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極めて危険な道を
辿っている
永田町の政治


日刊ゲンダイ

掲載日:2006.12.24


─ Dailymail Businessより ──────
■ この国は どこへ向かっているのか
■ 愛国心鼓舞はアメリカでブッシュが失敗、教育改革はイギリスで
■ サッチャーが失敗、その轍を踏んでいる愚策無能痴呆ぶり
■ 極めて危険な道を辿っている永田町の政治
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何年も前に世界各国で試され今では失敗が明らかになっている
デタラメ政策を今頃になってこの国に持ち込んでいる
時代錯誤政治をこのままやらせていたら……
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 このところの安倍首相はヘマばっかりだ。例えば豪華官舎で愛人と同居していた本間正明・政府税調会長の一件。市井のオバさんから自民党までが「こんなエロ会長はダメだ」と言っていたのに、最後まで「職責を全うしてほしい」と能天気なことを言って物笑いのタネになった。

 道路特定財源の一般財源化も、自民党の道路族の猛反撃にあって2日で腰砕け。造反組の復党問題だって中川幹事長に丸投げしたため指導力に疑問符がついた。

 だから内閣支持率はどんどん落ちている。9月末に70%近くあったのに12月には41.9%(時事通信)と、政権の危険水域の30%台まであと一歩である。「安倍首相は自民党が強く言ったり、マスコミが批判するとすぐ方針を変えることが分かってしまった。自民党の族議員からは『やっと普通の官邸に戻った。与党を大事にするのは議院内閣制の原則だからね』とナメられているのです」(事情通) 安倍の首相としての能力はすっかり見透かされている。だから国民も「こいつはダメだ」と気付き始めている。

◆ 法案をすべて成立させた安倍の野望 ◆

 ところが、である。国会ではヘナチョコ野党をいいことに、自公の数の力を使って念願の法案を次々と成立させた。19日に閉会した臨時国会では、12本出された政府提出法案のすべてが可決成立。全法案クリアは03年秋の臨時国会(6本)以来、3年ぶりのことである。なかでも問題なのは「改正教育基本法」「防衛庁の省昇格関連法」それに「改正テロ対策特別措置法」だ。どれもろくな審議もないままアッサリと決まっているのだ。

 改正教育基本法案の審議ではイジメ自殺やヤラセタウンミーティングの問題が次々と出てきたが、安倍は「教育基本法とイジメ自殺は別問題」と答弁している。つまりこの法律は、深刻に悩む親や子どもを安心させるものではない。そんな緊急性のない法案を成立させた安倍は何をもくろんでいるのか。明大助教授の内藤朝雄氏(社会学)が言う。

「安倍首相を含む右派勢力は、日本という国の屋台骨となる価値を、個の尊厳や自由や平等から、個人を超える偉大な『超生命体』としての戦前のような国家や伝統にすげ替えようとしています。教育基本法改正では、超生命体としての国家を愛せ! と心のありかたを命じ、子どもの心をいじくり回すことが可能になりました。防衛庁の省への昇格も同じです。民族主義者は、軍隊を国家の“男根”のようにイメージします。日本は戦争に負けて男根を切り取られて屈辱的だと思っている。その男根復活の情熱によって、防衛省昇格を行ったとすると、これは問題です。このような政府は、まともな先進国では考えられず、北朝鮮や中国のような民族主義独裁国にありがちです。政府が『愛国』をおしつける国は、ろくでもない国ということです」

 戦前回帰どころか、国民に国への忠誠を誓わせる独裁国家への道だ。

◆ すべてはブッシュの失敗、サッチャーの間違いの焼き直しなのに ◆

 安倍のやっていることは完全に時代錯誤。世界の常識から遠く取り残されている。

 やたらと「愛国心」を鼓舞して「美しい国へ」なんて言っているが、失敗例がある。米国だ。「9・11」以降、ブッシュ大統領が煽った愛国心によってイラクに突っ込んでいった米国は泥沼状態、3000人を超える米兵が死に、共和党は中間選挙で惨敗、愛国ネオコンはすべてホワイトハウスを去ってブッシュは裸の王様だ。

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■ 本間更迭 決めたのは森元首相 直前まで「続投計画」あった

 とうとう更迭に追い込まれた本間正明・政府税調会長(62=阪大教授)だが、辞めたのは「一身上の理由」(安倍首相)ではない。直前まで「続投計画」を進めていたことが分かった。

◆ あの竹中も暗躍画策? ◆

「本間辞任やむなし」の見方が政権内でも強まった20日午後、阪大の後輩教授や役人が本間会長を激励し、支える会合を計画。本間会長自身も出席し、対策を練る予定だった。

「この教授は阪大から慶応に行った跡田直澄氏(52)で、本間氏と一緒に阪大大学院でゼミをもったり、税制改革に関する共著も出している。やはり阪大助教授、慶大教授の道を進んだ竹中平蔵前総務大臣(55)と親しく、政府の委員などもしています。竹中氏にとって本間氏は親分格。この3人は深くつながっています」(事情通)

 その竹中氏は19日、本間氏と善後策を話し合っている。そこで20日午後の「続投会合」が決まったという見方もある。

 ちょうど同じ20日午後、官邸では別の動きが始まっていた。

「安倍首相や塩崎官房長官は自分たちが本間会長を起用したこともあって、どうしようか、迷いに迷っていた。そんなとき、官邸に現れたのが森元首相です。日本プロスポーツ大賞を受けたWBCの王監督を伴う格好で官邸に入ったから、報道陣はさして気にとめていなかった。しかし、王監督が退席したあとも森元首相は官邸に残り、安倍首相に“本間切り”をアドバイスしたそうです。恐らく、かばい続けると支持率はどんどん落ちる、もう辞任の流れは止められないと内外の厳しいムードを伝え、首相を口説いたのでしょう。それで首相も決断せざるを得なくなり、取り巻きである党改革実行本部の石原伸晃本部長や西村康稔事務局長、宮沢洋一公募制度小委員長を呼んで相談し、本間会長に連絡を取ったようです」(事情通)