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デジタルビデオカメラ

SDHCで軽量・省エネ・価格革命


青山貞一
24 August 2010
独立系メディア「今日のコラム」
無断転載禁


 数あるIT家電のなかで、「デジタル・ビデオ・カメラ」ほど、短期間のうちに軽量、省エネ、高画質、廉価化そして楽々編集を実現した分野はないだろう。

 技術的に見ると、その中心にあるのが大容量のSDカード(SDHC)である。今や4GB〜16GBのSDHCは廉価の一途をたどっている。SHDCは16GBでも3000程度で売っている。


16GBのSDHC

 今までのデジタルビデオカメラを見ると、1)ビデオテープ、2)小型ハードディスク化、3)SDカード化の道を歩んできた。SDカードまで来たものの、大容量のSDカードが高額だったため、SDカードムービーは、1)や2)の補完的位置に甘んじていた。

 しかし、4GB〜16GBのSDHCが廉価化の一途をたどるにつれ、SDHCが映像記憶媒体の中心に躍り出てきたのである。

 その結果、1)や2)のように電力を食う機械的駆動部分がほとんどなくなった。1)はテープを回すモーターが、2)はHDDを回すモーターが必要だったが、SDHCが映像記憶媒体は、その種の機械的駆動部分が不要となった。

 SDHCを使えば、重量があって結構高額なリチウムイオンバッテリーが不要となる。実際、SDHCを記憶媒体としたデジタルビデオカメラは、デジカメと同様のバッテリーで十分となる。

 そもそも、よほど長時間の撮影でない限り、メモリーは4GBあれば十分である。長時間の場合でも16GBを数枚持っていればよい。私の日常的な使用実績では、4GBを数枚持っていれば通常の環境調査は十分である。

 しかも、SDHCであれば1GBでも16GBでも重さはほとんど変わらない。しかも電力使用量はモーター駆動タイプに比べれば雲泥の差で少ない。

 これにより超軽量なデジタルビデオカメラが実現した。実際、現在市販されているビデオカメラは、1台で約292g(バッテリーを含まず)とウソみたいに軽い。

 一方、HDDやSDデジタルビデオカメラが切り開いたキャプチャー不要のクリップ単位の動画圧縮ファイル方式は、SDHCでもそのまま生きているから、一昔前のビデオテープ時代に比べれば、編集作業は極めて容易である。もちろん、高精度の静止画像も撮影出来るから、デジカメはほとんど不要となる。

 このように、SDHCデジタルビデオカメラは、大容量、重量化の道を歩んできたデジタルビデオカメラを本来の軽量、省エネ、高速化の道に切り替えさせたのである。充電時間がかかり重たいバッテリーも不要となり、HDDビデオカメラのように、どこかにぶつけて壊すリスクも激減した。

 私は過去、ビデオテープタイプとしてソニーのハンディーカム(DCR−HC41NTSC)、ビクターのデジタルハイビジョンビデオカメラ、GR−HD1を、HDDタイプとしてビクターのGZ−MG40−Sそして同じくビクターのGZ−MG505を使ってきた。

 GR−HD1は主にビデオテープ用のデジタルハイビジョンだが、何と1台、40万円以上し大きく重い。 HDDタイプのGZ−MG505にしても10万円弱した。同じくHDDタイプのGZ−MG40−Sはクロアチアのドブロブニクで大理石の道路上の落としてしまい一部が破損した。長時間用のバッテリーは結構重かった。

 そして現在はと言えば、中国製のSDHCビデオカメラ、DVH-A81を使っている。下に仕様を示す。ハイビジョン仕様で主さは約292g(バッテリーを含まず)である。動画の最大解像度は1080i / 60fpsで ,形式は、MOV(Quick TIme)、H.264であり、 静止画の最大解像度:12Mで形式はJPEG DCFである。



DVH-A81 デジタル家電の詳細仕様
種類 DVカメラ
・ 1/2.3”CMOSセンサー 1.00MegaPixel
・ レンズ Wide:F3.5〜F32 f=6.8mm ,Tele:F3.7〜F33.8 f=34mm
・ フォーカス Wide:10cm〜∞ ,Tele:1m〜∞ ,Macro Wide:2〜80cm
・ 光学ズーム:5倍 ,デジタルズーム:10倍
・ 動画 最大解像度:1080i / 60fps ,形式:H.264
・ 静止画 最大解像度:12M ,形式:JPEG DCF
・ 3.0インチ 16:9 TFT液晶(960×240)搭載
・ 128MB FlashMemory + SDHC(〜16GB)
・ I/F:USB2.0 ,AV出力:NTSC/PAL HDMI
・ 電源:Li-ionバッテリーNP120
・ サイズ:57(W)×70(H)×129(D)mm ,重量:約292g

 Windows 7なら拡張子がMOVでも、動画クリップがそのまま読める。またCorelのビデオスタジオ12などの編集ソフトでも、MOV,H.264はそのまま読み込める。キャプチャーが不要なだけでなく、編集作業が格段に楽になった。

 下に各DVCの写真を示す(ただし、ソニーは含まず)。右端が今回購入したDVH-A81。


左からGR−HD1、GZ−MG40−S、GZ−MG505そしてDVH-A81
撮影:青山貞一、Nikon CoolPix S8

 以下は動画から切り出し静止画化した「はな」ちゃん。



 しかも、価格でも革命が起きている。私はこのSDHCタイプのハイビジョン対応DVカメラをアキバのパソコン工房で買ったが、価格は何と1万9千円程度、現在は1万7千円台だ。

 附属している電池は、リチウムイオンのNP120。3.7V,1700mAでバッテリーチャージャーも附属している。