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キューバ、米国の「破壊行為」を非難
北京、ワシントンにハバナ封鎖の解除を要請

環球時報 2021年7月13日
Cuba denounces US ‘subversion’
Beijing urges Washington to lift blockade
against Havana by Global Times


翻訳:池田こみち (環境総合研究所顧問)
 独立系メディア E-wave Tokyo 2021年7月16日
 
米国の支援を受けた「カラー革命」の試みと思われる反政府デモの中、月曜日、ハバナの国会議事堂前でミゲル・ディアス=カネル大統領を支持する国旗を掲げるキューバ人たち。写真はVCG

本文

 在中国キューバ大使館は12日、日曜日の前例のない抗議行動を受けて、待望の「政権交代」を誘発しようとした米国のキューバに対する不正規戦争計画を非難し、キューバ国民の反応は「祖国か死か、我々は勝利するのだ。」というものだと述べた。

 大使館が火曜日にGlobal Timesに送った声明によると、週末の破壊的な行動は、米国からコントロールされているソーシャルネットワークで、"SOS Cuba"というラベルの下で奨励され、操作されており、「フロリダ州政府は、マイアミに拠点を置くこのラベルを作成した会社に資金を提供した」としている。

 米国政府とツイッター社の政治工作員は、キューバに対するこの作戦で、自動化された手段で調整されたユーザーによるラベル付け、ロボットコレクティブ(機械的集団的な動き)、トロール(ネット上の挑発行為)を使用した、と大使館は述べている。

 「キューバは、これらの告発の膨大な証拠を米国政府とツイッター社にすぐに提示するだろう」と大使館は述べている。

 また、キューバのブルーノ・ロドリゲス外相は、米国が資金提供している傭兵を非難した。同氏は、「SOSキューバ」キャンペーンを展開する企業が、米国国務省から資金提供を受けていることを確認するか否かをワシントンに要求した。

 これらの社会的暴力行為は、米国政府がキューバに対して、待望の "政権交代"を誘発するために適用してきた不正規戦争スキームの一部である。今回は、COVID-19のパンデミック、米国の経済・商業・金融封鎖の強化による医療品や食料の不足など、キューバの複雑な状況が利用されたと大使館は述べている。

 「米国の破壊工作マニュアルに詳細に書かれ、宣伝されているこの種の破壊行為に直面しても、キューバ国民の反応は変わらない。祖国か死か、我々は勝利するのだ!」と大使館は述べた。

 日曜日の抗議行動は、キューバで最大の反政府抗議行動であり、抗議者は自由の欠如、COVID-19の感染者数の増加、経済の悪化と思われることに不満を表明した。また、政府を支持する対抗措置としての行進(カウンターマーチ)もいくつかの都市で行われた。

 キューバは、COVID-19の流行により観光業が壊滅的な打撃を受け、インフレ、停電、食料・医薬品・基本物資の不足など、1990年代以来最悪の経済状況に陥っている。

 キューバの状況は、火曜日には人々の生活が整然と進み、共産党の指導の下、キューバ政府はその執行機能を継続しているというのが、キューバ大使館やキューバ在住の人々からグローバルタイムズが得た情報である。

 キューバに住むある中国人は、匿名を条件に『グローバル・タイムズ』紙に、彼の友人の多くが住むハバナのプラヤ地区では、警察がほぼ各ブロックをパトロールしており、人々は秩序ある生活を送っていると語った。

 同氏によると、日曜日に複数の都市で同時に行われた抗議活動は、主に失業中の若者が参加していたという。

 「これは、デモが計画的に行われたことを証明している」と彼は言い、デモ参加者の中にはアメリカの国旗を持ち、"Libertad "などの典型的なアメリカのスローガンを唱えている者もいたと述べた。 彼をはじめとするキューバの同僚や友人の多くは、この抗議活動の背後にはアメリカが存在すると考えている。


 デモの後、中国を含むいくつかの国がキューバ政府を支持し、米国にキューバに対する封鎖を解除するよう求めた。

 メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス大統領は月曜日、キューバに対して医薬品、ワクチン、食料の支援を申し出た。また、米国による封鎖の解除を求め、キューバへの干渉を非難したと、プレンサ・ラティーナ紙が報じている。

 火曜日、中国外務省の趙麗健報道官は、中国はCOVID-19対策と社会的安定の維持に向けたキューバの努力を断固として支持し、キューバが言ったように、アメリカの封鎖が医薬品不足などキューバの問題の根本原因であるとして、アメリカはキューバに対する封鎖を完全に解除すべきだと述べた。

 中国は、キューバの党と政府の指導のもと、キューバは必ず社会的安定を維持すると信じている、と趙氏は定例記者会見で述べた。

 また、一部の中国のネットユーザーは、在中国キューバ大使館のWeiboアカウントのコメント欄で、キューバ国民とその政府への支持を表明するとともに、米国の扇動と内政干渉についてキューバに警告を発した。

 「キューバのみなさん、どうか団結して、アメリカが扇動した『カラー革命』を破綻させてください」とネットユーザーたちは語っている。

 カルロス・ミゲル・ペレイラ駐中国キューバ大使は、5月のメディア会見で、米国は長い間、キューバを転覆させ、キューバを不安定にさせるツールとしてソーシャルネットワークを利用してきたと語った。ソーシャルネットワークの空間は、思想の重要な戦場となっているのだ。

 「キューバ社会を内部から崩壊させ、不安定化させようとする米国の試みと戦術は変わっていない」と述べ、米国のアプローチには、若者の間に不確実性を生み出し、攪乱させること狙いを含んでいると指摘した。

 ワシントンでは、複数の米国政府関係者や政治家が、キューバの反政府デモ隊への支援を表明し、炎上を煽るような発言を繰り返している。マルコ・ルビオ上院議員は、ツイッターで非常に活発に活動しており、キューバ政府、共産党、社会主義を攻撃する一方で、反政府デモ隊を賞賛するツイートを毎日何十回も行っている。彼はメディアに抗議活動を報道するよう呼びかけ、抗議活動が行われたのは「社会主義は常に災害である」からだと主張した。

 欧米のメディアの中には、キューバで何千人ものデモ行進が行われたと主張するものもあったが、キューバの公式メディア「Prenesa Latina」は、デモ参加者は数百人に過ぎないと述べている。

 ガーディアン紙(UK)は月曜日の報道で、見出しに政府支持者と反政府デモ参加者を間違えたAP写真を使用した。その後、同紙は訂正記事を掲載し、「Máximo Gómezの記念碑の上にいる人々の画像のオリジナル機関のキャプションは、彼らを反政府の抗議者と誤って表現していた。彼らは実際には政府の支持者でした。」と訂正した。