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断末魔の内閣改造と
勃発する福田降ろし


日刊ゲンダイ

掲載:2008年8月2日


断末魔改造 目玉は麻生幹事長だけ

 福田改造内閣が1日夜、正式に発足する。スッタモンダの末、出てきた人事が「これか?」という中身だ。

 目新しいのは麻生幹事長くらいだが、それでも当初は難色を示され、福田本人が公邸で会談をセットして、直接就任を要請。さまざまな条件付きでの幹事長就任となった。

 つまりは、拝み倒しだ。確執が伝えられた町村官房長官を留任させたのも、派閥に戻しても中川秀直元幹事長とのバランスで、処遇するポストがないため。

 公明党が「外せ」と要求した伊吹幹事長を財務相に横滑りさせたのも、伊吹派を敵に回したくない「内輪の事情」である。今度の改造は政権浮揚のラストチャンスだったが、この顔ぶれを見る限り、期待はできない。


内閣改造でも勃発する福田降ろし

 とうとう“追い込まれ改造”を決断した福田首相。改造を見送れば、党内から退任要求が強まるのは必至だった。

 だが、「福田降ろし」は終わらない。むしろ、改造をきっかけに動きが強まるのは確実だ。

 福田首相のヘソ曲がりの性格が災いし、改造スケジュールは二転三転。首相は他人やメディアが言った通り、報じた通りに行動を起こすことを極端に嫌う。

 それだけに入閣待望組はマスコミに入閣候補と報じられることを怖がっていたという。意固地な福田首相が入閣を見送る可能性があるためだ。

 せっかくの改造なのに、党内は首相への不満を強める逆効果になった。入閣できなかった議員が不満分子となり、内閣改造が首相の命取りになる可能性は十分にあるのだ。