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  3.11以降の日本H
  
  日本国民の幸福度は

  世界で
43位!
            青山貞一
             政策学校一新塾代表理事
            掲載月日:2012年3月22日
                  独立系メディア E−wave Tokyo

             無断転載禁

 以下は、2012年3月20日、東京都港区にある政策学校一新塾で代表理事、青山貞一が行った基調講演の一部である。今後、何回かに分けて基調講演の内容をお伝えしてゆきたい!




ミニ講義をする青山貞一、東京港区に政策学校一新塾にて
2012.3.20

●ミシガン大学による日本国民の幸福度は世界43位!

 あまり知られていないが、ミシガン大学は幸福度という社会指標にもとづいて世界各国をランキングしている。これはブータンが第一位の幸福度ランキングとは異なり、本格的なものだ。

 ミシガン大学の幸福度ランキングでは、日本は何と43位である。GDPで世界2位、3位にあり、これほど勤勉な国民が43位とは驚きである。 



 もう少し詳しく見るとミシガン大学社会調査研究所が、世界97か国(世界人口の90%が在住)の幸福度ランキング調査し2008年に結果を公表している。

 ミシガン大学の社会調査研究所のランキングによると、第1位はスカンジナビアのデンマーク、第4位がアイスランド、米国は第16位、わが日本は第43位であった。


春から秋の季節のコペンハーゲンの景観
出典:Wikipedia


コペンハーゲンの中心部にあるクリスチャンボー宮殿の前の池田さん
 撮影:青山貞一 Nikon CoolPix S8  15 Feb. 2010


ミシガン大学の幸福度調査で世界一位となったデンマーク コペンハーゲンの風景
From Wikipedia, the free encyclopedia

 日本のあとに、第44位でスペイン、第46位でイタリアがあるが、いわゆる経済先進国のなかでは、底辺にあることが分かった。

 興味深いことは、東南アジア諸国、たとえばタイは第27位、ベトナムは第36位、フィリピンは第38位、インドネシアが第40位などとなっていて、何と何と日本より幸福度で上位にいるのである。

 ミシガン大学社会調査研究所のロナルド・イングルハート氏(政治学)は、幸福度は経済成長とも関係があるが、同時に、その国の民主主義、寛容性、組織や社会のなかでの個人の自由や価値観への寛容性と密接な関係があるみている。

 同時に、上記の東南アジア諸国のように国民所得は低いものの、家族と繋がりが強く、食べ物の種類が豊富、さらに言えば気候が温暖な国々な国々の「幸福度」が高いことも分かった、という見方もある。


 いずれにせよ、重要なことはGDPなど経済、所得以外の社会的要素が幸福度に大きく影響、作用していることを私たちは認識する必要がある。

世界の国民幸福度ランキング 日本までの順位
1位 デンマーク
2位 プエルトリコ
3位 コロンビア
4位 アイスランド
5位 北アイルランド
6位 アイルランド
7位 スイス
8位 オランダ
9位 カナダ
10位 オーストリア
11位 エルサルバドール
12位 マルタ
13位 ルクセンブルグ
14位 スウェーデン
15位 ニュージーランド
16位 米国
17位 ガテマラ
18位 メキシコ
19位 ノルウェー
20位 ベルギー
21位 英国
22位 オーストラリア
23位 ヴェネズエラ
24位 トリニダード
25位 フィンランド
26位 サウジアラビア
27位 タイ
28位 キプロス
29位 ナイジェリア
30位 ブラジル
31位 シンガポール
32位 アルゼンチン
33位 キプロス
34位 マレーシア
35位 ドイツ
36位 ベトナム
37位 フランス
38位 フィリピン
39位 ウルグアイ
40位 インドネシア
41位 チリ
42位 ドミニカ
43位 日本
44位 スペイン
45位 イスラエル
46位 イタリア
47位 ポルトガル
48位 台湾
50位 スロベニア
....
88位 ロシア
89位 グルジア
90位 ブルガリア
91位 イラク
92位 アルバニア
93位 ウクライナ
94位 ベラルーシ
95位 モルドバ
96位 アルメニア
97位 ジンバブエ


●日本の「国民幸福度」はOECD 34カ国中、第19位

 似たような幸福度に関するランキングが、OECDによって行われている。OECDは経済協力開発機構と言い、世界の金持ち国の集まりだ。米国、日本、EU諸国など34カ国が加盟している。

 そのOECDの「国民幸福度」ランキングでも、日本は加盟国34カ国中第19位となっている。OECDの国民幸福度ランキングの上位国は、第1位が オーストラリア、第2位はカナダ、第3位がスウェーデンとなっている。

 34カ国中19位とは??である。

◆国民の幸福度1位は豪州、2位カナダ…日本は?

【パリ=中沢謙介】

 経済協力開発機構(OECD)は24日、各国の生活の 豊かさを示す新たな指標「より良い暮らし指標」を発表した。

 国民の幸福度を国際比較することを目指しており、国民生活に密接に関わる 住居や仕事、教育、健康など11項目を数値化した。

 11指標の平均でトップはオーストラリアで、カナダ、スウェーデンが続いた。 日本はOECD加盟34か国中、19位だった。

 国の豊かさを示す指標には、どれだけ多くのモノやサービスを生み出したかを表す国内総生産(GDP)があるが、新指標は国民の実感に近い豊かさを示す狙いがある。 日本は11指標のうち、殺人や犯罪の発生率に基づく「安全」が10点満点で9・7と ECD加盟34か国中トップ。

 だが、「ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)」はトルコ、メキシコに続くワースト3位だった。

読売新聞 2011年5月24日19時59分


 ただひたすら経済、経済、欧州諸国からエコノミックアニマルと嘲笑されながらも、一丸となって働いてきた結果が世界で43位、金持ちクラブでも19位とは驚きである。

 私は過去50カ国以上を現地調査、学会発表などで訪問してきたが、確かに実感するのは経済的に貧しくても歴史、文化を大切にし、家族や友人とのつながりを大切に生活をエンジョイしている国がEUには多数ある。

 スカンジナビア諸国、カナダ、オーストラリアなど、自然や環境を大切にしながら生活の質を重視し、教育に力を入れている国もある。

 実はそのような国々は、幸福度ランキングでも上位にいるのである。

 つまり、バカの一つ覚えのように経済、経済だ、成長戦略だと言っている国とは異なり、それらの国々では、もちろん経済は重要だが、何よりもそこに生活するひとびとの毎日が楽しく、明るく、お年寄りも活き活きとしていることこそが大切なのである。

 ミシガン大学、OECDいずれの調査でも日本国民は、到底、幸福と感じていないことが分かる。
 
 この種のランキングは、政府はもとよりその御用学者、政府の広報機関と化している御用マスコミから国民には報じられないのである。

 それにしてもこういう重要な事実を伝えない日本のメディアって一体何なんだろう!

つづく