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信じたい日本でなく
「信じられる日本」へ



  田中康夫

掲載日2006年6月15日



「ヤッシー流! 日本復活構想! 全国でただ1県、5年間連続で県の借金を減らした行政力。信州・長野県知事 田中康夫が日本の元気を取り戻す!」と帯文が記された単行本「日本を ミニマ・ヤポニア」が本日、講談社から発行されます。

 その前半に当たる「日本を」は、文章を書き、言葉を喋るだけでなく、50ccバイクに跨って被災地で奉仕活動を続け、巨大公共事業の見直しを求める市民活動を率い、時代の状況に自ら関わってきた僕が、県知事に就任後、更に社会貢献し得る様々な権限を有し、判断を求められる“アンガージュマン”として実践し続けた記録です。

のみならず、官でも民でもなく公の心智が集う“リージョナル・コモンズ”の再生を、と昨夏に荒井広幸、小林興起、滝実の各氏らと結党した新党日本が目指す、「信じられる日本」社会の在り方を提示する「MINIMA JAPONIA」を、後半には掲出しています。

右綴じの単行本として前半は縦書きで、左綴じの単行本として後半は横書きで、読者たる国民の期待に応える、正に結党宣言に記された文言、「常識をひっくり返す事にこそ夢が有る」と納得させる単行本なのです。

併せて、本日17時から帝国ホテル本館3階富士の間で「日本を変える意志の集い」が開催されます。「小さな種が花を咲かす時、日本が変わる−日本が変える。」と銘打っての新党日本のパーティです。冒頭に民主党の鳩山由紀夫氏から来賓挨拶を受け、僕が40分間、講演を行います。

18時からの第二部は、国民新党の亀井静香氏、民主党の渡部恒三氏、社会民主党の又市征治氏から来賓挨拶を受け、畏兄・菅原文太氏の発声で乾杯となります。東京藝術大学の卒業生が奏でる弦楽四重奏の調べが流れる中、“平場”で参会者と2時間近くに亘って語り合う趣向です。


資金回収の為に開催される凡百の政治資金パーティとの、そこが大きな違いです。

如何なる社会を目指すかの理念と気概を本人らが提示する事も無く、評論家と称する口舌の徒に高額な謝金を支払い、歯が浮く程の礼賛講演を依頼し、チケットを購入した企業、組合、各種団体から命ぜられて訪れた参会者も、会場内の屋台で鮨や天麩羅を摘むや退出してしまう。

斯くなる見慣れた光景とは凡そ異なる、即ち、会場内のあちらこちらで僕を始めとする面々と、個人の意志で全国から参会して下さった方々が議論を交わす場面が展開される事でしょう。




少子高齢化社会を既に通り越し、歴史上に類を見ない速度で少子社会、高齢社会が到来した我が国に於いて、経済的・文化的ヘゲモニーこそが重要で、技術や人財等のソフトパワーこそが国民力と認識する「小日本主義」に基づく経世済民の社会再生こそが「信じられる日本」なのです。

「信じたい日本」ではありません。それは、政官業の利権分配トライアングルや、そこに御用学者や報道機関が加わった政官業学報の現状追認ペンタゴンが望む「都合の良い」日本に過ぎません。

 「信じられる日本」は私利私欲とは無縁のリージョナル・コモンズに生きる国民による公の再生ムーブメントなのです。