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◆議事録開示請求の経緯 国民の関心が高い放射性物質で汚染された瓦礫の処理について検討する環境省の「災害廃棄物安全評価検討委員会」が非公開、議事録も公開せず(議事要旨のみ掲載)開催されている。第4回までは開示請求により60日待たされたあげくようやく議事録を入手したものの、第5回以降は議事録の作成さえしていないという問題について下記に報告した。 ■環境省の信頼性損なう正当性のない意思決定手続き開示された議事録については、環境省に代わって下記に掲載したので、是非、ご覧いただきたい。 ■災害廃棄物安全評価検討委員会その後、第5回、第6回分の議事録を2011年9月22日に開示請求したところ、9月26日に情報公開閲覧室の畑中氏より電話があり「議事録は第4回までは、外部の速記会社に委託して作成していたが、第5回以降はその必要がないということから、事務局が自分たちで議事概要を作成するだけとなっている」との連絡があったところまでを前回報告した。 そうこうしているうちに第7回が9月25日に、第8回が10月10日に開催されている。(10月10日には災害廃棄物安全評価検討委員会と環境回復検討会の第1回合同検討会も開催されている。) ◆非公開、不存在で自らを「忙しく」する環境省 第5回、第6回の議事録が作成されており不存在であるのが事実なら、不存在を理由とした不開示決定をすぐに出せるはずであるが10月12日にいたるまで請求以来3週間、開示決定(不開示決定)が届かないので、情報開示閲覧室の畑中氏に電話をした。 9月26日に議事録を作成していない旨連絡をいただいたが、不開示決定が未だに届いていないことを伝えたところ、畑中氏は少し慌てた様子で、今、決済をしている最中なのでもう少し待って欲しい、今週中には決定を出せると思います、ということであった。 当初の議事録の開示請求の際も、すでに作成済みの議事録の開示決定に当初の30日を超え60日間待たされた。過去の開示請求でもやはり60日間待たされている。環境省は今回も30日間待たせてから開示決定なり延長の連絡をしようとしているのではいかと尋ねた。ちなみに今回、同時期に他省庁に請求したものは30日で開示決定されている(黒塗りばかりなのが問題なので不服申し立て中)。 情報開示閲覧室 畑中氏は、環境省の担当部局は今非常に忙しく決済にも時間がかかっている、環境省は新しい省庁なので人員が不足して徹夜で仕事をしている、議事録も議事要旨も作成してすぐに出せるのではなく、委員を回覧して間違いがないことを確認していからでないと出せない、などと釈明した。 検討会を非公開とし、議事録をウェブに掲載しないから、開示請求に対応する手間がかかるのであって、最初から公開、議事録も掲載していれば、忙しくなるのも回避できるはずである。担当部局が自ら忙しくしているようなものである。その旨伝えたところ、畑中氏は、それは私のところ(情報公開閲覧室)で決めることではないので、と口をにごした。 議事要旨を作成するためには、実務として録音をしておき、取ったメモが間違いないかどうか確認する必要があるのは当然である。議事録を作成していないのであれば、後日、録音データで専門家の発言を確認する必要が発生する可能性もあろう。ボイスレコーダ1つ置いておけば済むことをしていないのであれば、担当者の不作為である。畑中氏も第5回以降の録音の有無は言及しないものの、議事要旨作成の際の確認用の「念のため録音」していたこと、公開の予定はなかったものの速記業者に委託して議事録を作成していたことは認めた。第5回以降はメモだけで十分であることが分かったので議事録は作成していない、と担当部署は説明しているという。 税金で開催し、国民の生活に深く関わり、関心も高い検討会における専門家の発言の記録が議事要旨だけでいいわけがない、そもそも公開であるべきだし、議事録もウェブに掲載すべきである。そうすれば開示請求への対応も不要となり、ますます忙しくなることも避けられたと指摘し、議事録が開示されなければ録音データを開示請求する旨伝えた。 畑中氏は録音データは担当者が念のため録音したものであり「組織共用文書たる性格を持っていない」(※掲載後、畑中氏より電話で訂正依頼があったため「私的」という表現を訂正しました。ご連絡ありがとうございます。 2011/10/12 14:01)ため、行政文書とは解釈していないので開示の対象にならないようなことを言っていた。そもそも業務のために録音したものであるから「組織共用文書でない」というのはおかしい。本当に議事録を作成していないのであれば、録音データをCD-ROMにコピーして開示すればいいだけだから、担当部局の手間も大してかからない。録音そのもので「聞き取り間違い」はありえないから委員に回覧する必要もない。 議事録を開示しなければ不服申し立てをするし、それで開示されなければ、裁判をしてでも、国民、納税者、有権者の権利として議事録開示を請求する旨を伝えた。開示しないことでますます担当部署が忙しくなるだろうが、それは自業自得ではないだろうか。この種の委員会、検討会は原則として公開、議事録もウェブに掲載すべきだからである。 このような閉鎖的な検討会で決定された事項にはなんら正当性は見いだせない。細野大臣が本当に国民のことを考えているのであれば、傍聴者も入れた公開の議論として仕切り直すべきである。 本日、第5〜8回の録音データと、第7、8回の議事録を開示請求する予定である。 |