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東京地検による
PCI捜査の背景!?
パシフィックコンサルタンツインターナショナル
〜山岡氏 vs.荒木氏〜


青山貞一

掲載日:2007年10月29日


 2007年10月17日、以下の新聞記事にあるように、東京地検特捜部は大手建設コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(略称PCI、本社東京)グループ企業内で不正な経理処理が行われた疑いがあるとして一斉に家宅捜査に入った。

 捜査は10月19日まで3日間続いた。捜索個所も荒木民生元社長の自宅など実に20数か所にも上っている。東京地検特捜部がこれだけ大規模な捜査を敢行するのは久々のことである。

 捜査を受けたPCIだが、会計検査院の調査によれば、PCIが国際協力機構(JICA)から請け負ったODAの現地調査で、契約額を水増しした現地企業との契約書を提出したり、実在しない企業との契約書を偽造したりするなどの不正が判明しているという。
 
 PCIグループによるこの種の経理処理は、平成16年度までの5年間だけでも実に11カ国、30件以上にのぼっている。このようにPCIは単なる不祥事ではすまされない経済犯罪に類する行為を繰り返す、いわば「フダツキ」のコンサルタント企業であるわけだ。

 その結果、PCIは不正請求分などとして、2006年10月までに国際協力機構(JICA)に約1億1000万円を返還したとされる。だが、この手のいわば「経済犯罪」がお金を返せばおとがめなしで済むのだろうか?

 度重なる不正によりPCIグループは、過去、6ヶ月、18ヶ月など、長期におよぶ指名停止処分を受けていが、これとて期限が過ぎれば入札なり随意契約で巨額の事業を請け負うことが可能になる。

 なぜなら、国際協力分野で数1000人規模のコンサルタントは日本ではパシコングループと日本工営くらいしかないからとされている。その結果、同じようなことが繰り返されることになる。とはいえ、新聞記事にあるように、PCIは国から受注した大規模事業を下請け、孫請けの関連企業に再委託している。もちろん、随意契約案件の再委託は禁止されているが。

 以下はPCI関連企業への特別背任容疑で東京地検が強制捜査に入ることを報じる東京新聞、サンケイ新聞、読売新聞の記事である。

大手コンサルを強制捜査 兵器処理で特別背任容疑
東京新聞 2007年10月17日

写真(略) 家宅捜索のため「遺棄化学兵器処理機構」があるビルに入る東京地検の係官ら=17日午前、東京都港区

 終戦前後に旧日本軍が中国で遺棄した毒ガス兵器の処理事業をめぐり、受注した大手建設コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI、東京)グループ企業で不正な会計処理が行われた疑いがあるとして、東京地検特捜部は17日、特別背任容疑で関係先を家宅捜索、強制捜査に乗り出した。

 同社グループ企業は国から300億円以上に上る関連事業を請け負っており、特捜部は今後、押収した関係資料を分析、資金の流れなど疑惑の全容解明を目指す。

 捜索場所は、東京都港区にあるグループ企業「遺棄化学兵器処理機構」、千代田区の「パシフィック事業開発」など。

 関係者によると、同機構が2004年度以降、内閣府から受注した中国での毒ガス兵器処理に関連する事業をPCIなどに委託する過程で、一部のグループ幹部らが約1億円を不正に流用していた疑いがあるとされる。(共同)
 
PCI強制捜査 ODA資金食い物 「違法提訴」の判決も
産経新聞 2007年10月17日

 巨額の資金が動く“遺棄兵器ビジネス”で不正支出疑惑が浮上し、17日東京地検の家宅捜索を受けたパシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)グループ。高度なノウハウで知られる一方、政府開発援助(ODA)をめぐる不正請求の発覚や、疑惑報道に対する賠償請求の提訴が裁判所で違法と認定されるなど、経営姿勢が問われかねない問題も相次いでいた。

 PCIは、グループ内でODAなど主に海外事業を担い、業界トップクラスの実績を誇る。

 会計検査院の調査によると、PCIが国際協力機構(JICA)から請け負ったODAの現地調査で、契約額を水増しした現地企業との契約書を提出したり、実在しない企業との契約書を偽造したりするなどの不正が判明した。

 こうした経理処理は平成16年度までの5年間に11カ国30件以上になり、PCIは不正請求分などとして、昨年10月までにJICAに約1億1000万円を返還したとされる。

 一方、グループ企業のパシフィックコンサルタンツ(PCKK)元社長(71)に関する資金還流疑惑を報じた月刊誌の記事で名誉が傷つけられたとして、元社長らが出版社などに損害賠償を求めた訴訟では、今年2月の東京地裁判決は請求を棄却した上で「理由がないことを知っていたか、容易に知ることができたのに、あえて提訴した」と判断。

 訴え自体を違法と結論付け、元社長側に出版社などの弁護士費用として計100万円の支払いを命じた。 

グループ内で利益を分配、PCI本社を捜索
読売新聞  2007年10月19日

 国が中国で進めている遺棄化学兵器処理事業を巡る1億円流用事件で、同事業を大手コンサルタント会社「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」(PCI、東京都多摩市)のグループ会社が独占受注し、関連会社に再委託を繰り返すことで、国が多額の費用を投じる事業の利益をグループ内で分配していたことが分かった。

 東京地検特捜部は19日午前、特別背任容疑でPCI本社を捜索。流用に関与した疑いのあるPCIの荒木民生元社長(71)らを近く事情聴取し、全容解明を目指す。

 内閣府の資料によると、PCIのグループ会社「遺棄化学兵器処理機構」(港区)は、不正流用が行われたとされる2004〜05年度、同事業を計約150億円で受注。このうち計約67億円分の業務を随意契約や一般競争入札で計10社に再委託したが、委託費の約85%に当たる約57億円分は、「総合コンサルティング業務」の名目で、PCIなどの共同企業体に随意契約で委託していた。

 その後、PCIは、業務の一部をグループ会社「パシフィックプログラムマネージメント」(PPM、千代田区)に再委託。そのPPMもさらに下請け会社に発注した形を取っていた。

 PCIのグループは、国から委託された一つの事業で再委託を繰り返し、機構、PCI、PPMの3社がそれぞれ、業務委託料という形で利益を分配。特捜部は、再委託の過程で約1億円が流用されたとみている。

          ◇

 多摩市のPCI本社には午前9時50分過ぎ、東京地検の係官約50人が到着。ビルに入居する本社の捜索に入った。PCI関連の捜索は3日連続で、捜索個所は荒木元社長の自宅など二十数か所に上った。

 問題となったPCIは海外を中心に事業展開を図っている。他方、国内ではパシフィックコンサルタンツ(PC)が各種のコンサルタント事業を行っている。これらの2社を含むパシコングループ会社をたばねている「持株会社」が、「パシフィックコンサルタンツ・グループ」(PCG)である。グループ会社には上記に加え、「パシフィックプログラムマネージメント」(PPM、千代田区)、「遺棄化学兵器処理機構」(港区)など多数ある。

 非常に複雑な組織関係だが、問題は読売新聞の記事にあるように、内閣府の資料によれば、PCIのグループ会社「遺棄化学兵器処理機構」(港区)は、不正流用が行われたとされる2004〜05年度、同事業を計約150億円で受注。このうち計約67億円分の業務を随意契約や一般競争入札で計10社に再委託したが、委託費の約85%に当たる約57億円分は、「総合コンサルティング業務」の名目で、PCIなどの共同企業体に随意契約で委託していた、ことにある。

 その後、PCIは、業務の一部をグループ会社PPMに再委託。そのPPMもさらに下請け会社に発注した形を取っていたことになる。

 当然のこととして随意契約で受注した事業を再委託することは契約上禁止されている。


 さらにPCIのグループは、国から委託された一つの事業で再委託を繰り返し、機構、PCI、PPMの3社がそれぞれ、業務委託料という形で利益を分配。特捜部は、再委託の過程で約1億円が流用されたとみている。

 
これが東京地検の強制捜査を受けた容疑のベースである。この種の手法は、通常、中央省庁→元請けとなる財団法人や社団法人への随意契約による委託→それらの財団や社団から株式会社のコンサルタントなどへの再委託→子会社への再々委託などとして状態化している。

 今回は財団や社団あるいは独立行政法人を介さず民間コンサルタント(あるいはグループ)に委託されたあと、関連会社、子会社、さらには孫会社に契約無視の再委託、再々委託などが行われていたことになる。

 今回、特別背任の疑惑で捜査を受けているパシフィックコンサルタンツの元社長(71)とは荒木民生氏のことである。荒木氏は「持株会社」と「パシフィックコンサルタンツ」の両代表を務めていた。また今回、東京地検特捜部の容疑の対象となっている国際協力案件は、中国における旧日本軍遺棄化学兵器処理施設事業で総額約800億円に及ぶ巨額なものである。

 ※中国における遺棄化学兵器処理事業とは

 ところで、パシフィックコンサルタンツ関連会社に係わる特別背任問題では、名誉毀損などの民事訴訟をうけながらも勇猛果敢に徹底取材を行い、巨大企業の上層部を震撼とさせているジャーナリスト、山岡俊介氏が非常に興味深い記事を自身のホームページに書いていた。
 
  以下の記事は2005年5月17日に山岡氏が書いたものである。とくと読んで欲しい。

2005年5月17日

パシコン・荒木民生代表が本紙・山岡等を訴えた背景に、中国利権?
●旧日本軍遺棄化学兵器処理施設、08年度までに約780億円 


 本紙・山岡等を、世界的建設コンサル会社「パシフィックコンサルタンツグループ」(代表・荒木民生)が、嫌がらせ訴訟提起したのは既報の通り。だが、この訴訟提起、単に嫌がらせが目的ではない。

 わが国政府筋から内々に、「(本紙・山岡に書かれた)記事の疑惑が本当なら仕事は出せない。デタラメというなら、しかるべき処置(訴訟提起)を取れ」との結果だと、さる筋から情報提供があったので報告しておく。

 その仕事とは、この5月15日朝刊で『読売新聞』が報じた記事の内容に関連する。興味のある方は、同記事を左に掲げておくのでご覧いただきたい。

 全額日本政府負担で、中国各地に点在する旧日本軍が残していった化学兵器を処理するための施設を新設する見込み。その額は08年までに実に780億円にもなる見通しだという。

●国際協力機構、国際協力銀行から指名停止6カ月も、開き直る荒木代表

 一般にはほとんど知られていないが、現在、同社傘下の「パシフィックコンサルタンツインターナショナル」は国際協力機構(JICA)、国際協力銀行(JBIC)から半年もの指名停止処分を受けている。

 その前にも同2カ月。本紙も04年12月22日に報じたように、インターナショナル社が受注した中米コスタリカ政府向けODA資金の内、約1800万円が使途不明というとんでもない不祥事を起こしたためだ。パシコンは国際協力機構から年間66件、計51億円以上の事業を受注済だったというから、この指名停止処分は本当に痛い。
 
 そこに持って来て、中国でのこの約780億円もの利権でも締め出しを食らうとなると荒木代表の責任が問われるのは必至だ。

 本紙・山岡の書いた記事は真実だから、荒木代表が裁判に勝てるわけがなく、やぶ蛇になるのは目に見えている。だが、記事に書かれたことが事実無根と公言している手前、訴えないことには辻褄が合わないということで、訴訟提起したということであるようだ。

 それにしても驚くのは、前出の指名停止処分を受けたことに対し「パシフィックコンサルタンツ」が出している公式見解(略)。

 ここで解説しておくと、インターナショナル社は海外事業、パシフィックコンサルタンツは国内事業を行い、この主要2社を含むグループ会社を束ねる持ち株会社が、今回、訴訟提起して来たパシフィックコンサルタンツグループ。荒木氏は現在、この持ち株会社と国内向け事業を行うパシフィックコンサルタンツの両代表を務めている。

 したがって、パシフィックコンサツタンツの公式見解を問われれば、確かに別会社だが、不祥事を起こしたインターナショナル社を傘下に置く持ち株会社の代表も荒木氏は務めているのだから、申し訳ないと謝って当然。

 ところが、あから様にいえば、「関係ない」と開き直っているのだ。こんな言い分が本当に世間に通じると思っているのだろうか。

出典:http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2005/05/post_3.html

 山岡俊介氏は何もPCグループだけでなく、日本を代表する巨大企業に立ち向かっている。氏によれば、政・官・財、マスコミ、闇社会あらゆる巨悪追求がミッションであると。

 山岡氏がPCの社長などをしていた荒木民生氏を特別背任問題に関連する記事を「財界展望」(通称ZAITEN)に書いたのは、中国の事業ではない。実は国内事業に係わるものである。荒木民生氏はその内容が名誉毀損に当たるとして山岡氏を民事の名誉毀損で訴えていたのである。荒木氏が山岡氏を訴えた損害賠償額は2000万円。

 ※ 山岡俊介氏によるパシコン関連の特別背任問題に関連する
    メモはすべて以下にあるので目を通して欲しい。
  http://accessjournal.jp/modules/weblog/index.php?user_id=0&cat_id=33

 山岡氏の記事によると、すでにPCIに出していた中国関連の巨大事業に関連し、もし、山岡氏が「財界展望」のなかで書いていることが事実でないなら、山岡氏にしかるべき措置をとったらどうかと荒木氏言っていたというのだ。しかるべき措置はおそらく名誉毀損で訴えることを意味する。

 本裁判は、以下の山岡氏の記事にあるように、今年(2007年3月)に山岡氏と記事を掲載した媒体である「財界展望」を出している雑誌社の勝訴となるのだが、その約半年後の2007年10月に東京地検がPCIなどに家宅捜査に入ったのである。しかも、容疑は中国での旧日本軍遺棄化学兵器処理施設事業に関連した特別背任であった。

2007年3月27日

裁判所も認定した、世界的コンサル企業パシコン前社長・荒木民生氏の疑惑(「判決文」より。第2回


 本紙・既報のように、本紙・山岡等が全面勝訴した対パシコン名誉毀損訴訟。

 裁判所も、「記事には公共性、公益性があり、内容の主要な部分は真実。原告側は訴えに理由がないことを知っていたか、容易に知り得たにもかかわらず、あえて提訴した」(冒頭左写真参照のこと=「共同通信」今年2月16日記事)と認定。異例の当方反訴も認め、逆に原告の、わが国ODA利権にも深く関わる世界的建設コンサル企業「パシフィックコンサルタンツグループ」(東京都多摩市)と、前社長・荒木民生氏(右写真)に対し、共同して100万円の支払いを命じた。

 だが、その判決にも拘わらず、荒木氏だけは控訴して来た。

 そこで、本紙では、判決文中の「裁判所が認定した部分」を何回かに分け紹介することにした。

 1回目は破綻した荒木ファミリー企業「パシフィック・テレコム」についての裁判所認定部分を掲載(息子の借金苦は、父親・荒木氏の犯罪疑惑の動機として重要)した。

 第2回目はパシコンの売上金の一部を還流させた疑惑のある、別の荒木ファミリー企業「P・J・N」への入金についての認定部分を掲載する。

 まさに2007年10月17日の東京地検の家宅捜査は、山岡氏が2005年5月17日に書いた上記の記事が立証されたことになると思える。私自身は以前から上述の山岡メモで読んで知っていたが、まさかと思っていた。

 PC元社長ら、山岡俊介氏と「財界展望」という雑誌社を相手に提訴したものの、山岡氏と「財界展望」を出版している雑誌社が裁判に勝訴してしまったのだから、PC側はどうしようもないことになる。

 以下は山岡氏と財界展望新社勝訴を報じる記事である。

パシフィックコンサルタンツ提訴の裁判で勝訴

「財界展望」記事の名誉棄損認めず、コンサル側敗訴
(2月17日 読売新聞朝刊)

 国内最大手の建設コンサルタント「パシフィックコンサルタンツグループ」(東京都多摩市)と同社元社長が、月刊誌「財界展望」の記事で名誉を傷付けられたとして、発行元の財界展望新社(東京都千代田区)とジャーナリストの山岡俊介氏に計2000万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が16日、東京地裁であった。

 藤下健裁判長は「記事の主要な部分は真実と認められる」として、パシフィック社らの訴えを退けた上で、「記事の内容が真実で訴えには理由がないと容易に知り得たのに、あえて訴訟を起こしたのは不法行為にあたる」などと述べ、同社に山岡氏らの弁護士費用として計100万円の支払いを命じた。

 問題とされたのは、「『パシフィックコンサルタンツ』経営者一族会社への不可解還流金」の見出しで同誌2005年4月号に掲載された記事。パシフィック社側が名誉棄損で提訴した後、山岡氏らが「提訴は訴権の乱用だ」として反訴していた。

<名誉棄損>東京地裁「提訴は不法行為」とし賠償命令 
(2月16日20時21分配信 毎日新聞)

 「財界展望」の記事で名誉を傷つけられたとして、建設コンサルタントグループの持ち株会社と元社長が、発行元の「財界展望新社」と筆者の山岡俊介さんに賠償を求め、山岡さんらが反訴した訴訟の判決が16日、東京地裁であった。
 裁判長は「提訴したのは不法行為」と指摘し、持ち株会社側に100万円の支払いを命じた。

名誉棄損の提訴違法と賠償命令
東京新聞 2007年2月17日(土)夕刊

 月刊誌「財界展望」の記事をめぐり、建設コンサルタント会社などが名誉を傷つけられたとして二千万円の損害賠償などを求め、被告となった同誌の発行元と筆者が「表現活動を妨害するなど違法な提訴」として三千万円の賠償を求めて反訴した訴訟の判決で、東京地裁は十六日、名誉棄損の提訴を違法と認定し、原告側の請求を棄却するとともに、原告側に百万円の支払いを命じた。

 藤下館裁判長は「記事には公共性、公益性があり、内容の主要部分は真実。原告側は訴えに理由がないことを知っていたか、容易に知り得たにもかかわらず、あえて提訴した」と判断した。

 原告は「パシフィックコンサルタンツグループ」(東京)と同社前社長で、控訴する方針。被告は財界展望新社(東京)とジャーナリストの山岡俊介さん。

 判決によると、二〇〇五年三月に発売された財界展望は「『パシフィックコンサルタンツ』経営者一族会社への不可解環流金」との見出しの記事で、原告会社のグループ企業が外注先に支払った契約金の半分が、前社長ら経営者一族側に還流されたなどと指摘した。


 東京地裁の裁判では、裁判長は真実性、公共性、公益性などすべてにおいて山岡氏が雑誌に書いた記事の内容と主張を認めたのである。さらに山岡氏と雑誌社がPC元社長らの提訴に反訴した裁判でも、山岡氏らの主張が認められ、元社長は山岡氏と雑誌社に100万円の損害賠償金を支払うことになったのである。

 100%確実とはいえないものの、東京地検特捜部による元社長らによる特別背任容疑の捜査は、どうみても判決をまって地検が動いたものと考えらるのが自然である。おそらく、国側も山岡氏の記事などでPC元社長のすることに疑念を持っていたが、元社長が山岡氏を訴えた民事訴訟で山岡氏が勝訴したため、それをまって東京地検が強制捜査に踏み切ったのではないかと思える。

 以下は東京地検がPCIグループに家宅捜査に入る前日の山岡氏の記事だ。

2007年10月16日

本日、強制捜査へ
本紙・山岡と訴訟合戦を繰り広げているパシコン・荒木民生元社長。特別背任容疑で(国会議員も関与か)

 本日の全国紙1面に掲載されているように、東京地検特捜部は今日にも世界的大手建設コンサルタント「パシフィックコルサルタンツ」社長などを務めていた荒木民生氏の特別背任容疑で、本社や関係先などを強制捜索する模様だという(各社氏名前は伏せているが間違いなし)。具体的容疑は不明だが、パシコンのグループ会社であるPPMなろ会社を通じて約1億円が使途不明になっていると「読売」が報じている点が実に興味深い。というのは、このPPMの社長を荒木氏はかつて務めて、役員は荒木氏の側近で固め、グループ会社といってもその実態はほとんどなく、実質、荒木氏の個人会社的性格を持っていたからだ。実は本紙・山岡は月刊経済誌『財界展望』(2005年3月1日発売号。現『ZAITE』)にこの荒木氏の特別背任疑惑の記事を掲載したことがある。今回の容疑では別で、国内事業に関してのことだが、その際にもこのPPMを通過した資金の半分が使途不明、もっと有り体にいえば、荒木氏のファミリー企業に渡っていた。この記事を巡っては訴訟になったが……。しかも、警視庁が……。

出典
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2007/10/post_76c2.html


 ....

 普通なら話しはここで終わるのだが、本件はここで終わらない。

 くだんの山岡俊介氏は、東京地検がPCIなどに家宅捜査で入った2007年10月17日のホームページで、またまた興味深いことを書いている。非常に短いが意味深長な記事である。

2007年10月17日

いよいよ地検が強制捜査
これがパシコン疑惑を封印していた?
同社コンプライアンス調査委員会の検察・警察OBメンバー表

 本日、本紙でも既報の通り、1日遅れで東京地検特捜部は世界的建設コンサルタント企業「パシフィックコンサルタンツ」の社長だった荒木民夫氏の特別背任疑惑で強制捜索を行った。だが、荒木氏の一連の疑惑、彼らがいなければもっと早く捜査に至っていたとの見方もある。パシコンのコンプライアンス委員会のメンバーのことだ。本来、法令遵守を指導するのが同委員会の目的のはずだが……。

出典:
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2007/10/post_347e.html

 「彼らがいなければもっと早く捜査に至っていたとの見方もある」と山岡氏が指摘するのは、パシフィックコンサルタンツグループが平成15年3月5日設置したコンプライアンス調査委員会のことである。

 
以下に委員会メンバーを示す。

コンプライアンス調査委員会 平成15年3月5日

委員長 敷田 稔 現国際検察官協会副会長 元名古屋高検検事長
委  員 土肥孝治 元検事総長
      日野正晴 元名古屋高検検事長 元金融庁長官
      堀内国広 元最高検検事
      岡田良雄 元大阪最高裁長官
      垣見 隆 元警察庁刑事局長
      宮下正彦 元警察庁国際刑事課
      佐藤文哉 元仙台高裁長官
      荒川洋二 元大阪高検検事長
      土本武司 元最高検検事 帝京大教授
副委員長兼事務局長
      亀岡偉民 (熊谷組非常勤社員)
事務局 平山 光 警視庁刑事 森田

出典:山岡俊介氏サイト
出典:
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/images/116.JPG

 おどろくなかれ、パシフィックコンサルタンツグループが設置したコンプライアンス調査委員会の多くはおどろくことなかれ、最高検、高検の検事長や検事ばかりである。テレビや新聞でコメントしている著名委員もいる。

 以下のリストをみると、山岡氏が上の記事で言っている意味がよく分かった。これだけそろえられると、いくら泣く子も黙る東京地検特捜部といえ、家宅捜査に二の足を踏んでいたのかも知れない。

 いずれにしても捜査が遅れれば遅れるほど、巨額の金が国からPCIグループに流れてしまうことになりはしないか? 東京地検による今後の捜査を見守りたい!

 なお、以下に示したパシフィックコンサルタンツのホームページにある「信頼される会社」のトップにランキングを見て欲しい。

 
同うぇbでは、日経コンストラクションが2006年4月14日号で特集した『「今度こそ本気」の法令順守』において行った『「信頼される会社」ランキング』で、パシフィックコンサルタンツが総合点で2位以下に10点以上の差をつけ、88.3点(100点満点)でトップにランキングされたというのだ。

 そこでは、法令の遵守や透明性、環境への配慮、社会貢献のすべての項目においてトップで評価されているという。

「信頼される会社」のトップにランキング

日経コンストラクションが2006年4月14日号の特集『「今度こそ本気」の法令順守』において行った『「信頼される会社」ランキング』で、パシフィックコンサルタンツが総合点で2位以下に10点以上の差をつけ、88.3点(100点満点)でトップにランキングされた記事が掲載されました。そして、法令の遵守や透明性、環境への配慮、社会貢献のすべての項目においてトップで評価されたことは、私たちの社会的な責任に対する取り組みが正しく評価されたものと、受け止めております。これからも益々社会に信頼される会社を目指し、さらなる努力を行ってまいりたいと思います。

出典:パシコンHP。
http://www.pacific.co.jp/news/archives/060502/index.html
 
 パシフィックコンサルタンツは、「私たちの社会的な責任に対する取り組みが正しく評価されたものと、受け止めております。これからも益々社会に信頼される会社を目指し、さらなる努力を行ってまいりたいと思います。」と述べている。

 その一年半後、PCIなどに東京地検特捜部が家宅捜査に入っているのだから、なにおかいわんやである。また日経BP雑誌にも開いた口がふさがらない。最高検、高検の検事長や検事を委員としたコンプライアンス調査委員会を設置すれば、2位以下に10点以上の差をつけ、88.3点(100点満点)でトップにランキングとなるのか?

 日本のコンプライアンスやCSR(企業の)社会的責任)は、土台こんなものなのだろう、と思われてしまうのは残念だ。

つづく