欧州紀行奮闘記 (その1:ウィーン) 青山 貞一、池田こみち 環境総合研究所 |
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はじめに |
ウィーンの朝市 |
ウィーン旧市街にある建築学会ビル |
ホーフブルグ王宮内の馬車 |
ウィーンの地下鉄路線図。小さな都市だが、東京並みに 整備されていてタクシーはほとんど不要だ。路線の真ん中 がステファン寺院駅となる。(赤と橙の交点) |
9時前になったのでホテルにU4という地下鉄で帰る。ピルグラム駅はここから2つめだ。ホテルに帰り少し待つとと、シュタイナー親子が車で私達を迎えに来ていた。4人で車に乗り、ウィーンで最新の都市ゴミ焼却施設の現場に向かう。奇妙なデザインをした煙突が見えてくる。その焼却施設は、日量600トンを処理する。煙突だけでなく、建物も実に奇妙なデザインだ。入り口でシュタイナーさんが手続きをとる。中にはいるとどこでもそうだが、プレゼンテーションルームに案内され、VTRで説明を受ける。このVTRはあとで実物を貰った。 この焼却炉は最新のもので、立派な脱硝システムがついていた。EU諸国ではこの脱硝システムがダイオキシン削減に大きな役割を果たしていると言う。工場内部もくまなく見せて貰う。オーストリアでは、焼却炉の廃熱は地域暖房用に使っており、廃熱利用のネットワーキングシステムが市内に広範囲に広がっている。またゴミ発電も行なわれ、その発電量の1/3を工場内部で使うほかは、商業電力ネットワークシステム(系統電力)に買電していた。 |
新焼却施設事務棟の入り口にて |
ユニークな煙突をした最新のゴミ焼却施設 |
工場見学後、シュタイナー親子の好意で昼食をウィーンタワーの展望回転式レストランでごちそうになる。 |
ウィーンタワーレストランでの昼食。 ここのカツレツがおいしかった。 |
おもしろい形をしたウィーンのリサイクルセンター |
工場見学後、シュタイナー親子の案内でステファン寺院近くから徒歩で市内見学を行なう。ステファン寺院内部に入った。ステファン寺院の横にある銀行の壁に、シュタイナーさんらがかかわったウィーン市の大気汚染濃度掲示板、それも常時監視結果の掲示板があった。費用は銀行が出したという。最後は、ウィーン市役所前だ。ここには1000名の観客座席を持った野外ステージがあり、毎夜音楽会をしているという。時間が早く、まだ観客は集まっていなかったが、ウィーンフィルのニューイヤーコンサートはじめ著名な音楽家、指揮者による演奏もここでは、無料で楽しめる。 |
ウィーンの名所、ステファン寺院 |
ステファン寺院横の銀行の壁に取り付けられた 大気汚染濃度常時監視表示板 |
ウィーン市役所前の野外コンサート 時間が早くまだ観客は集まっていなかった。 |
ウィーン市役所からホテルに一端もどり、午後7時30分にホテルでシュタイナー親子とまちあわせ、ディナーにでかけた。わたくしはスパゲッティ(700円ほど)を注文した。すごくおいしいトマト味のスパゲティーだった。長旅で疲れていたこともあり、軽めの夕食となったが、ラザニアやスパゲッティなどのイタリア料理もこのレストランではオーストリア風にアレンジされており、おいしかった。 8月9日 ウィーン2日目 |
毎年ウィーンフィルのニューイヤー コンサートが開かれる楽友協会 |
午前9時にシュタイナー親子がアナナスホテルまで車で迎えにくる。午前中は、ダイオキシン排ガスの連続モニタリングシステム(DMS)が設置されているウイーン西部のシェーンブリュン宮殿郊外にある設置後37年もたつ古い焼却炉を見学に行く。マリアテレサの居城、シェーンビュルグ宮殿近くにある。日量700トンの大型炉である。煙突は150mくらいあると言う。 |
シェーンブリュグ宮殿近くの古い焼却施設 ここにシュターナー氏の会社の排ガス連続モニタリングシステム(DMS)がついている。 |
到着後、シュタイナー氏が手続きをすませ、工場内に入った。集合煙突部分にサンプリングのプローブユニットがある。その場所には他の汚染物質のセンサーも多数設置してあった。昨日工場で見たのと似たシステム一式が設置されていた。さらにインターネット・システムを使ったネットーワークを見るため工場内の管理室に入ってみた。作業員が実際にCRT画面を見せてくれた。彼は、このシステムを導入して大変楽になったと話していた。ドイツでは、AMESAのような連続サンプリングシステムの導入の背景に必ずといってよいほど市民運動が展開されていたが、ここでは市民のダイオキシン問題への関心はそれほど高くなく、この焼却施設でも、施設側のニーズから同システムを導入したという。工場周辺は丘陵地となっており、戸建て住宅が広がる良好な住宅地でもあり、日本的な感覚からすると、市民の反応が相当厳しいのではないかと思われたが、以外に関心は低く事業者への信頼は高いというのでちょっと驚いた。 |
ダイオキシン排ガス連続モニタリングシステム |
排ガスモニタリングシステムをホームページから コントロールするシュタイナー氏 |
焼却炉見学後、シェーンブリュグ宮殿を見学。かの女帝マリアテレザのお城である。ウィーンの生みの親でもあるフランツ・ジョセフもこの宮殿にすんでいた。巨大広大なシェーンブリュグ宮殿で飲んだいっぱいのウィンナコーヒーがうまいことうまいこと。時間の関係で宮殿内部には入らなかった。200mくらいの行列があったからだ。宮殿見学後、ウィーン南駅そばのベルベデーレ宮殿にも案内された。ここもだだっぴろい宮殿だ。宮殿内は現在、有名画家の絵画がたくさん掲示されている。ムンクとシーレの絵画が有名。印象派の代表であるモネの絵もあった。 |
シェーンブリュグ宮殿 |
ベルベデーレ宮殿 |