している様に、郵政民営化の経済効果は何も無かった事が判明するまで。ねっ、可成り秀逸なアイディアでしょ。首相に留まって頂く国民署名運動の音頭取りを、杉村太蔵君や山村美沙様の生まれ変わりと評判な片山さつき嬢は行うべきですぞ。 |