松葉を用いた焼却炉稼働(改修、閉鎖)前後の高精度な
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●はじめに 株式会社環境総合研究所では、1999年より松の針葉をもちいて大気中のダイオキシン類を高精度に計測する方法を研究開発してきました。日米両国による神奈川県米軍厚木海軍基地における2年に及ぶ大気中ダイオキシン濃度測定データと同地域における松葉ダイオキシン濃度さらに3次元流体シミュレーションの援用により、松の針葉中のダイオキシン含有濃度と大気中のダイオキシン濃度の相関関係の解析、評価を行い、両者の関係を明らかにしてきました。これらの研究成果は、国際ダイオキシン学会などに発表しています。 これにより松葉中のダイオキシン類濃度を分析することにより、年平均など長期平均の大気中ダイオキシン類濃度を推定することが可能となりました。2002年秋時点で全国各地の約500サンプルの松葉ダイオキシン分析を行なっており、世界随一の松葉ダイオキシンデータベースを構築しています。
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●松葉ダイオキシン調査の特徴 ある地点(あるいは複数地点)で新芽より半年以上(できれば1年以上)経過したクロマツあるいはアカマツの針葉中のダイオキシン類の含有濃度を分析することにより以下のことが分ります。 @年に1回、1サンプル分析することにより当該地点の大気中のダイオキシン類の長期平均濃度が分ります。 A複数の地点から松葉を採取し均等にブレンドした場合には、それら採取地点の大気中ダイオキシン類の長期平均濃度が分ります。 |
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●焼却炉稼働前後の松葉(大気中)ダイオキシン濃度の計測 上記の松葉分析の応用として新設の焼却炉稼働前後に、それぞれ1回、同じ地点(あるいは複数地点)の松葉を採取し、含まれるダイオキシン類(PCDD+PCDF+CoPCB)の含有濃度を分析することにより、ダイオキシン濃度の変化、それも年平均濃度としての変化が正確に把握できます。さらに、焼却炉の改修前後や既存焼却炉の停止前後などにおける採取地点における大気中ダイオキシン類の濃度を正確に把握することが可能です。 以下の松葉採取の図は、煙突が低い産廃焼却炉の場合を例にしています。焼却炉排ガスの影響をターゲットとした松葉調査の採取地点(範囲)は、煙突高、周辺地形などを考慮して決めます。 下図(右)は、松葉中のダイオキシン類(同族体単位の実測値)濃度を示しています。焼却由来の場合、フランの濃度が高い、また塩素数が少ない同族体の濃度が高いと言う特徴があります。図中PCDD、PCDFともに右肩下がりとなっていることが分ります。
具体的には、新設の焼却炉が稼働する前(通常、秋期から冬期)に、ピンポイントのクロマツあるいは予定地周辺の複数のクロマツから針葉を採取し、均等にブレンドしたものを1サンプルとしてダイオキシン類の含有濃度(乾燥重量濃度)を分析します。そして焼却炉が稼働後1年以上経過した時点で、稼働前と同一のクロマツの針葉を採取し濃度を分析します。 焼却炉の改修前後また焼却炉閉鎖前後についても同様に行ないます。改修前後の場合、改修後1年以上経過してから改修前と同一場所で採取したクロマツの葉を分析します。また閉鎖前後に場合、閉鎖後1年以上経過した時点で、閉鎖前と同一の場所で採取したクロ マツの針葉を分析します。 いずれの場合も、前後の濃度の差(毒性等量の差)から新設焼却炉稼働前後、改修前後、閉鎖前後の大気中のダイオキシン類の長期平均濃度を把握することが出来ます。 |
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<参考>焼却炉排ガス中のダイオキシン濃度の推計 さらに、環境総合研究所の3次元流体シミュレーションを援用することにより、上記データから、焼却炉排ガス中のダイオキシン類濃度を年平均濃度として把握することが可能となり、対象となる焼却炉の排ガスが0.1ng-TEQ/m3Nの国際排ガス規制基準を満たしているかどうかにを推計、評価することが可能になります。 具体的には、下図に示す<最大着地濃度(A)>に稼働前後の松葉ダイオキシン濃度から換算した大気中のダイオキシン濃度を用い、対象地域の地形や建築物などを考慮した3次元流体シミュレーションにより<希釈拡散倍率(B)>を求めることにより、排出濃度(C)=最大着地濃度(A)×希釈拡散倍率(B)/1000として年平均の<排ガス濃度(C)>を求めることができます。
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