エントランスへはここをクリック   

「七つの大罪」は欧米の

政治システムの欠陥から生まれる

 環球時報社説 2021年4月17日
‘Seven sins’ emerge from flawed Western political systems:
Global Times editorial 16 April 2021


翻訳:池田こみち Komixhi Ikeda(環境総合研究所顧問)
独立系メディア E-wave Tokyo 2021年4月17日 公開

 


意見・論説 七つの罪」は欠陥のある西洋の政治システムから生まれる
グローバルタイムズ社説
イラスト 劉瑞/GT Illustration: Liu Rui/GT

 西側(欧米)の政治システムは、ますます硬直化し、非効率的になり、衰退している。深い組織的な改革が急務となっている。誰も挑戦したがらないが、彼らは自からこの課題に挑戦する必要がある。

 政治学者がここで関連する理論を掘り起こす必要はない。西側諸国で何が起こっているかは、誰にでもわかることだ。多くの問題がありにもかかわらず、西側のシステムはほとんど対処できていない。西側の社会的発展は停滞している。政治的分裂はしばしば正常な秩序を乱している。これはまさに包括的な危機である。

 第一に、西側の内部発展の原動力が低下していることは明らかである。これは、彼らの経済的・社会的発展のレベルがピークに達したからではない。欧米、特にアメリカには、まだかなりの数の貧しい人々がいる。それにもかかわらず、利益追求型の資本(主義)の性質上、社会全体に利益をもたらすための経済活動に資源を投入するという点については、厳しく制約されてきたことがある。その結果、欧米社会は目標を失ってしまった。

 第二に、西欧式の民主主義は、ある意味では政治的な混乱をもたらした。様々な勢力の対立は、社会の正常な機能を妨げる深刻な社会的亀裂を引き起こし続けている。多くの国では、解決策を見出すことができないまま、長い間、深刻な問題を抱えている。その疑問は解決されないままとなっている。例えば、米国をはじめとする欧米諸国では、一部のインフラが老朽化しているにもかかわらず、その更新のための本格的な対策がとられていない。

 第三に、欧米のシステムは、多くの場合、過激主義や絶対主義を容認し、人々がスケープゴートを探すことを助長してきた。欧米諸国の競争力が低下しているが、その主な原因は自分たちにあある。しかし、彼らは「中国に昼食を盗まれた」という不合理な結論に到達している。米国はCOVID-19との戦いで大敗を喫したが、それを中国のせいにしているのだ。このような反科学的、反常識的な考え方が米国の政策にまで広がっていることは、さらに衝撃的である。

 第四は、欧米のシステムを改革するのは難しいということである。挑戦した人もいるが、失敗した。改革に対する恐怖感や無力感が醸成されてしまっている。現政権がある方法で政策を調整しても、次の政権がそれを廃止して、わかりきったことを一からやり直すかも知れない。米国をはじめとする西側諸国の支配者は、社会の共通利益よりも自党の私利私欲をはるかに優先してきた。その結果、長期的に一貫した政策を立てることができず、資源が組織的に浪費されているのだ。

第五に、欧米諸国は傲慢で、自己反省がない。欧米の政党の政治的偏向は、事実から真実を求めることを躊躇させている。彼らの民主主義、自由、人権に対する理解はますます過激になっている。彼らは独善的で、西洋以外の統治の探求を残酷なまでに否定することに血眼になっている。彼らの学習精神は枯渇し、彼らの自己肯定感は極度のナルシシズムに変わっている。

第六に、米国に代表されるように、欧米のシステムは、国際的な法律やルールを無視し、人を説得することに背を向け、強靭な力だけを崇拝する野蛮なものになりつつある。他国への内政干渉やダブルスタンダードを強め、世界の平和を脅かしている。近年、世界各地で起きている戦争は、基本的にすべてアメリカや欧米が仕掛けたものである。

 第七に、西欧型民主主義の本質が常に圧迫されている。多くの草の根の人々は、自分たちの権利を守ることができず、悲惨な生活を送っている。一方で、彼らの国の民主主義的という商標は、実際にはかなりの数の「悪」を保護し、隠蔽していることも事実である。ルールは社会の上層部によって策定される。表面的には、言論の自由はあるものの、多くの一般の人々には実際に発言する権利がなく、彼らの権利は常に蔑ろにされている。

 これらは、現実の西欧(西側)の政治システムの「七つの大罪」とみなすことができる。彼らは改革を行い、資本中心のシステムから人間中心のシステムに変えなければならない。(完)