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政治資金収支報告書等に見る
政党・政治家の非常識
第4回 原発推進議員への献金(民主党)


青山貞一
東京都市大学大学院
(専門:公共政策論)

掲載月日:2011年12月6日
 独立系メディア E−wave Tokyo


 原発推進議員は、何も電力会社幹部や電力産業労組だけでない。 日立、東芝など原発メーカーやその労組も、原発を積極推進するために国会議員を利用してきた。

 民主党の大畠議員は社会党議員時代から原発を一貫して推進してきた。

大畠章宏 衆議院議員 民主党 

 大畠議員は大学院卒業後、日立製作所に入社。原子力発電所プラントの設計及び建設業務に従事した。1978年より2年間、労働組合専従役員として活動。1986年に茨城県議会議員当選。城地豊司代議士の死去に伴い、日立労組後継候補として1990年の第39回衆議院議員総選挙で当時の日本社会党から初当選。1995年には村山内閣で通産政務次官を務めた。1996年に旧民主党に移籍し、1998年の民主党結党にも参加した。2009年9月、鳩山由紀夫の内閣総理大臣就任に伴い鳩山グループ会長に就任している。

 その後、民主党が政権を奪取してからは経済産業大臣、国土交通大臣などを歴任している。

 以下は、大畠議員と原発政策との関連を書いたみんなの政治のひとこまである。

民主党原発政策を180度転換させた張本人

 彼はそれまで原発を恒久的なエネルギー源としては消極的だった民主党のエネルギー政策を、一転して原発推進に180度転換させた張本人です。

 それはそうです、原発企業日立の社員として勤務し、その組合専従から政治家に転身した人物ですからね。
 日本の原発は、そこから出る放射性廃棄物の処理もできていないのに、まず原発ありきの政策を霞が関が立案し、子飼いの政治家が推進するという歪な構造で推進されてきたものです。

 各電力会社は通産省の天下り場と化し、癒着する原子力関係企業が支えるという構図です。

 また毎年数千億円もの巨費が原発対策費として予算計上させられてきたのです。
そういうなかで政権交代後の民主党のなかに原発推進議員として送り込まれてきたのが大畠議員です。
今度の福島原発でついにその安全性神話が崩壊し、危険な立地に原発を建設し、また津波の危険性は国会等でも指摘されていたのに対策を後回しにしてきた欺瞞が今日の国民の生命をも脅かす大事故に結びついているのです。

 大畠議員の責任もとても重いと思います。

出典:みんなの政治 選挙区 茨城第5区

 大畠議員への関連労連からの政治献金については、以下もある。

■地球エネルギー環境経済研究会(大畠章宏衆議院議員関係政治団体)

 大畠議員の本年の収入額は  14,685,795円。 内訳で額の大きいものは、資金管理団体「地球エネルギー環境経済研究会」が政治経済セミナー朝食会を開き978万円を集めている。

朝食会で978万収入…大畠氏、経産相在任中にhttp://www.yomiuri.co.jp/national/news/20111130-OYT1T01075.htm

 大畠章宏衆院憲法審査会会長(茨城5区)の資金管理団体が、経産相在任中の昨年12月7日、東京都内のホテルで開催した朝食会で978万円の収入を得ていたことが2010年分の政治資金収支報告書でわかった。

 「大臣規範」は大規模な政治資金パーティーの開催自粛を求めているが、大畠氏の事務所は「大臣になる以前から毎年パーティーを開いており、大臣規範を考慮して朝食勉強会に切り替えた。問題ないと考えている」としている。

 報告書によると、資金管理団体「地球エネルギー環境経済研究会」が政治経済セミナー朝食会を開き、大畠氏の国政報告会を実施。200人を超える参加者が集まった。

(2011年11月30日21時31分  読売新聞)




 大畠議員関係団体の政治資金収支報告書をみると、上記の「朝食会」以外にも、比較的大きなものとして電力・電機関係と思われるものや出身大学の都市大学長(元は武蔵工業大学)からも50万円の寄附がある。

●大畠章宏: 2,373,300
●幡谷祐一: 1,000,000
 会社役員 水戸市常磐町2-8-11
 茨城県信用組合 理事長
●中村英夫 500,000
 大学教授 世田谷区玉堤1-28-1

 さらに以下は大畠議員の政治資金収支報告に関連する情報である。

■政党交付金使途等報告書 平成22年分 定期公表
http://www.soumu.go.jp/senkyo/seiji_s/seijishikin/reports/KP08F20110930.html

 収入は、民主党本部から10,000,000円のみ。

 一方、支出は半分が人件費、半分がが家賃(細かい支出は他にもありますが)で「(株)友愛日立」に毎月31万円払っている。(日立市鹿島町1-11-13)(これとは別に毎月7万円の家賃を田口俊男氏、北茨木市磯原町本町2-3-11に払っ
ている。)

 この会社名を検索したところ、朝日新聞・政治資金で家賃、それっていいの? 明細公表で対応二分
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201012010207.html?ref=reca
という記事に、大畠氏の事務所がこのビルに移転したのは06年11月。売却を希望する当時の持ち主の意向で、大畠氏の妻名義で購入し、妻に家賃を支払ってきた。ところが、06年末から07年にかけて事務所費問題が注目され、「妻への家賃支払いで疑惑を持たれては」と、ビル所有のための会社を新設することになっ
た。

 会社は「友愛日立」。地元事務所の幹部、大畠氏を支援する日立労組の幹部、税理士の3人が出資し、08年12月に設立された。事務所や不動産登記によると、その直後に地元の信用組合から2700万円を10年ローンで借り入れ、大畠氏の妻からビルを買い取った。大畠氏はローンの連帯保証人になっているという。

という記載がありました。自分に払っているようなものだ。

 民主党本部から来た1千万円をほとんど使い切っているので、それに合わせて人件費と家賃を決めたのだと思われる。


つづく