東京新聞 汚泥施設談合 荏原製作所など捜索 2006年4月18日 |
大阪府阪南市発注のし尿・汚泥処理施設「環境センター」(仮称)建設工事入札をめぐる談合疑惑で、大阪地検特捜部は十八日、大手プラントメーカーが談合していた疑いが強まったとして、荏原製作所大阪支社(大阪市北区)など関係先の家宅捜索を始めた。 各地のし尿・汚泥処理施設をめぐっては、公正取引委員会が既に独禁法違反(不当な取引制限)の疑いで調査。特捜部も各社の営業担当者らの事情聴取を進めるとともに押収資料を分析し、業界大手も加わった談合疑惑の全容解明を進める。 ほかに捜索したのは、日立造船(大阪市)や、阪南市とセンターの設計施工管理の委託契約を結んでいた厚生労働省、環境省所管の財団法人「日本環境衛生センター」(川崎市)など。 調べでは、昨年二月に実施された環境センターの指名競争入札では、十一社が参加するはずだったが、三社が辞退したため八社が応札。荏原が予定価格の94・8%に当たる二十億四千万円で落札した疑い。 関係者によると、業界の慣習として、自治体から設計施工管理の委託を受けたコンサルタント会社の業務を、工事の受注希望業者が代行するなどして自社技術を駆使した設計図を作製。落札をアピールすることになっているという。 阪南市のケースでも、日環センターが作製した設計図では荏原が有利になる技術が使われていたとされており、特捜部は日環センターが談合の“要”としての役割を果たしていたとみて、入札前後の経緯を詳しく調べている。 |