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忍び寄る国家主義(7)
中学生の証言

掲載日:2004.5.8

 ぼくは、東京都内の公立中学校に通っています。

 本当は、本名で自由に意見を言いたいのですが、日本社会の今のとても恐ろしい状況を感じて、名乗ることもできません。子どもの権利条約で保障されているはずの「子どもの意見表明権」がおびやかされていると思っています。

 公教育はもうかなり前から末期状態です。都教委も日教組もどちらも救いようがない状態です。

 日教組は、戦争反対!君が代強制反対!というのは、大変けっこうです。そういう点はもっとがんばっていただきたいです。それで教育現場で子どもたちには、「先生はみなさんに強制するということがきらいなんです。だからみなさんをしかるのはきらいです。みなさんは自分で考えて行動しましょうね。」という指導をする先生が多く、やっていいこと悪いことの示しをつけない。いじめも個性のバカ教育は、今すぐやめてもらいたいです。子どもが犠牲になります。

 それに対して、市民から大苦情をうける都教委が「教育をきちんとしなければいけない」「教員の質を向上させなければいけない」と思ったのは、ごもっともなことだと思いますが、「きちんと」の中身が国家主義!で大間違いです。やはり、子どもが犠牲になります。

 日教組が自ら教育をだめにして、都教委の管理を招いたとも言える悲劇的な状態だと思います。

 ぼくは、日教組のまぬけなゆるゆるリベラル路線も都教委の強靭な国家主義路線もどちらも大間違いだと思っています。

 公立学校の先生や教育委員会の職員も、自分の子どもだけは「私立」という人がけっこう多いようです。ぼくも、教育委員会で「中学は私立に行ったほうがいい」という意見をもらったことがあります。

 そういえば、以前、小泉首相が、イラクへの自衛隊派兵に反対の署名を集めて提出した高校生について記者団に意見を求められた時、学校の先生は、政治的なことばかりやっていないで、もっとしっかり教育をしたらどうかという主旨の発言をしました。

 イラクへの自衛隊派兵の問題は、すっかり忘れて、「そうだ、学校の先生は教育をしっかりしたほうがいい。小泉さんは、いいことを言う。」などと思ってしまった市民も多いのではないかと思います。それもまた大間違いだと思います。