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【解説】
F35はなぜ世界で最も高価かつ
最も問題のある戦闘機と
みなされているのか

Sputnik 日本

War in Ukraine #4186
 20 September 2022
 

独立系メディア E-wave Tokyo 2023年9月21日


戦闘機F35A - Sputnik 日本, 1920, 21.09.2023 © 写真 : Airman 1st Class Zachary Rufus / Nellis AFB Public Affairs / DVIDSHub

本文

 米サウスカロライナ州で今月17日、米海兵隊の戦闘機F35BライトニングⅡが墜落した。 理由は不明だが、パイロットは飛行中に緊急脱出した。

 なぜF35はこれほど頻繁に墜落するのだろうか?何が問題なのか?また、この「フランケンシュタイン」の製造において、米国の軍産複合体の浪費やペテンはどのような役割を果たしているのだろうか?スプートニクが解明を試みた。
 
 7日に墜落したF35BライトニングⅡの残骸は、翌18日にチャールストン統合基地から北東に約2時間のサウスカロライナ州ウィリアムズバーグ郡で発見された。

 墜落の原因は明らかにされておらず、「事故」とされている。F35Bの事故は海兵隊にとってこの2カ月足らずで3件目の重大な航空機事故となった。米海兵隊は相次ぐ事故を受け、所属するすべての航空機に2日間の飛行停止を命じた。

F35はこれまでに全部で何機失われたのか?

 F35は、米海兵隊(2015年)、米空軍(2016年)、米海軍(2019年)で運用が開始し、外国への輸出(初めての輸出はイスラエル、2018年)が始まって以来、高価で問題がある戦闘機という忌まわしい評判を得た。

 F35BライトニングⅡは2018年にも墜落しており、17日に墜落したのは11機目。その大半は米国で墜落しているが、日本でも事故が2回発生している。

 2019年4月9日、自衛隊のF35Aが三沢基地から135キロの太平洋に墜落した。操縦士が平均感覚を失ったとみられている。操縦士は死亡した。

 2022年12月1日、米海兵隊のF35Bが在日米軍基地に緊急着陸した。けん引中に機体の前輪が故障した。けが人はいなかった。



米製戦闘機「F-35」の事故が多発 知っておくべきこと - Sputnik 日本, 1920, 22.10.2022
2022年10月22日, 22:10


F35の問題はどこにあるのか?

 初飛行から約17年、そして軍で運用が開始してから8年が経った今も、F35はハードウェアとソフトウェアに影響を与える数多くの技術的問題によって懸念を呼び続けている。

 F35計画の費用総額は1兆7000億ドル超とみられており、1機あたりの価格は7000~9000万ドル。F35は、トランプ前米大統領を含む米政府当局者たちから長年にわたって激しく非難されてきた。トランプ氏は当時、F35のコストは「制御不能」だと述べた。

 F35はその本質上、あらゆる種類の軍部隊で使用することができ、垂直離着陸能力を備え、さまざまな搭載兵器を使用して幅広い任務を実行できるという「万能」の戦闘機という考え方の産物だ。F35は最終的に、F16ファルコンを含む、事実上すべての米国の戦闘機に取って代わることになる。

 米会計検査院は2023年の報告書で、F35計画では「スケジュールの遅延、コストの増加、納期の遅れが続いている」ことを示し、調達価格は2019年から134億ドル増加していることを明らかにした。

 F35ライトニングⅡはその全生産期間にわたり、パイロットが首を損傷する恐れのある射出座席から、荒天時の運用の問題に至るまで、目の回るような、無限に続くかのような技術的問題に直面してきた。


F-35【アーカイブ】 - Sputnik 日本, 1920, 15.12.2022

【解説】首が折れてしまう射出座席からピカっと光る雷まで F-35が抱える問題点のトップ10とは 2022年12月15日, 07:30

F35はなぜこれほど高価なのか?

 サウスカロライナ州で17日に起きた事故は、米航空機メーカー大手ロッキード・マーチンにとってF35をめぐる最新の悪いニュースとなった。

 6月には、米国防総省が新しい装置やソフトウェアに関連した主要な問題が解決されるまで、追加で近代化されたF35の納入を一時停止したことがわかった。一方、遅延や多くの技術的問題があるにもかかわらず、ロッキード・マーチンはF35の購入と生産に関連する豪華な契約を獲得し続けている。

 その理由は、どうやらF35の価格高騰にあるようだ(またロッキード・マーチンは欠陥品を納入しても高い利益を上げている)。所謂「はっきりと決まっていない」契約では、事実上、あらゆる超過コストは買主、すなわち米国の納税者および不運にもロッキード・マーチンと売買契約を結んだすべての国の市民の問題となる。

他の国はF35に対して何ができるのか?

 このF35をめぐって最も不快なのは、この戦闘機がすでに「時代遅れ」だということだ。米国と北大西洋条約機構(NATO)の多くの競争相手が、F35に勝つ可能性を得ている。

 ロシアと中国は、2010年代半ばから後半にかけて航空機の追跡能力や目標指示能力を獲得している。

 イランは4月、同国の技術者たちがF35の探知だけでなく、個々のF35のレーダー信号も特定できる最新のレーダー技術を開発したと発表した。これはイランに防衛作戦を計画する可能性を与えているという。