エントランスへはここをクリック   


経済産業省の
なりふり構わぬやり口が判明

〜〜放射性廃棄物の処分場受入に向けて〜〜

池田こみち
掲載月日:2015年6月16日
 独立系メディア E−wave Tokyo


 福島第一原発事故以降、除染廃棄物をはじめ、「放射性物質汚染廃棄物」の処理処分が大きな問題となっています。今まで最終処分場の候補に挙がった地域では、いずれも、その立地選定プロセスの妥当性、正当性がないとのことから、地域で大きな反対が巻き起こり、挫折しています。

 トップダウンで、町長や村長も知らない中で決められると言うこと自体信じられない非民主的な手続きですが、どこかに処分場を造らなければならない国としては、ついに、裏で動き始めたようです。

 先頃、三重県の知人から、次のような問い合わせがありました。

「6月19日に三重県教育文化センターで、放射性廃棄物の処分場のことについて、説明会があると聞いたけれど、非公開とのことで、誰が誰に何を説明するのかわからない。不安でしょうが無いけれど、どうすれば分かる? なんでも、国有林に処分しようとしているとの噂もあるけれど。」

 そこで、急な話でしたが、私なりに調べてみました。

●経済産業省 放射性物質対策課

 まずは、一番関連のありそうな部署に電話をしてみました。電話口には、直井さんという担当者が出られ、今月19日に三重県教育文化センターで放射性廃棄物の処分場の立地とか方法などについての説明会があるようですが、経済産業省の主催だったら、その内容を教えて頂きたい」と切り出したところ、「そのような情報はどこから得たのか、どのような説明会と聞いているのか、内容がわからないと答えられない、開催日時、場所、内容についても非公開の場合がある」とのことで、けんもほろろの対応でした。

●環境省

 次に、環境省の代表電話から、放射性廃棄物の担当に繋いで欲しいと言った所、「除染渉外広報室」というお問い合わせ専門の窓口が有り、そこに聞いて欲しいとのことで、直通電話(03-6741-4535)を教えてくれました。

 以前、瓦礫広域処理問題でも、問い合わせ先は委託先であったことを思い出し、「その部署は、環境省の職員が対応して下さるところですか」と確認したところ、「そうです」というのでさっそく電話してみました。

 電話口に出られた女性の担当者(タケダさん)に、「6月19日に三重県教育文化会館で開催予定の説明会に環境省が関与しているかどうかを確認したいのですが。地元の親戚の高齢者から連絡があってどうなってるのか不安だとのことなので、東京在住ですが私からお尋ねしているのですが」といったところ、さんざん待たされたあげく、次のように答えました。

 「ご質問については、こちらでお調べしますので、今日から「5営業日」後の23日に再度お電話頂きたいのですが。」と。

 「そもそも19日のことを聞いているのに5営業日後の23日じゃ終わっているじゃないですか」、と指摘したところ、再び、電話口でしばらく待たされ、「それでは、特別に18日の午後に再度電話をして確認して下さい。ただし、お問い合わせの内容がわかるかどうかは分かりません。」とのことでした。

 そもそも、民間企業ではあるまいし、役所が「5営業日」ということ自体、おかしいので、「そちらは環境省の方が対応して下さっているのですか」と聞いたら、やっと「こちらは委託を受けているところ」と白状しました。どうりで何回も待たされる訳です。

●三重県 教育文化会館

 結局、経産省も環境省も埓が空かないので、会場である三重県教育文化会館に電話で聞いてみました。

池田  「6月19日に説明会があるようですが、何時からどのお部屋ですか」 
受付 「13時〜17時までご予約頂いています。内容については主催者に聞いて下さい。会合名は「自治体向け連絡会」となっています。」
池田 「それじゃ、担当者に連絡したいので予約した団体名がわかったら教えて頂きたいのですが」
受付  「電源地域振興センターとなっています。」

 ということで、ようやく全貌がわかりました。電源地域振興センターというのは、正式名称 一般財団法人 電源地域振興センターといって、平成2年に設立され、主に電源立地地域の地域振興のための事業を行っている団体です。現在は一般財団法人となり、経産省の所管をはずれていますが、設立当初は経済産業省の認可団体でした。

 詳しくは、以下をご覧下さい。
 一般財団法人 電源地域振興センター
 https://www2.dengen.or.jp/index.html

 今回の三重県での説明会は、結局のところ、経済産業省が表に出ず、電源地域振興センター主催で県内の自治体(市町村)を集め、放射性廃棄物の最終処分地受入について、非公開で説明し、どのようなメリットがあるか示しながら説得するというものではないかと察します。

 県内の市町村では、その説明会に出席すると立地を受け入れる前提となるので欠席とした方がいいのではないか、などいろいろな憶測が飛び交っているようですが、結局のところ、札びらで頬を叩くようなかたちで、最終処分場の受入を進めようという魂胆は見え見えです。

 市民にも非公開というのは許せない対応です。どうせどこかから漏れるのですから、きちんと開かれた場で説明すべきです。地元だけでなく国民に対して知らせるべき内容です。そもそも財団法人の財源は、経産省などの委託調査などでなりたっており、税金が投じられる事業なのですから。

 姑息な対応はやめてほしいものです。地元ではすでに不安が広がっています。三重県以外でもこそこそとこうした説明会が開催されている可能性がありますので、アンテナを張り巡らせ、情報をキャッチし適切な情報公開を求めていく必要がありそうです。