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長野県2月県議会質問
島田基正 
(長野県議会議員 長野県上田市在住)
平成21年2月27日
独立系メディア「今日のコラム」


1、風力発電について

 知事は長野県内での風力発電について否定的な見解を示されましたが、その理由をお聞かせください。


2、新幹線建設追加負担金について

(1)―報道によれば他県の知事は難色を示し当面は反対の見解を示している中で、わが県の村井知事は「よく吟味し納得出来る説明があれば負担するのが当然だ」と申されましたが、それは中央官庁から知事に対しての説明でございまして、知事は中央官庁から有った説明を県民全体に納得できる形で説明が出来るのでしょうか。

 更に先日私は地元の県民から「知事は国と長野県とのどちらを向いているんだどちらが大事なんだ」と厳しく詰問されましたが知事の御所見を。

(2)―県の試算では負担増額は150億円との発表ですが、県民サービスを低下させ県民に負担をお願いしている厳しい財政状況下の長野県政の責任者の発言とは思えません。

 新幹線の利便性は非常に大きなものがありますが、地元の購買力が中央に向けて逃げてゆくことや観光やビジネス出張の日帰り化などの負の面も併せ持ちます。

 そうした中で新幹線の恩恵が東北信に偏ると言う問題や今後のリニア新幹線への課題もある中で果たしてこの新幹線に対して県としての大きな負担が適切であると言うことを知事は県民全体にどの様にご説明なさるのでしょうか。


3、世界経済と日本、長野県の経済状況の認識と対策について

(1)―先ず現在の世界同時金融経済の崩壊による不況の原因と国民・県民の実体経済や生活の現状をどの様に捉え今後の長野県と県民の経済・社会・生活等はどの方向に、どの様に進むべきか知事のご認識とご所見を伺わせて頂きます。

(2)―又お考えの認識に基づき、知事はどこに重点をおいた対策を執ってこられたのかをお聞かせ下さい。

(3)―次に4年前の郵政選挙で、マスコミ世論は小泉元首相に踊らされ刺客選挙だの内部抗争だのと面白おかしく報じ、その結果自民党は大勝しました。それ以降、政治は国民が望まない方向にどんどん進み、地方と都市の格差や雇用面でも非正規社員の急増と社会全般の格差が拡大していいました。

 そこにこの度の景気の落ち込みが加わり失業者や、いわゆる社会的弱者は非常に厳しい状況にありますが、知事は県民の暮らしへの影響を極力小さくするためどのような対策を執られたのかお聞かせ下さい。

(4)―自動車6社は次々にリストラを行い、非正規社員はゼロにしてしまいました。
日本経済は、わずか数ヶ月間で、何もかもが崩れ始めています。政府の言う戦後最大の「好景気」は偽装みたいなものです。

 「6年間続いた景気拡大の構図は単純です。ゼロ金利を続ける事で円安に誘導し、米国や中国への輸出を伸ばしただけのことで。輸出だけに依存したカゲロウのような好景気でした。だから円安から円高になったり、輸出がストップした途端、好景気から大不況に垂直落下するのは当たり前なのです。

 もし輸出頼みではない、内需を伴う「本物」の好景気だったら、それこそ不況への耐久力も高くここまで総崩れしなかったでしょう。サラリーマンの給料は9年連続ダウンし今や労働者の3分の一が非正規です。

 これでは内需が拡大するはずがありません。刻々と壊滅に向かっている日本経済を再生させるには、政府が総力を挙げて国民総動員で死にもの狂いで経済対策に取り組むしか有りません。経済構造を国内需要の増加に重点を置いたものにすることがこれからの重要政策だと思いますが知事の見解をお聞きします。


4 中期総合計画について

中期総合計画の策定時の前提は@少子高齢化、人口減少の加速 Aグローバル化の進展 B右肩上がりの経済成長です。それぞれ状況に変化があると思われ、修正が必要と思いますがご所見をお伺いします。

(1)―ここで経済成長を前提としない社会を受け入れるなら、少子化は問題ではないと思います。

 これまで少子化が問題だと危機感を煽り、対策を急ごうとするあまり、政府や財界はそれに乗じて年金をはじめとした社会保障制度を変革し、日本社会を弱肉強食のシステムに作り替えようとしています。

 しかし,、世界的に突出した水準に達している日本の経済を、更に成長させる必要はありません。それよりも、どの先進国と比べても人口密度が高く、食料自給率が先進国中最低の40%で、一旦海外からの輸入が途切れたら国民の半数以上が飢餓に陥る国が日本なのです。

 エネルギー自給率にいたっては、原子力を含めないと、主要先進国の中でも最低の4%しかありません。

 食料もエネルギーも輸入しなければならないこの国では明らかに人口過剰であり、経済封鎖や世界的な異常気象、また政府やメディアが煽る様なアジア近隣諸国との戦争でも起こり日本への輸入が途絶えれば、半数以上の国民が即座に飢餓に喘ぐ事になるでしょう。そんな事態になってもアメリカが食料や資源を供給してくれると、まさか政治家や官僚は考えているのではないでしょうが、知事のお考えはいかがでしょうか。

 少子化傾向は過去十数年続いてきましたが、生産性は四十年間に大きく向上しそれによってより少ない就労者で多くの生産が可能になりました。日本のGDP統計を見れば、少子高齢化のベースを生産性向上が上回っていることが分かります。労働力の不足は技術の利用に加えて、失業者だけではなく、60代70代の人々も高齢とはいえ社会に貢献し生活の糧と生きがいを得るために働く機会を提供するシステムを構築すれば解決できます。

 天然資源の消費抑制は、人手を省くためにエネルギーを使ってきたこれまでやり方から、なるべく人間のエネルギーを使うような方法に変えてゆくことで対処すべきであり、そして最も重要なのは生活をシンプルにすることだと思いますが。

 経済成長をした国が更なる成長を目指すのではなく、経済成長や人口増を前提とした世界の社会システムや経済システムを変える模範を示し、それが人類と地球が直面している危機を回避して人類の幸せ度を増す方法だと訴えるべきです。

(2)グローバル化は弱肉強食の新自由主義・市場経済原理主義を掲げ、行過ぎた金融資本主義で世界中を支配し格差社会をつくり富を集中させて貪欲な金儲け病を蔓延させて。人間から愛・モラル・道徳を奪い世界を戦争まみれにしてきたことだと思っております。

(3)「―経済成長が必要なのは、もっと儲けたい、もっと利益が欲しいと望む拝金主義者で、これを支える為には経済成長は欠かせないと考えました。今の資本主義体制において成長に疑問を呈することはタブーなのであります。

 たとえどんなに狂っていても、多くの命を犠牲にしても、または地方の社会がそれによって崩壊の危機に直面し多様性に富んだ文化が失われたとしても、もはや経済成長は絶対であり、成長を批判する人は非難の対象にされてしまうのが現実でした。」

 過去の50年間でわれわれはどれほど幸福度、または満足度が満たされたでしょうか。たしかに生活は飛躍的に豊かになりました。自動車・電化製品が普及し、仕事の能率もコンピュターの支援などで一気に高まりました。一人当たりGDPは倍増し摂取カロリーも大幅に増えました。

 しかし、それによって家族と過ごす時間が増え、より健康になり、人々は格段に幸せを享受する様になったでしょうか。多くに人にとって答えは「NO」であるに違いありません。過労死・成人病・離婚・うつ病・犯罪・失業等、生きる速度が速まるにつれ、より多くのストレスが増え、悲惨になってきていることは明らかです。

 成長し続けなければ不幸せになると言う幻想を追い求めるがゆえに、自身をより不幸へと追い詰めてゆく、そんな馬鹿らしい悪環境をもう終わりにしなければならないと思います。

 これらを踏まえて中期総合基本計画修正が必要と考えますが知事の所見をお伺いいたします。


5、財政運営について

(1)―中期財政試算では平成21年度以降の経済成長率を「0%」と仮定し、県税収入や交付税等を22年度以降同規模としておられますが、21年度の日本経済はマイナス成長と予想され、20年10月〜12月のGDPは減少しています。さらにこの1〜3月の状況からは法人二税等はさらに悪化するとも言われており、県予算案も歳出の大幅見直しや中期財政試算の基本的な考え方の変更をする必要があるのではないでしょうか。

知事のご所見をお伺いします

(2)―今回の不況を見て大企業がいかに頼りないものであるか、たちまち失業者をあふれさせるものであるかと言う事を全国民は理解したことと思います。

 このたびの不況はアメリカから始まった100年に一度の未曽有なものであり殆ど天災に近いという様な事が言われておりますが、これは全く日本の経済を動かしてきた人たちの逃げ口上であります。冷静に経済状況を見ていれば十分に分かった筈であります。

 国民いや地球上の人類が本当に求めているものは何かと言うことをしっかりと把握していれば今度の様な不況は防げたはずでございます。自動車と言うものが形さえ変えればいくらでも受け入れられる、どんどん消費が伸びると言った様な安易な考え方は冷静に判断して冷静な眼で見れば早くからこれは予想が付いたと思います。

 こうした経済の危なさと言うものが、はっきりと人々の目に焼きついた状況の中でなお知事は経済の活性化を図って歳入を確保してゆくと言う施策を続けられるのか、知事が最初に打ち出された県税収入の増加を図ると言う県財政の運営方針は失敗に終わった事が数字的に事実でございます。この過ちをお認めになられるかどうかを知事にお伺いします。

(3)―臨時財政対策債の発行などで県債残高は増加に転じる見込みとなっております。借金依存型の財政運営からいかに抜け出すのでしょうか。
借金を増やさない方針は転換されたのかを知事にお伺いします。


6、「県民一人ひとり、個人への投資」について  

 行き詰まった輸出依存型工業化社会から内需経済社会への転換を図るために
企業、団体、組織から県民個人への投資を拡大し新しい産業経済社会をつくるべきだという視点でお伺いします。

(1)―県民を助成する信州ふるさと住まいづくり支援事業、及び企業を助成する信州ものづくり産業投資応援事業のそれぞれの予算の規模や考え方、条件、目的、や雇用、経済波及効果の過去、現在の実績、現状の傾向と将来の見通しなど商工、建設部長にお伺いします。

 又住まいづくり事業ですが一戸あたりに助成する金額は新築一軒当たり三年前から50万、40万、今年度は30万と厳しい財政状況により減少しております。不況対策として雇用経済波及効果が大きい住宅応援助成金をなぜ引き下げたのかを建設部長にお伺いします。

(2)、 企業に比べ総額で十分の一の県民の住宅は県固有の環境社会資本であり地場産業としての雇用、経済効果はより大きなものがあります。県民の資源循環社会への取り組みや地域社会、文化再生への参加意識の向上にもつながり、年間同じく15億円の予算規模があれば5000戸への支援となります。

 一戸当たり3000万の住宅としても1500億の経済、雇用効果が生まれます。県民は県の進める環境社会資本としての家づくりの理念に協賛し30万円の助成金でその十倍近い資金を投資してくれます。県民は森づくり、環境デザインや造り方、エコ化、住まい方迄協力するのです。これは県民参加の地域経済社会の再生事業です。

 企業と同じく総額30億円も助成したら仮に今年と同じ一戸当たり助成金が30万円としても10000戸分に相当します。一戸3000万の住宅としても3000億になり。住宅の生活物資購入の波及効果を入れますと3500億円以上の経済波及効果になります。雇用は万と言う数字につながるでしょう。日本経済の8割は個人消費で成り立っています。

 長野県の経済を再生させるには県民個人応援し地域資源循環型の住環境産業を育成すべきだと思います。
知事の御所見を。


7、人件費について

 長野県は、昨年結果として知事や議員等の特別職の報酬が増額となっています。歳入不足が拡大し、歳出削減が急務な今予算でも県民サービスに切り込み、負担増をお願いする以上、県は身を削り県民と痛みを分かち合う為にも一般職を含め、人件費の削減・給与カットは避けられないと思いますが。知事のご所見を。


8、県立病院の地方独立行政法人化について

(1) ― 次に、県立病院の地方独法化により、医師の確保も医療スタッフの充実も図れるとの説明でしたが、国立長野病院は独法化に移行し始めてから医師の激減、産科、診療科の廃止、縮小、スタッフ不足が相次ぎ医療機能は大幅に低下しています。

 国が独法化を進めた事で医療現場は混乱し一番の被害者は利用者の県民、市民、地域住民であります。

 県立病院がこんな事態にならなければと良いなと心配をしておりますが知事、

(2) ― この度の独法化は医療機関の効率化を求めて行うと説明がありましたが、全ての現場で、医者、医療スタッフも皆くたびれ果てているのが現状です。
これ以上効率化を推し進めることは医療崩壊を招きませんか。。

 独法化に伴う須高地域の県民アンケート調査によれば県民が真に望んでいるのは二次救急医療のような安心できるスタンダードな医療が身近に整備されていることで、結果についてご見解をお聞きします。

(3) ― 国の行財政改革に呼応し県財政を身軽にする意図で県組織と切り離し全国に先駆けて県立病院の独法化を推進されたと言うことでよろしいでしょうか。


9、職員の再就職について

(1) ― 麻生総理は官僚の天下りと官僚OBが再就職を繰り返す「渡り」について、これまでの容認する姿勢を国民の強い批判を受けて省庁の斡旋を年内に廃止する政令を制定する方針に方針転換しました。

 長野県職員の再就職の斡旋は公開されている情報によれば前県政時代は平成17年4月1日から平成18年3月31日までの17年度は本県本庁課長級以上で退職した職員の再就職状況は80名中44名が再就職をし、県が関与したのは1名だけでありました。

 村井知事時代に入り平成18年度は88名中35名19年度が109名中47名と年々増え県の紹介で再就職しています。どういうお考えで増加させたのか総務部長の説明をお聞きします

(2) ―職員の再就職に関する考え方、見解を知事にお聞きします。