TDA2009×2 4チャンネル・バイアンプの製作 青山貞一 2006年10月9日, 2009年12月23日 |
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先にTDA2009を使った超廉価な10W×2のピュアオーディアンプの製作記事を書いた。読者から多くの反響が寄せられた。 ●青山貞一:700円のLSIによる本格的オーディオアンプの製作 その後、OnkyoからD-D1Eと言う小型スピーカーが売り出されていることを知り、有楽町のビックカメラで実売価格約1万9千円で購入した。もちろん2本のスピーカーで約1万9千円である。 10W×2のピュアオーディアンプに接続して楽しんでいたが、問題があった。 従来から使っている古いコンポについていたビクターのスピーカーの中音が捨てがたい。 いい音をしている。 そこで両者をパラレルにアンプに接続して聞いていた。しかし、音圧が異なる。音圧が低いD−D1Eの音が前に出でこない。曲によって、どちらかのスピーカーの方が良いことがある。などなど。 そこで、TDA2009をつかったピュアアンプをもう一セット製作し、それぞれのアンプでビクターとONKYOのD−D1Eそれぞれを駆動したらどうかと考えた。 なんと言っても、TDA2009(10W×2)は部品で製作すれば1500円で十分。 完成品のボードでも税込みで2300円程度だ。だから、もうひとつTDA2009アンプをつくれば、4チャンネルのピュアオーディオ用の高音質バイアンプができる! 可能ならアンプ全体(4チェンネル)の音量調整は今まで通りひとつとし、ふたつのスピーカーそれぞれ用にボリューム(それぞれ2連)をつけ、曲によって、@D−D1Eだけ聞く、Aビクターのスピーカーだけ聞く、B両方を任意の音量でミックスして聞くの3通りが可能となるようにしたい。 料理の種類によって、塩と胡椒を適度に振りかけるあれだ!! そこでかって知ったるアキバの店で、追加のための部品を購入。店で買った主な部品は以下の通り。 TDA2009(10W×2)アンプ 1個 2300円 2チャンネル(L+R)スピーカー接続用陸軍端子 4個 160円 50kオームBタイプ2連ボリューム 2個 640円 追加費用は、何と3000円ちょっとである。 前のブログにも示したが、TDA2009は、以下の形状をしている。 ![]() 実物は小さなLSIだ。これに放熱版をつけて使う。 28Vを与えると最大で10Wはでると書いてある。TDA2009 は英語では、10W+10W High Quality Stereo Amplifier LSIとあり、あえて High Quality Stereo Amplifierとある。 下はTDA2009をひとつ使った2チャンネル用高音質オーディオアンプである。
基本回路は以下の通り。 ![]() 新たに2チャンネル分のアンプを追加する工作は至って簡単。 下の写真は、今までのアンプにもうひとつTDA2009の10W×2のアンプをならべたところを示している。 写真では、右下に2連ボリューム×2が見える。 このボリューム用のダイアルツマミは、その昔、無線のSWR測定機のものを再利用した。以下の写真ではまだ配線をしていない。 ![]() ちなみに以下は改造前の2チャンネルのみのアンプの配置、配線写真。 ![]() 下はケースから出したフェース(フロント)の配線前写真。左側の2つのボリュームダイアルが新規に加わった。 ![]() 下は、ケースウラ面の写真。従来は、白と赤だけだったが、今回は緑と黄が加わっている。 ![]() 下の写真は配線後の写真。結構きれいにまとまっている(笑い) ![]() 下の写真は、フロントから撮影した配線後の写真。 何しろ小さく軽い。実際には、スタンドオフを利用しサブウーファ用端子用のミキサーとLPFが入れてある。 ![]() 下は低電圧電源(測定器用の小さなもの)を上にのせたところ。簡素だが内容はしっかりしている。 ![]() 下は私のピュアオーディオシステム。 両端がONKYOのD−D1E。その隣がビクターのスピーカー。白い小さなスピーカーとセンターアンプ(薄黄色)はパソコン用。パソコン用センターアンプのEUにちょこっと座っているのが4チャンネルバイアンプ。 ![]() バイアンプを最初から製作する場合の部品と価格を以下に示す。ただし、電源は別。 1)TDA2009アンプ 2 4600円 2)2連ボリューム 3 960円 3)ABSケース 1 850円 4)陸軍端子 8 320円 5)RCA端子(雌のみ) 3 150円 6)パイロットLED 1 120円 7)スタンドオフ 4 140円 8)つまみ 3 900円 9)配線 1セット 250円 10)LPF用汎用プリント基板 1 80円 11)同抵抗・コンデンサー類 1セット 800円 12)NE5532 1 120円 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 9290円 ※RCA端子の3つめはファブウーファー用 このバイアンプの使用感だが、予想通り、すばらしいのひとことだ。 通常は、両スピーカー使用の割合はほぼ固定しているが、曲により両スピーカーのミックス割合をつまみを回すだけで、簡単に変えられる。 出力も超小型ながら10W×4=40ワットとなり余裕がでた。入力はONKYOのオーディオカードを装着したPC上のCD及びファイルである。 アキバのオーディオ展示の試聴で内外の高級アンプと高級スピーカーを組み合わせでいろいろ聞いているが、自分の小さな書斎で聞く限り、この1万円そこそこの4チャンネルの超小型軽量のバイアンプは遜色ない思っている。 LSIのTDA2009そのものは1個、3百円〜7百円であるから、8チェンネルアンプなどを自作する場合は、プリント基板から自作すれば、一基あたり1400円程度で製作可能である。 以下は現在のシステム。 2009年12月23日夕方 ![]() 右側のスピーカーシステム ![]() 左側のスピーカーシステム |