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日本の慈善行為・ボランティア活動

他人への親切は先進国最低
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青山貞一 Teiichi Aoyama
池田こみち Komichi Ikeda
鷹取 敦 Atsushi Takatori

April 29, 2014
Alternative Media E-wave Tokyo
無断転載禁
世界ランク

 この間、継続的に続けています「世界の中の日本ランキング」ですが、ノーベル賞に引き続き、以下の2つを含めました。今回は、池田こみち、鷹取敦両氏の全面的協力をえています。

◆青山貞一:世界各国ランク(10)健康・人口・医療
 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col5761a.htm

◆青山貞一:世界各国ランク(14)寄付・ボランティア・親切
 http://eritokyo.jp/independent/aoyama-col5761f.htm

 とくに興味深いのは、(14)です。 

 このランキングでは、

@チャリティー総合指標
A個別指標1 慈善寄付、
B個別指標2 ボランティア時間、
C個別支障3 他人、見知らぬ人への親切

 以下は上記指標の英文です。


@チャリティー総合(World Giving Index Total)
A個別 慈善寄付 (Donating money)
B個別 ボランティア時間 (Volunteering time)
C個別 他人、見知らぬ人への親切 (Helping a stranger)


の4つの項目につきCAF(Charities Aid Foundation)が世界各国を対象に調査を行いランキングを発表したものです。親切は思いやりと訳してもよいでしょう。

 CAFの2012年度報告書は以下にあります。
 https://www.cafonline.org/PDF/WorldGivingIndex2012WEB.pdf



 2012年度の総合順位ではオーストラリアが第1位となっています。 

 では日本がどうかというと、

@チャリティー総合           145カ国中 85位、
A慈善寄付                 80カ国中 27位、
Bボランティア時間            79カ国中 30位、
C他人、見知らぬ人への親切     79カ国中 73位


とさんざんな順位となっています。いずれの項目も先進国で最低であり、とりわけ他人、見知らぬ人への親切では、先進国どころか79カ国中73位となっています。

 2011年のCAF調査では、総合で日本は105位だったようなので、85位はこれでもずいぶん上昇したことになるようです。

 2012年に上昇したのは3.11(東日本大震災)と関係がありそうです。なお、見知らぬ人、他人への親切では、79カ国中73位と依然として低くなっています。

 CAFは第三者による客観的、科学的調査といっているので私たちがとやかく言えませんが、日本では孤独死などが非常に多いことなどを考えると、79カ国中73位は妥当なのかも知れません。今の日本では、「隣は何をするひとぞ」状態となっていると言っても過言ではありません。

  こうした結果となっている背景には、キリスト教であれ、イスラム教であれ日常的に人々の心の中に宗教心がどれくらいあるか、が大きく関わっているのではないかと思われます。

 自分を犠牲にしてでも人に尽くす精神、人としてやるべきこと、他者に対して責任をもつこと(一種のStewardship)などが日本人には欠けているところがあるのではないでしょうか。

  エゴイズム、私人主義、総じてmeイズム(自分中心主義)、がはびこる今日、個々人が人としての生き方を考え直す必要があると感じさせられる指標ランキングです。

※スチュワードシップ(Stewardship)は、本来宗教用語、キリスト教用語で、自己犠牲を意味します。厳しいこと、ひとがやりたがらないことを率先して行うべきことを意味しています。さらにリスクをとってでも行うという意味でも使われます。以前、飛行機の客室乗務員をスチュワーデス、スチュワードと言っていましたが、その語源もここからきているはずです。