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ブッシュ政権(2001年発足)の閣僚と財界のつながり
2003年2月13日改訂
出典:戸田清、『環境学と平和学(仮題)』 新泉社2003年7月刊行予定
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リチャード・アーミテージ(国務副長官) 元レイセオン(軍需大手)役員、ゼネラルエレクトリック株主
ゴードン・イングランド(海軍長官) 元ゼネラル・ダイナミックス(軍需)副社長
マイケル・ウィーン(国防総省次官) 元ゼネラル・ダイナミックス、マーティン・マリエッタ(軍需)社員
アン・ヴェネマン(農務長官) 前歴にドールフーズ社(果物・野菜の世界最大手)ロビイスト、カルジーン社(バイオテクノロジー開発、後にモンサント社に買収される)役員
ポール・ウォルフォウィッツ(国防副長官) 元ノースロップ・グラマンのコンサルタント、BPアモコ(石油)コンサルタント
ドナルド・エヴァンス(商務長官) 前歴にトム・ブラウン社(石油企業)最高経営責任者(CEO)
シーン・オキーフ(航空宇宙局=NASA長官) 元レイセオン戦略顧問、ノースロップ・グラマン・インテグレーテッド・システムズ顧問
ポール・オニール(財務長官) 前歴にアルコア社(アルミの世界最大手)会長、インターナショナル・ペーパー社社長、イーストマン・コダック社とルーセント・テクノロジー社の役員
セオドア・オルソン(司法次官) ヒューズ・エレクトロニクスなどのコンサルタント
エドワード・オルドリッジ(国防総省予算・技術・兵站担当次官) 元ユナイテッド・インダストリアル(軍需)取締役・株主、マクダネル・ダグラス・エレクトロニクス副社長
アンドリュー・カード(主席補佐官) 前歴に米国自動車工業会会長、ゼネラルモーターズ社主席ロビイスト。
ロバート・カード(エネルギー次官) 前歴にカイザーヒル社(閉鎖されたコロラド州のロッキーフラッツ核兵器工場で原子力安全基準違反で100万ドル近くの罰金を科された核廃棄物浄化業者)の社長
ニコラス・カリオ(立法問題局長) 元モトローラ(国防でも受託)有給コンサルタント
ネルソン・ギブス(空軍長官補佐) 元ノースロップ・グラマン企業会計検査官
キャサリン・クーパー(商務次官) 元エクソン・モービル(石油最大手)チーフエコノミスト、株主
スティーブン・グライルズ(内務長官補佐) 前歴にユナイテッド社(石炭・石油・ガス)ロビイスト、圧力団体「全国環境戦略」副会長。同団体にはオクシデンタル・ペトロリアム、米国鉱山業協会、エジソン・エレクトリック社などが参加し、石油・石炭・電力業界の利権を代表。
ジョン・グラハム(行政管理予算局の情報規制部部長) 前歴にハーバード・リスク分析センター(ダウケミカル社、化学工業会、塩素化学協議会などが出資するシンクタンク)所長。同センターは、健康、安全、環境にかかわる規制の大部分について、その費用は便益を上回ると主張している。
トーマス・クリスティー(国防総省独立検査評価事務所所長) 防衛分析研究所運用評価部門取締役
ジェムズ・グリル(内務副長官) 元プロクター&ギャンブル、シェル、シェブロン、オクシデンタル、スノコ、ユノカルのロビイスト
グラント・グリーン(国務次官) 元GMDソリューション(国防マーケティング)社長
ジェームズ・コノートン(ホワイトハウス環境基準に関する評議会議長) ゼネラルエレクトリック社(沸騰水型原発などで知られる)とアトランティック・リッチフィールド社がスーパーファンド法(総合環境対策補償責任法)による工場跡地浄化命令を不服として環境保護庁を訴えた裁判で、両社に法的助言
ドブ・ザクハイム(国防総省監査担当次官) 元システムズ・プランニング(国防コンサルティング企業)副社長、ノースロップ・グラマン有給顧問
トーマス・サンソネッティ(環境・自然資源担当次官) レーガンおよびブッシュ政権で勤務の後、弁護士業に戻り、鉱山会社・石炭業界の代理人。鉱山業の利権を代表して、国有地でさらに採掘を行う必要があると主張
マイケル・ジャクソン(運輸副長官) 元ロッキード・マーチン副社長
ジョン・スノー(財務長官) 2002年12月に更迭されたオニール財務長官の後任に起用される。貨物輸送大手CSXの会長兼最高経営責任者(CEO)で、フォード政権の運輸次官代理や財界ロビースト団体「ビジネス・ラウンド・テーブル」の会長を歴任。
ロバート・ゼーリック(通商代表部代表) 元エンロン(エネルギー大手、企業不祥事で大きく報道)顧問。セド・ホールディングス(多くの英サウジ間武器取引仲介実績を持つ投資会社)取締役
ミッチ・ダニエルズ(行政管理予算局局長) 前歴にイーライ・リリー社(製薬)副社長
ディック・チェイニー(副大統領) TRW社(軍需大手、スターウォーズの主要契約企業)の元重役。元ハリバートン(石油、国防関係建設)株主・CEO、元プロクター&ギャンブル(合成洗剤ほか化学品大手)取締役、アンデルコ・ペトロリアム(石油)株主
イレーン・チャオ(労働長官) 前歴にドールフーズ社とクロロックス社の役員
デヴィッド・チュー(国防総省人事・対応担当次官) 元ランド・コーポレーション(国防総省系シンクタンク)副社長
ピーター・ティーツ(空軍長官補佐) 元ロッキード・マーチン最高執行責任者
リネット・デイリー(通商代表部代理)元リライアント・エナジー取締役・株主
トミー・トンプソン(保健省長官) フィリップ・モリス(煙草の世界最大手)株主。同社は氏のウィスコンシン州知事選挙で資金提供して当選に寄与。日本でいうとJT(日本たばこ産業)株主が厚生労働大臣を務めることに相当する。
ラリー・トンプソン(司法副長官) キング&スポルディングのアトランタ法律事務所のパートナー(顧客にロッキード・マーチン、テキサコほか)
ゲイル・ノートン(内務長官) 前歴にNLインダストリーズ社ロビイスト、「環境主唱者連合」会長。同社は塗料中鉛の子供への健康影響で提訴された。地球の友の調査によると、同連合にはクアーズ・ブルーイング社、米国森林製紙協会、化学工業会が資金提供している。
コリン・パウエル(国務長官) 元ゼネラル・ダイナミックス(軍需大手)株主、ガルフストリーム・エアロスペース取締役
ウィリアム・バクスター(テネシー渓谷開発公社=TVA長官) 元ホルストン・ガス(石油供給)CEO
スティーブン・ハドレー(国家安全保障担当次席補佐官) 元シー・アンド・ガードナー法律事務所(ロッキード・マーチン代理人)共同経営者
シャルロット・ビアーズ(国務次官) 元リットン・インダストリーズ(国防)株主、ゼネラルエレクトリック株主
ハーヴェイ・ピット(証券取引委員会委員長) 元ゼネラル・エレクトリック株主
リンダ・フィッシャー(環境保護庁副長官) 前歴にモンサント社(農薬、遺伝子組み換え作物大手)の政府関係担当副社長
ダグラス・フェイス(国防総省政策担当次官) 元フェイス・アンド・ゼル法律事務所(ノースロップ・グラマンなどの代理人)社長兼共同経営者
ジョージ・ウォーカー・ブッシュ(大統領) 元テキサス州知事のほかに、石油・ガス探査会社「ブッシュ探査」の創設者でCEO(最高経営責任者)。元エナジー・インダストリーCEO
スティーブン・フリードマン(経済担当補佐官) 2002年12月に更迭されたリンゼー補佐官の後任に起用される。投資銀行ゴールドマン・サックスの元会長
フランシス・ブレイク(エネルギー副長官) 前歴にゼネラルエレクトリック社の上級副社長。同社はスーパーファンド法適用の汚染跡地数が最多(47カ所)
エベレット・ベックナー(エネルギー省国防計画管理者) 英国のアトミック・ウェポン・エスタブリッシュメントを管理するコンソーシアムの中でのロッキード・マーチンの代表者
サミュエル・ボッドマン(商務副長官) キャボット(石油)CEO
トーマス・ホワイト(陸軍長官) 元エンロン副社長。エンロンと軍の主な契約をまとめる
ウイリアム・マイヤーズ(内務省民事弁護士) 前歴に米国牧畜業者協会と払い下げ公有地協議会のロビイスト
レオ・マッケイ(復員軍人省副長官) 元ベル・ヘリコプター・テクストロン(軍需)勤務
ジョン・マーバーガー(科学技術省長官) 元エネルギー省ブルックヘブン国立研究所勤務
ノーマン・ミネタ(運輸長官) 日系アメリカ人。前歴にロッキード・マーチン(軍需大手)副社長
コンドリーザ・ライス(国家安全保障担当補佐官) アフリカ系アメリカ人女性。前歴にスタンフォード大学教授(国際政治学)、シェブロン社(石油大手)役員(同社はタンカーにライスの名をつけ、ブッシュ政権と協議して船名変更)、チャールズ・シュワブ社(金融)役員、トランザメリカ社(保険)役員。
オットー・ライヒ(国務長官補佐) 元ロッキード・マーチン有給ロビイスト、F-16戦闘機の販売促進に尽力
ドナルド・ラムズフェルド(国防長官) 前歴にG.D.サール(製薬大手、現ファーマシア社)社長、ケロッグ社(食品)、ジレッド・サイエンス社(バイオテノロジー)、トリビューン社(シカゴ・トリビューンとロサンゼルス・タイムズ)役員、アセア・ブラウン・ボベリ(原子力)取締役。ガルフストリーム・エアロスペース(特殊任務軍用機、ゼネラル・ダイナミックス子会社)取締役
ルイス・リビー(副大統領スタッフチーフ) 元ノースロップ・グラマン(軍需大手)コンサルタント
ローレンス・リンゼー(経済担当補佐官) 元連邦準備制度理事会(FRB)理事、元ハーバード大教授。元エンロン有給コンサルタント。2002年12月更迭
カール・ロウヴ(大統領上級補佐官) 元エンロンおよびボーイング株主
ジェームズ・ロシェ(空軍長官) 元ノースロップ・グラマン・エレクトロニック・システム社長
出典:ワールドウォッチ研究所の調査(坂本龍一ほか『非戦』幻冬舎2002年、203〜207頁)、およびウィリアム・ハートゥング(世界政策研究所)らの調査(『ブッシュ政権と軍産複合体』(アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局2002年、54〜55頁)から作成。
『ブッシュ政権と軍産複合体』26頁(ハートゥング論文)によると、ブッシュ政権高官のうちエネルギー産業関係者は21人、兵器産業関係者は32人である。同54〜55頁の表には企業時代の給与なども記載されているので参照されたい。大庭里美「有事体制と米国の一極支配」『軍縮問題資料』2002年7月号も参照。また、2002年12月の更迭人事を加筆した。閣僚以外では、リン・チェイニー(副大統領夫人)もロッキード・マーチン社の取締役であった。
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