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行政と近すぎる報道の危なさ
〜3Rイニシャティブの
委託費が1億円〜


池田こみち

掲載日:2006年4月13日


 昨年の今頃(4月28日〜30日)、環境省(小池百合子環境大臣)が主催し、新築なったばかりの東京プリンスホテル・パークタワーにおいて、G8の環境大臣クラスを招き、大規模な「循環型社会に向けたごみゼロ」をテーマに3Rイニシャティブ閣僚会議が開かれた。

 その事務局を務めたのが件の(財)地球・人間環境フォーラムだったのだ。内容の報告は既に以下のコラムに掲載しているので参照していただきたいが、その委託額が1億500万円だったことがわかった。



http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/ikeda-co0211.html
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/ikeda-co0212.html
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/ikeda-co0213.html

 本来、こうした国際会議には広く一般の傍聴やNGOのオブザーバー参加などが認められても良いはずだが、私自身、環境省の担当事務局にお願いしやっとオブザーバー参加が認められたという経緯がある。その会議には、自治体からの参加もほとんどなかった。

 一方、報道関係者や環境省OB、日頃から環境省に近いNGOの面々は大勢参加していが、当然、事務局の財団の理事や評議委員の参加もあったことだろう。

 廃棄物問題について、閣僚クラスの初めての国際会議であったにもかかわらず、報道各紙の取り上げ方は極めておざなりだったことが今更のように思い出される。

 3Rイニシャティブ閣僚会合での議論の内容や日本にとっての課題、国際的な視点での問題点など、焼却主義を邁進する日本にとって考えるべきことが多いが、しっかりとした論評やコメントを出しているのはNGOのWebサイトばかりのようである。例えば、化学物質問題市民研究会など

 3Rイニシアティブでは、その政策決定や行動計画を実施していく上で、NGOも含めたすべての利害関係者(ステークホルダー)の連携が重要であるとしているが、実際には、会合での議論の場からNGOや市民、メディアの参加は排除されたのである。だからこそ、特権のように参加していたジャーナリストにこそ、しっかりとその本質、課題を見抜いて報道してほしかったのだが。

 行政と一体となっている財団法人などに寄り添うようになると、本来の役割が果たせなくなることは間違いない。豪華なホテルで、昼食は参加者(オブザーバーも含め)に無料でサービスされたが、果たしてそこに参加していた「ジャーナリスト」の面々は本来の役割を果たしたのかどうか、首をかしげたくなる。

 それにしても、今更ながら1億円の内訳を見てみたい気がしてきた。