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野生生物と少年の愛情を
珠玉の現地映像でつづる

 

評者: 青山貞一

2006年5月24
日、2007年8月3日拡充


 2006年3月、ウィーン経由でスロバキア、ミラノに行く際、少々奮発してオーストリア航空に乗った。

 オーストリア航空のA300系の最新航空機には、エコノミーにも一席当たり一台の鮮明に写る液晶ディスプレーがついている。これで長旅のなか、音楽、映画、ゲームが結構楽しめる。

 映画の中に、タイトルだけでは全く何の映画かわからないビデオがあった。



 DUMAだ。 ビデオを見てすぐに分かった。

 このワーナーブラザースの映画は、南アフリカを舞台に、アフリカ南部と一部アジア地域に生息する希少な野生生物、チーター(Cheetah)と少年の愛情をテーマにしたものだった。

 DUMAは、スワヒリ語でチーター(Cheetah)を意味する。


 



分類
界: 動物界 Animalia
門: 脊索動物門 Chordata
亜門: 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱: 哺乳綱 Mammalia
目: ネコ目 Carnivora
科: ネコ科 Felidae
亜科: チーター亜科 Acinonychinae
属: チーター属 Acinonyx
: チーター jubatus




写真はいずれもDUMAより


     現在の生息地

分類とともに出典は: フリー百科事典
『ウィキペディア(Wikipedia)』



時速100km以上で疾走するチーター
 
 そのチーターだが、チーターは猫科のほ乳類。2秒で60km/hに到達し、100km/hを超えるスピードをもつ最速のほ乳類だ。

 ただ、超高速を出せるが、持続力はない。そのため、狩猟では一瞬がポイントとなる。

 親の体長はせいぜい1m、しっぽが80cm、他の猫科の大型野生生物と比べるとかなり小型だ。

 しかも、チーターは、ライオンのように群れて生活しない。

 せいぜい親子、夫婦で草原で生活する。群れないからライオンのように複数で獲物を捕るようなこともしない。

 チーターは、いわば孤高の猫科の野生生物にあっても希有な存在といえる。

 そんなチーターだが、違った側面もある。

 ライオン、ヒョウ、ジャガー、トラなど、大型の猫科動物は猛獣と思われているものが多い。

 だが、チーターは人間にすごく懐きやすいそうだ。

 そのチーターがもつ特性からこの映画ができあがっていると言ってもよいだろう。

 見た目は他の猫科のようにどう猛に見えるが、その実、人なつこい愛くるしい面を持っているのだ。
 
 そのチーターも、生まれた直後は写真(最上段)にあるように、本当にあどけなく愛くるしい。

 ところで、映画のDUMAだが、父親と母親と坊やの3人が南アフリカの農場で暮らしていたが、ある時路上で、母親からはぐれたチータの赤ちゃんに出会う。坊やが拾い上げたところから映画のドラマは始まる。

 帰国後、一旦映画のタイトルを忘れてしまったが、最近になってDUMAであることを思い出し、DVDを注文た。昨日、やっと自宅で試写会を行った。

 アフリカの自然、野生生物のなかで少年があかちゃんチータに出ってから別れまで、途中、少年がアフリカの草原に旅に出る。少年は過酷な自然のなかで、生死をさまよいながら、生きることの厳しさと親の愛に目覚める。

 ロサンゼルスタイムズ誌は昨年度(2005年度)のベスト映画と賞している。

 猫好き、猫科ほ乳類オタク、野生生物好き、さらに人間と野生生物の共生に関心があるひと、必見の映画だ。

 ちなみに私は自宅に5.1チャンネルの音響システムを構築している。音響システムとDVD映像を組み合わせ、劇場以上の迫力と高音質の音響でDUMAが楽しめた。

 チーターの見かけの最大の特徴は、目からほほにかけての黒い流れだ。アフリカでは大昔から、この黒い川は、子供をなくした母親チータが泣き続けた結果できたと言い伝えられているという!

DUMAオフィシャルHP
http://dumamovie.warnerbros.com/

青山が撮影したチータ
何とも孤高で精悍だ!

私たちはこのチーターの
写真を独立系メディアの
シンボルとしています!