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こんなことがあってよいのだろうか? そして、なぜ、これほど重大なことを大マスコミはまったく報じないのだろうか? あの村木厚労省局長を逮捕、起訴し、後に証拠の捏造が発覚した前田恒彦元特捜部主任検事のブログ(以下)である。 ★前田恒彦:マスコミが報じない陸山会・虚偽報告書事件の背景 ◆前田恒彦元特捜検事の検事経歴 1996年 東京地方検察庁総務部検事 1996年6月 - 広島地方検察庁刑事部検事 1996年12月 - 広島地方検察庁公判部検事 1997年 水戸地方検察庁公判係検事 1998年 同庁指導係・公害係検事 1999年 大阪地方検察庁公判部検事 2000年 同庁特別捜査部検事 2001年 神戸地方検察庁姫路支部検事 2003年 大阪地検特捜部検事 2006年 東京地方検察庁特捜部検事 2007年 名古屋地方検察庁検事事務取扱 2008年 大阪地検特捜部検事 2010年1月 東京地方検察庁検事事務取扱 2010年10月 懲戒免職 前田氏自身が、マスコミが報じない...という題を付けているように、おそらく今後も、石川知裕元衆議院議員に関連した陸山会・虚偽報告書事件の背景については、まともな報道はないだろう。 しかし、前田氏が上のブログで告白している内容は、本来、大マスコミにとって超第一級のスクープである。 以下はその主要な告白である。とくに重要なのはゴジック部分である。 (1) 田代政弘元検事は、逮捕前に石川知裕氏の取調べを行った際、その供述内容や態度、言動などを記載した捜査報告書を作成した (2) 作成は、捜査主任である木村検事の指示によるものだった(この告白の際、田代政弘元検事は木村検事のことを「キャップ」と呼んでいた) (3) 捜査報告書は、逮捕状の取得に際し、裁判所に提出された証拠の一つだった (4) しかし、その内容は、「逮捕の必要性」を強調すべく、実際には石川知裕氏に「自殺のおそれ」をうかがわせる言動などなかったのに、そうした言動があったかのように記載するなど、事実と異なる虚偽のものだった 衆議院議員だった石川知裕氏が東京地検特捜部の取調べを受けたとき、石川知裕氏は隠してICレコーダーを持っていた。そして取り調べの一部始終を録音していたのである。その結果、田代政弘元検事が作成した取り調べのメモそして捜査報告書は後にまったくの客観性のない捏造であることが判明してしまった。 田代政弘元検事は、取調べ直後、その際の石川知裕衆議院議員(当時)の供述メモを作成したが、その内容は、石川知裕氏が隠し録音した客観的な録音状況に反する虚偽のものだったのである。田代政弘元検事は、そのメモをもとにいわゆる捜査報告書を作成したのである。 しかも、田代政弘元検事が作成した捜査報告書は、真実を記載した証拠の一つとしてくだんの小沢一郎衆議院議員に関する検察審査会に提出され、さらに大久保秘書や石川知裕氏らに係わる裁判の公判でも弁護側に証拠として開示されていたのである。 上記だけでもとんでもないことであるが、上記は、それなりに大メディアにも掲載された。もっぱら、メモそして捜査報告書を捏造した田代政弘元検事は、市民団体から刑事告訴され受理されたが最終的に最高検は不起訴としている!
こんな「記憶の混同」などという言い訳で、衆議院議員が逮捕、起訴され有罪化されている。到底、信じられないことでだ! ここまでが第一ステージである。 閑話休題 ところが、田代政弘元検事の捏造は、上記にとどまらなかったのである。すなわち、 前田恒彦氏の公開ブログによれば、田代政弘元検事は、さらにとんでもないことをしていたのである。 当時衆議院議員だった石川知裕氏を逮捕するためには、国会会期中の国会議員の不逮捕特権との関連で、期日が迫った。そこで田代政弘元検事は、こともあろうか、裁判所に実際には石川知裕氏に自殺の恐れなど無かったにもかかわらず、自殺の恐れがあるなどとして、東京地裁に逮捕状の請求を行い、東京地裁の判事は、その請求を元に衆議院議員であった石川知裕氏の逮捕を認めてしまったのである。 市民団体が最高検に提出した告発状によれば上記は以下のようになる。A氏とあるのは、いうまでもなく衆議院議員であった石川知裕氏を指す。 告発の事実 被告発人両名は、いずれも、平成22年1月当時、東京地方検察庁特別捜査部 に所属する検察官であり、同木村匡良はいわゆる陸山会事件担当副部長、田代政弘は重要な被疑者である衆議院議員A氏の取調官として陸山会事件(政治資金規正法違反被疑事件)捜査に従事し、A氏等に対する強制捜査を目指していたものであるが、A氏に自殺等の自傷加害の恐れがあるとして、裁判官から逮捕状の発布を受けやすくする目的で、平成22年1月13日、被告発人田代において、A氏の取調べを行い、その際の供述内容や態度、言動等に関して、同部部長佐久間達哉宛の捜査報告書を作成するに当たり、行使の目的で、A氏が取調べにおいて、自殺のおそれをうかがわせる言動を行った事実はなかったのに、「小沢先生に申し訳なくて生きていけない」と述べているなどと、自殺のおそれをうかがわせる言動があった旨の虚偽の記載をした上、同報告書に署名押印し、もって、虚偽の有印公文書を作成し、その後、同文書を、A氏の逮捕状請求書の疎明資料として東京地方裁判所に送付させ、これを行使した。 中略 『自殺のおそれ』をうかがわせる言動」などなかったこと A氏が田代の取調べの中で、「『自殺のおそれ』をうかがわせる言動」を行った事実が全くなかったことは、現在、フィリピンに滞在しているA氏から、本件告発人代表である「健全な法治国家のための声をあげる市民の会」会長の八木が電話で確認したところである(添付資料2 電話メモ)。 出典:最高検察庁宛告発状(PDF) 添付資料2 八木啓代電話メモ(平成25年8月3日日本時間午前11時54分) 八木が、A氏に「Aさんが逮捕された理由として、取調べの時に自殺をほのめかすような言動があったという報道がありますが、そのような事実はあったのでしょうか。」と尋ねたのに対してA「そんなことはありません。言っていません」 八木「田代検事の取調べで『死にたい』とか『死んで詫びたい』とか、そういうことは言っておられないのですね」A「そのような状態ではありませんでしたし、ぜったいに、そんなことは取調べで言っていません」 以上 出典:電話メモ資料(PDF) ホームページ上のhtmlやPDFなどの記事や報道内容の大部分は、すでにリンクが外れているが、以下は、虚偽の逮捕状請求の内容を受けて報道された新聞記事の一部である。とかく、マスコミはこの種の問題が起きると、記事のリンクを外したり、報道がなかったかのようにふるまうが、この種の報道によって人権侵害、名誉棄損となることにもっと留意しなければならない。 親ガメこければ子ガメ、孫ガメこけたでは済まされない。民法の不法行為などによる裁判判例では、権利侵害による損害賠償や親ガメこだけでなく子ガメ、孫ガメにまで及ぶことが分かっているのであろうか? 同時に「皆で渡れば怖くない」ではすまされないのである。
<参考>朝日新聞一面記事(PDF) 赤い枠のなかに、「小沢先生に申し訳なくて生きていられない」と 自殺をほのめかす記事がある。下の赤枠内。
実際、多くのみなさんは、テレビ、新聞が石川元衆議院議員が自殺の恐れがあるとして逮捕されたという記事、報道を耳、目にしたことと思う。これがまったくのつくりばなし、嘘、捏造だったのである。 田代政弘元検事は、石川知裕氏の取り調べに際し、まったく事実と異なる虚偽の捜査報告書を作成することにとどまらず、虚偽の理由を書いた逮捕請求書を東京地裁に提出し、逮捕してしまったのである。 東京地裁も東京地裁であるが、もとはといえば、虚偽の逮捕請求をした田代政弘元検事がトンデモナイのである。 八代啓代氏ら「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」による第二ステージの告発は、前田元特捜検事の詳細ブログを証拠として、田代政弘元検事が虚偽の理由により逮捕請求したことに向けられているのである。 ★最高検察庁宛告発状(PDF) ★「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」プレスリリース資料 それにしても、前田恒彦元検事の以下の告発ブログを読むと、日本の検察界は、再起不能なほど、どうしようもなく腐っていることがアリアリと分かる。 最高検は、弁護側から「隠し録音」を入手した早い段階で、再捜査時に田代政弘元検事が作成した捜査報告書の内容が虚偽であることを把握していた。そのまま放置すれば、その文書データが消去されたり、口裏合わせに及んだり、関係者の記憶が徐々に失われていくなど、証拠が散逸するおそれが高い状況だった。しかも、虚偽報告書が実際に真正な証拠として使われ、検察審査会の起訴相当議決に影響を与えたという重大事案であり、陸山会事件の任意捜査から強制捜査、不起訴・再捜査に至る一連の捜査状況に問題はなかったかといった点についても、徹底的に捜査・検証する必要があった。 中略 しかし、最高検は、田代政弘元検事を逮捕するどころか、関係先の捜索すらせず、「記憶の混同」との田代政弘元検事の弁解を十分に追及しないまま、絶対に真相を語らそうとしない捜査に終始した。そればかりか、捜査状況を小出しにリークすることで、処分前の早い段階から「不起訴やむなし」との方向付けすら行った。 確かに、田代政弘元検事が起訴に至れば、小沢議員や石川氏らの公判は確実に吹き飛んだはずだ。また、大阪地検特捜部の証拠改ざん・犯人隠避事件を「大阪特有の問題」という構図で小さくまとめた手前、東京にも同様の根深い問題があるということだと、目も当てられなくなる。関係者も大阪の事案と比べものにならないほど多く、監督責任まで考慮すると幹部の首がいくつあっても足らないし、検事総長が2代続けて引責辞任するという事態にもなりかねない。検察は完全に瓦解する。 中略 そうした中、満期釈放が約1週間後に迫った平成24年5月8日、虚偽報告書事件の捜査主任検事がやってきた。田代政弘元検事らを告発した市民団体が小沢公判における私の証言を引用していることから、私の取調べを行うことになったとの話だった。田代政弘元検事の取調べも主任検事自らが担当しているという。奇しくもその主任検事は、大阪地検特捜部の証拠改ざん・犯人隠避事件に際し、私の取調べを担当した中村孝検事その人だった。 刑事告訴(被害を受けた当人がする場合)、告発(第三者する場合)の時点では、証拠は伝聞でも構わない。警察、検察が受理した後、その証拠が実際に存在するかどうかの事実認定を行い、起訴後、事実が真実であるかを審理する。 もし、告訴、告発段階で伝聞を証拠から一切排除した場合には、多くの場合、当人はまだしも第三者による刑事告訴は不可能となるからである。もとより、警察、検察は、受理した案件については告訴、告発人が顕示した事実について自ら調査する義務を負うことになる。 青山貞一が関与した環境犯罪法に係る水銀などの土壌汚染の事件(東京都八王子市)では、市民団体が私たちの環境総合研究所に調査を依頼し、その結果をもとに警察・検察に告訴した。検察が受理後、調査内容について、検察から研究所(青山)に電話があり、詳細に調査内容、調査結果ついて話した。 本件の場合、事実は、前田元特捜検事が本当に当該ブログを執筆したのか、どうかである。それについて前田元特捜検事に事情聴取を行わねばならない。これを怠るようなら、国民の検察に対する信頼はさらにどん底に落ちるであろう。次に、前田氏が執筆した内容についての関連部分の信ぴょう性についての取り調べである。 前田元検事は、田代元検事と異なり、記憶力は抜群のようなので、前田元検事が思う存分話され、同時にこれを自らICレコーダに録音し、後日、検察の全取調べ内容を全部公開されたし! また、もし検察が市民団体の告発を受理しない場合には、石川元衆議院議員が田代元検事を告訴、また前田元特捜検事が田代元検事を告発すればよい。 いずれにせよ、今の日本に不可欠なのは、取り調べ全過程の可視化である! 最後に 日本社会で正義という言葉が死語となって久しいが、司法がここまで堕落していることは取り返しが付かないと思える。それにしても、前田元特捜検事は、よくぞここまで特捜検察の実態を子細に暴露してくれたものだ。日本のスノーデンである。残念ながら検察や官僚組織の実態は、やはり中にいたものにしか語れない。 ぜひ、過去在籍された特捜部はじめ検察の内部事情、実態を一冊の本に著して欲しいものである! もちろん、YouTubeなどでの告発も大歓迎である。 追伸 この時代、いつなんどき何が起きるかわからない。私たちはいつもICレコーダー、通話録音マイク、デジカメ、ビデオカメラを持ち歩こう! 通話録音マイクは、ソニーから2000−3000円で売られている。このマイクは、通常のイヤホン同様、耳に装着後、その上から携帯、スマホ、固定電話をかぶせて通話すると、自分のことと相手の声が鮮明に録音できる。 録音はICレコーダのマイクジャックに突っ込んで行う。 以下を以下をご覧いただきたい ◆青山貞一:デジタル時代の取材・編集の最前線 |