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厚労省、3月17日に
水道水基準を30倍も
緩和していた!

青山貞一(E-wave Tokyo)

2011年3月26日


 信じられないことだが、2011年3月17日、厚生労働省は医薬食品局食品安全部長通知により、水道水に含まれるヨウ素I−131の基準値を従来日本が遵守してきたWHO飲料水水質ガイドライン値の30倍、セシウムCs−137の基準を従来の20倍と、暫定基準値の名のもと、大幅に規制緩和していたことが分かった。

 もともとWHO飲料水水質ガイドラインが1kg当たり10ベクレル であったものを30倍に勝手に規制緩和していることを知らずか、無視してか、大マスコミは1kg当たり100ベクレル を超えるものは乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しないようなどと連日、新聞、テレビが大々的に報道していたことになる。

 首都圏では清浄な水を求めて市民が右往左往、買い占め騒ぎが連日起きているが、30倍規制が緩和されていたとすると、とっくにWHO飲料水ガイドラインを大幅に超過する水道水を飲まされていたことになる!

 東京都では金町浄水場で300ベクレルを超え大騒ぎとなっていたが、以下を見ると東京都の現状の水道水中のヨウ素I−131は、3月22日以降、WHO飲料水水質ガイドライン(10ベクレル)を大幅に超えていることが分かる!


単位:ベクレル/L

 結局、東京都金町浄水場で水道水中のヨウ素I-131が非常に高い値となり、葉菜などの値も上昇したので、国民のパニックを抑制する目的で、厚生労働省が3月17日付の「食安発0317第3号」により大幅に規制緩和したと思える。

 不勉強で官僚依存の新聞、テレビなどの大マスコミは、100 Bq/kg を超えるものは、乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しないことという部分だけを囂しく報道し、厚生労働省による情報操作による世論誘導の背景や事実を報道してこなかったことになる。これはまさに大本営発表を大マスコミが報道したこととなる!

 また御用学者や専門家と称するひとびとも、知ってか知らずか、厚労省など政府の情報操作による世論誘導に荷担し、「直ちに健康に問題ない」を背景も説明せず繰り返してきたことになる。

 2011年3月17日までの日本が遵守してきたWHO飲料水水質ガイドラインは以下の通り。

●2011年3月17日まで日本が遵守してきたWHO飲料水水質ガイドライン

・ヨウ素 I-131 
 10ベクレル(Bq/L) 
・セシウムCs-137
 10ベクレル(Bq/L )
・出典は下記。203-204ページ、表9-3参照
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf

日本には放射能に関する飲料水基準は無く世界保健機関(WHO)基準相当を遵守していた。

●2011年3月17日以降の日本の暫定基準値

・ヨウ素(I-131)131  300ベクレル(Bq/kg)
 飲料水 300 Bq/kg

・セシウム(Cs-137)137 200ベクレル(Bq/kg)
 飲料水 200 Bq/kg
 
※100 Bq/kg を超えるものは、乳児用調製粉乳及び直接飲用に供する乳に使用しないよう指導すること。

 またセシウム-134とセシウム-137の合計値が370Bq/kgを超える野菜類、乳製品類、肉・卵・魚その他の食べ物は輸入させないという世界保健機関(WHO)基準相当を遵守してきたはずだが、厚生労働省は以下にあるように大幅に勝手に変更している。

・ヨウ素(I-131)131 
 牛乳・乳製品 300 Bq/kg
 野菜類 (根菜、芋類を除く。 ) 2,000 Bq/kg


・セシウム(Cs-137)137 
 牛乳・乳製品 200 Bq/kg
 野菜類  500 Bq/kg
 穀類  500 Bq/kg
 肉・卵・魚・その他 500 Bq/kg


●厚生労働省医薬食品局食品安全部長通知

平成23年3月17日付「食安発0317第3号」によって放射能汚染された食品の取り扱いについて下記のとおり飲食物摂取制限に関する指標が明示された。

緊急時における食品の放射能測定マニュアルの送付について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001558e-img/2r9852000001559v.pdf