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闇に消えた虐殺

~731部隊・細菌戦の真実~


2: 731部隊の悪夢
 

出典:テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年
 

 
青山貞一 Teiichi Aoyama 池田こみち Komichi Ikeda 共編
September 30, 2017
独立系メディア
E-wave Tokyo
無断転載禁


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■2: 731部隊の悪夢
    〜人体・実証実験から細菌爆弾の投下まで〜

 湖南省常徳、洞庭湖に近いこの町にも1941年11月4日、日本軍の飛行機が現れ、蚤や穀物が投下された所から、ペストの流行が始まった。日本軍機が投下したものと、ペスト、この間に確かな因果関係があるのだろうか。

 単なる風土病ではないのか。当時、中国の赤十字会は、ペストの専門家たちを現地に派遣した。55年前のそのメンバーの一人、葉教授は今も健在、当時のことを鮮やかに記憶して居た。


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


葉 天星教授(上海第2軍医大学細菌学主任)


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


Q.蚤はいましたか?
 「患者の皮膚には蚤にさされた跡があった。紙で包んだ物が空から落とされたのだ。」


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 

Q.紙の堤を見たか?
 「見ました。小麦などネズミや蚤の餌になるような物が包んであった。」


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


(当時書かれた報告書でも日本軍とペストの関係を認めている)


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 

 やはり日本軍機の落とした蚤とペストは関係があるという。となると、疑惑の目は日本の細菌戦部隊731部隊に向く。

 1937年7月(盧溝橋事件) 日本陸軍はついに華北、北京郊外で武力衝突、華中では上海から上陸して南京を陥落、日中両国は全面戦争へ突入した。戦線の拡大につれ、物資の不足は深刻な物となっていた。

 石井四郎。京都帝大出身の細菌学者で軍医学校の教官。彼は、ハーグ条約やジュネーブ議定書で国際的に禁止されている生物兵器に逆に目を付けた。細菌の培養に金はかからない、勝手に伝染していって大量の被害を与える。鉄資源の乏しい我が国にあっては最も有効な兵器である。


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


 石井の提唱は陸軍中央を動かした。軍医学校に研究室が設けられ、中国東北、黒竜江省背陰河の片田舎で、密かに石井達軍医は中国人の捕虜を使って人体実験、細菌戦の研究を続けた。


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 

 大本営の作戦主任参謀(中佐)だった朝枝繁春、彼がテレビカメラの前で初めて口を開く。過去の亡霊を蘇らせないために、敢えて当時の姿をして語るという。


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


◆朝枝氏

 「まず、懺悔ありきと反省ありきと、率直に反省して、まずそれから平和を論じようと、世界平和を念ずるが故に僕は懺悔をしている。帝国日本陸軍がやった懺悔録の中の一コマですから、1頁ですから。731部隊は」

Q.731部隊にどんな役割を持たせようとしたのか。軍事目的は?

◆朝枝氏「対ソ作戦上、細菌戦を考えていた。」


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 

 1936年、部隊は天皇の勅令に基づき、表向き「関東軍防疫給水部」として正規の部隊となる。ハルビン市南東24キロの平房に住民を立ち退かせて広大な施設を建設した。中心は形の上からロ号棟と呼ばれた100m四方のビルで、中には細菌の研究室と培養、製造のセクションがおかれていた。

 国内から有数の細菌学者、病理学者、軍医が集められ、様々な細菌や病理の研究が行われた。ペスト、チフス、炭疽病。部隊には飛行場と飛行機、学校やテニスコート、神社(東郷神社)、プール、農場まで備えられ、3000人を収容する宿舎はすべてセントラルヒーティング、列車の引き込み線まで設けられた。この極秘の部隊には、1940年当時、年間に1000万円、今の90億円の予算が会計検査院の検査なしに出ていた。


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


◆朝枝氏
 「あの部隊には金がいる。予算は「軍令陸甲」という区分で、これは統帥系統に基づく予算措置であるから、これは大蔵省の会計検査院は指一本触れることが出来ない。」

 軍としては、関東軍が管轄。竹田宮(昭和天皇の従弟)も関東軍参謀として管轄。隊員の給料や食料、被服などは関東軍から支給された。


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 



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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 

 部隊のロ号棟の中庭には、400名の囚人を収容できる特設の監獄が二棟あり、日本軍に抵抗したとして捉えられた中国人、ロシア人、朝鮮人、モンゴル人などが収容された。これらの人たちは、「マルタ」と呼ばれ、一本二本と数えられ、様々な人体実験に使われた。

◆監獄の看守だった元特別班員の証言


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   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


Q.中ではどんな格好でいるんですか。
「お医者さんが着ているような白衣を着ていた。拳銃をぶら下げて。」

Q.暴れたりしたことは?
 「そういうこともあったでしょうね中には。人間だから。逃がさない。銃撃戦でも何でもやるほかはない。」

 部隊で蚤の飼育をしていた一人の隊員がこの7月なくなった。これは生前写した
ビデオテープ。

 ペストのみの研究をしていた元班員・老人は死の前に息子にすべてを打ち明けて
逝った。

◆蚤の飼育をしていた隊員

「ペスト菌に感染させた蚤は、数匹を試験管でペスト菌に感染した血を吸血させて、それをまた、捕虜に吸血させた。それでその捕虜がペスト菌に感染したかどうかを調べるのが役目だった。それを主にやっていました。」


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 



出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 


 部隊から西北へ120キロ、(安達演習場の図面)安達にあった屋外実験場。ここで
マルタと呼ばれる人々を杭に縛り付け、飛行機から陶器製の細菌爆弾を落とす実験を繰り返していた。

安達演習場担当の元検索班員

Q.投下すると、だいたいどうなるのですか。
 「瀬戸物ですから、粉々になってバーっと飛び散ります。(マルタに番号がふってありますから)自分にあてがわれた担当の番号のところにさっと飛んで行って、どのくらいの破片がついていてどうだったか、ということを調べてくる。」




 実験を繰り返した結果、ペスト菌が最も有効だと言う結論に至る。1945年に入り、戦況はいよいよ切迫。ネズミを大量に飼育して蚤の増産を急いでいた。が、しかし1945年8月9日ソ連参戦。朝枝主任参謀は、大急ぎで参謀長名で石井四郎に電報を打った。

◆朝枝氏
「人間を使って細菌と毒ガスと実験をやっていたと言うことが世界にばれたら偉いことになると。直に天皇に(戦犯訴追が)来る」




 朝枝参謀長はすぐさま満州へとんだ。飛行場の格納庫の中で密かに会った石井四郎に直ちに命令した。

◆朝枝氏
「貴部隊の過去の研究並びに研究成果、それに伴う資材、一切合財、完璧にこの地球上から永久に抹殺、消滅、証拠隠滅してください。と」


出典:闇に消えた虐殺〜731部隊・細菌戦の真実
   テレビ朝日、ザ・スクープ 1998年 

 この命令によって部隊はことごとく破壊され、監獄にいた400人を超すいわゆるマルタを毒ガスで殺し、焼いた灰を初花江の河に投げ捨てる。しかし、研究のデータだけはこっそり隠し持っていち早く逃走。日本の各地に潜伏していった。この731部隊がペスト蚤を作り投下の実験をしていたことは間違いない。しかし、実際にそれを攻撃に使ったのだろうか。

−−CM後、−いま明かされる細菌戦の真実−

 
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