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アメリカにもソッポを
向かれた安倍外交



日刊ゲンダイ

掲載:2006年7月13日

 
─ Dailymail Businessより ────────
■ 拳を振り上げてみたが早くも挫折
■ 北朝鮮制裁だとヒステリックに意気込んでいたが
■ 頼みのアメリカにもソッポを向かれた安倍外交
■ この程度の人物が次期首相の最有力候補では、
■ この国は危ないという声が強まってきた
■ 彼が次期首相ならこの国はどこへ行くか
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「敵基地をたたく」とまで言い出した自民党安倍、麻生、額賀などのポスト小泉連中のヤバさ、怖さを深刻に懸念する声。庶民いじめの内政とデタラメ外交の失敗を北朝鮮で目くらましを図っている悪辣さ、狡猾さも危険
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 北朝鮮のミサイル発射で額賀防衛庁長官が「先制攻撃論」を口にし、安倍官房長官も「今後、そういう(攻撃)能力を持つべきかどうか、議論を深めていく必要がある」などと言い出した。

 日本の大マスコミは発言を垂れ流しただけだったが、米国では大騒ぎになっている。

 ホワイトハウスや国務省の会見では、米国人記者が「日本の先制攻撃を支持するのか」と報道官に詰め寄り、「どんな選択肢も排除していないということだろう」(マーコック国務省報道官)とゴマカすのが精いっぱいだった。

 米国は内心、「安倍のバカが」と呆れているのではないか。

 国際社会にとって目下の脅威は北の核だ。だから6カ国協議の中国、ロシア、韓国などと協調しなければならないのに、こんな刺激発言をするなんて、どうかしている。

 案の定、韓国は「(安倍発言は)侵略主義的傾向を示したもので、深く警戒せざるを得ない」(鄭泰浩報道官)と猛反発だ。安倍の外交センスを疑ってしまう。

◆ 血が上ってコーフン状態の小泉内閣 ◆

 それでなくても、北朝鮮のミサイル問題で、いきり立っている日本は異様だ。とりわけ、安倍長官は常軌を逸している。ミサイルを撃たれる前から米国と協議し、撃たれた瞬間、「待ってました」と万景峰号の入港禁止に踏み込んだ。

 内閣官房は「無理だ」と反対したのに、独断で制裁に突っ走ったという。揚げ句の果てが、不用意な敵地攻撃論なのである。

 本来ならば、額賀発言をいさめるべき官房長官が一番先頭で旗を振っている。麻生外相も「負けじ」と先制攻撃論に踏み込んでいたから、この内閣はムチャクチャだ。「安倍長官らは完全に頭に血が上り、コーフン状態です。政府は国連の安保理に北朝鮮制裁決議案を提出、『即刻、採決だ』と騒いでいたのがいい例です。

 最初は8日の採決を要求し、理事各国の要請で10日に変更すると『延ばすつもりはない』(麻生外相)と突っ張った。でも、この間に中国の武大偉・外務次官が平壌入りし、北朝鮮への説得をしているのだから、採決を待つのは当然です。

 案の定、米国にもハシゴを外され、採決は先送りになった。世界中が日本に呆れていますよ」(外交事情通) ロシアのラブロフ外相は安保理に「ヒステリーにならないように」と諭したが、これは日本に向けられたコメントだ。

「日本はミサイル問題を機に、安保理での発言力を増したかったのかもしれませんが、他国に見透かされています。こんな外交をしていたら、日本だけが孤立してしまうのではないですか」(国際問題評論家・高橋正氏) それこそ、北朝鮮の思うつぼなのである。

◆ ウルトラタカ派がますますエスカレートのヤバさ ◆

 安倍官房長官はおそらく、「今こそ、自分の出番」と思っている。北朝鮮といえば、自分だし、バカな大新聞が「事実上の安倍外交のスタート」とか持ち上げるものだから、ますますいい気になっている。世界中が笑っているのに、安倍本人は「外交エキスパート」気取りなのだ。

 こんなのがポスト小泉の1番手なのだからイヤになる。安倍が次期首相になったら、この国はどうなってしまうのか。法大教授の五十嵐仁氏(政治学)は「次期首相どころか罷免すべきだ」とこう言っている。