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災害廃棄物安全評価検討会
(第5〜7回)
議事録は掲載されたものの

環境行政改革フォーラム 事務局長 鷹取敦

掲載月日:2012年5月1日
2012年5月2日最終更新
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 環境省が災害廃棄物安全評価検討会の第5〜7回までの議事録を、ウェブサイトにようやく掲載した。これらはこれまで報告してきたように、筆者の開示請求に対して、環境省が議事録は不存在、録音は不開示としてきた回のものである。

http://www.env.go.jp/jishin/index.html
(ウェブ魚拓:http://megalodon.jp/2012-0501-1808-25/www.env.go.jp/jishin/index.html

 環境省は3月22日に第1〜4回までの議事録をウェブに「こっそり」掲載していた。これは参議院予算委員会で細野大臣が第1〜4回は「公開している」と答弁した3月14日の1週間後である。筆者は「こっそり」掲載したことは説明責任も何も果たしていないと批判したところ、第5〜7回の掲載と当時に下記のように議事録掲載日を掲載した。

災害廃棄物安全評価検討会:議事録等について
http://www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/gijiroku.html
(ウェブ魚拓:http://megalodon.jp/2012-0501-1808-00/www.env.go.jp/jishin/attach/haikihyouka_kentokai/gijiroku.html
災害廃棄物安全評価検討会:議事録等について
平成24年3月22日 第1回〜第4回の議事録を掲載しました。
平成24年5月1日  第5回〜第7回の議事録を掲載しました。

 掲載日は載ったが、なぜこれまで掲載していなかったのか、どうして掲載するに至ったのか(具体的には開示請求され不開示処分したこと、異議申し立てがあったこと、参議院予算委員会で指摘されたこと、大臣に誤った答弁をさせたこと等を含めた正確な経緯)、そしてその反省は全く表明されていない。批判されたことに最低限応えておけばよい、との態度でしかない。

 第7回までの議事録を掲載された2012年5月1日現在というのは、すでに広域処理引き受け自治体も県単位では名前が挙がっており、広域処理基準も決めてしまった段階である。つまり既成事実を固めた段階での「公表」であり、政策決定における透明性としては著しく不十分である。不十分ながら公開したという認識があれば、その説明と反省が無いと国民には何も伝わらない。相変わらず説明責任のなんたるかを理解していない、としかいえない。

 なお、第8回以降は不要であると判断したので(ICレコーダのボタンを押すだけでお金もかからない)録音すらしていないと、環境省は筆者の異議申し立てを検討する情報公開・個人情報保護審査会(内閣府)に意見書送付に釈明している。これが事実なら第8回以降は後付けの議事録すら作成できないことになる。筆者はこの問題について、環境省は取り返しのつかないことをしていると評していたが、まさにそのような事態に環境省は直面していることになる。

 環境省はこの問題(第8〜12回の議事録を作成できない問題)に対する認識、今後どうするかの説明を一切していない。

 環境省が今回の災害廃棄物処理にかかわる混乱、国民の間に亀裂を作ってしまったことに対する反省を踏まえ、政策決定、合意形成に、透明性、参加、代替案の検討が必要だと認識しているのであれば、そのことを率直に表明することなしに国民の信頼を回復することは出来ないし、いまだ未解決の広域処理に関わる混乱に対処することも出来ない。

 まして、そのような環境省に原子力規制庁を任せることわけにはいかない。

 ちなみに昨年春から議事録開示請求を続けてきた筆者には、議事録を公開しましたとの一報すらない。

追記:
 公開された議事録をみると、議事録が開示請求されたことの報告が無い。それどころか第6回の議事録(P.31)に下記のような発言がある。第5回から議事録作成をやめたのことを委員が知らないということになる。委員に無断で議事録作成をやめ、その報告すらないということがあってよいのだろうか。
○大迫委員 議事録に残るので、70 年間という数字はセシウムだけ考えていて、134、137が半々入っていたときの数字ということだけ言っておきます。
 非公開、議事録不開示の責任は委員にもあると思っていたが、どうやら事務局(環境省)の独断の可能性があるように思われる。