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短期任用の女性幹部   
青山 貞一

掲載日:2004.4.28

 4月26日、長野県塩尻にある知事分室に、上高地の環境調査計画を説明しにでかけた。

 塩尻市の県林業総合センター内の「知事室分室」は、はじめてだ。

 塩尻駅から自動車で広大な松本盆地を左に見ながら小高い山を登って行くと、小さな木造のコッテージが見えてくる。

 到着後、知事分室の隣の部屋で待つ。中日新聞の女性記者がパソコンでいそがしく原稿を書いている。どこかで会ったと思ったら、4月2日、県庁1階のガラス張り知事室で辞令をもらい、外に出たとき待ち受けていた記者のひとりだった。

 環境調査についての説明が終わった後、5月1日に長野県が新聞8紙に出すという「広報ながのけん」の原稿について経営戦略局の広報担当者が説明した。知事からいくつか課題が出され、翌朝(27日朝)までに修正することになった。たまたまその内容が廃棄物問題だったこともあり、知事から長野駅まで車のなかで課題解決のための会議をしなさい、と指示を受けた。

 車には、私と課長、経営戦略局の広報担当者、それに同じく経営戦略局の2名の女性が乗り込んだ。

 車中、約1時間、4人で限られた中で確実に結論、それも大切な課題について結論を出す議論が繰り広げられた。私自身、限られた時間の中でそれなりの成果を出すと言う生き方を常々してきたので、1時間勝負の車中会議は、至極スリリングで楽しいものだった。

 後で分かったのだが、車にさっそうと乗り込んできた女性2名は今里里枝参事と石川春乃政策推進幹だった。石川さんとはGISをめぐり4月中旬に環境保全研究所で議論していたものの、一緒に仕事をするのははじめてだ。

 さすが、お二人の女性幹部の戦略的に考え、戦術をスコープする、その判断する力はみごとだった。

 彼女らは広報のコンテンツである廃棄物政策の専門家ではない。だが、逆に専門家ではないが故に読者に対して何をどう伝えるか、眼目は何か、いかに論旨を明確にすべきかと言うことに関し、実に明快な対応をされていた。まさにすぐれたリテラシーをおもちなのである。

 後日、以下の共同通信の記事を発見した。なるほどと思った。

 この春、田中康夫知事は短期任用で8名の女性幹部を採用したが、おそらく他の方々もただ者ではないのだろう。そのうちお会いし、議論したいものである。

ゴディバの幹部ら10人採用 長野県が公募で部課長級

 長野県は29日、全国からの公募で、ベルギーのチョコレートメーカー、ゴディバの日本法人「ゴディバジャパン」(東京)のシニアマーケティングマネジャーの今橋里枝氏(43)ら10人を部長など幹部ポストに採用すると発表した。

 県経営戦略局によると、今橋氏は1983年3月、津田塾大を卒業。94年3月に同社に入社した。県では部長級の経営戦略局の参事として、長野県のブランドづくりなどを担当する。任期は4月16日から4年。

 ほかに、イベントプロデューサーの児玉ゆり氏(49)、一級建築士の資格を持つ石川春乃氏(35)を課長級の政策推進幹として採用する。

 公募以外では、1997年にいじめ被害を訴える遺書を残し自殺した男子中学1年生の父親前島章良氏(49)=長野県須坂市=を教育委員会人権教育課で、課長級の職員として採用する。(共同通信)
[3月29日14時2分更新
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